「烏に単は似合わない」 阿部智里
▷今回読んだ本
▷感想(ネタバレを含みます)
わ、わ、わ、若宮! おまええええええ!!! という気持ち。白珠やあせびや真赭の薄には表情を変えず冷徹だけど正しいお兄さんって顔をしておいてお前、浜木綿のこと罪悪感で繋ぎとめて置かないと不安になっちゃうし、浜木綿の顔見ると笑顔になるし、本当に何なの?
「烏に単は似合わない」の意味が分かったときには本当に本ぶん投げるかと。序章と終章が本当に天才! 序章読んでるときは「これ誰目線なんだろー」とか思っていたけど、終章読んでいるときはもう、なんかもう、答え合わせできて、ほんとうに、なんか、もう。
ていうか、私最初は主人公ぽいしあせびが結局入内するんでしょ~とか思って、普通のラブストーリーかと思ってたんですよね。それが全然違くてさ、でも期待が外れた残念感とかは一切ないんですよね。むしろ選ばれなくてよかった。あせびやうこぎがそんなことしてるなんて全く気付かなかったよ! 叙述トリックが見事すぎる……。
それとあと、一巳と白珠ね? 殺されたときはほんっとに心が冷えた。生きててよかった。若宮まじいいお兄さんだよなあ、と。一巳も心の底から良い人すぎる。
いやまあしかし、浜木綿と若宮……すみと奈月彦……。若宮なんで最後笑顔で走ってんだよ……いや何でか知ってるけどさ……。
えってか待って、最初に東家当主が「私の娘とは思えない」って言ってるのやば。
(初読時 2020年10月1日)