舞台 星列車で行こう

京都南座で舞台「星列車で行こう」を観劇してきました。
舞台は年に1度は観に行くのですが、坂東玉三郎さんの舞台は初めてのことです。
そして今回、春に中学生になった息子を連れて行きました。

息子を連れて行ったのには理由があります。

星列車で行こうの公式HPにて見どころがこんな風に書かれていたからです。

その列車に乗ると、夢を見つけられるという伝説があった―――

 今日も夢を求めて、人々は「星列車」にやってくる。



 始発駅0番線ホーム。汽笛を鳴らし発射を待つ「星列車」に現れたのは、家を飛び出してきた青年・太郎(影山拓也)。育ちが良く、天性の善良さを持つ彼は、”自分がないこと”に悩んでいた。息苦しい日々から解放され、自らの力で運命を切り開きたいと、この列車に乗り込んだ。

 『ご乗車の方はお急ぎください!』額に携帯の光を当て、乗車確認をする不思議な車掌(石井一孝)が人々へ呼びかけている。そこへやってきた男は次郎(松田悟志)。孤独な過去に囚われ、お金とスマートフォンが唯一の安らぎだと信じていた。他人から注目を集めるため「お金持ち」になろうと決めるも、闇バイトに手を出し、逃げている途中で星列車に迷い込んできたのだった。

 発車のベルに混じって、歌舞伎の舞台で聞くような台詞が聞こえてくる。何か衣裳のようなものを身に纏った男・五郎(松村龍之介)は、歌舞伎俳優を志すも叶わず、この列車にたどり着いた。物語の主人公のように、誰かに頼れる人になりたいと、心の奥底で願いながら……。

 

 生まれも境遇も違う3人を乗せ、星列車は動き出す。「将来駅」、「追憶駅」、「夢見る駅」……

 行く先々で起こる出来事や出会いに、若者たちは何を思うのか。彼らがたどり着く未来とは――



 夢を求める青年たちの葛藤を描くオリジナルストーリー。

 満天の星空のもと、往年の名曲を織り交ぜながら紡がれる、夢のようなひとときにご期待ください!

https://www.shochiku.co.jp/play/schedules/detail/202407hoshiressha/

幼いころからずっと同じ夢を見ている息子も中学生になりました。
夢に向かって更なるチャレンジをしたい!と本人が願ったため中学からはレベルの高い環境で夢を現実にするために頑張っています。

そんな息子が星列車で行こうを観劇して、夢をどう捉えるのか、夢に向かう道をまっすぐにするヒントが見つかるといいな。と思ったのです。

結果としては、息子の観劇は大成功でした。

幕間では「暗くて星がきれいだし、影山くんの声がきれいで眠くなる」
「影山くんいつもと声違くない?低いよね?風邪?」と、子どもらしいことを言っていたし、帰り道でも祇園の街を次郎の歌「ONLY BIG MONEY!!!」を大きな声で歌うは、次郎のことを「オレオレ詐欺の人」と呼称するはで…。

まだやっぱり難しかったかぁ…桟敷席に座る経験だけでもと思っておこう。高い授業料だけど夏休みだしまぁいいや。という気持ちでそんな感想も子どもらしくていいなと面白く聞いていたのです。

帰路につきしばらくして「星列車楽しかったね。」と突然また思いだしたように話す息子。「楽しかったね。」と気持ちを共有していると、続けて

「夢ってさ、サッカー選手とか医者とかだと思ってたけどそうじゃないんだね。なんとなく意味わかった。人に喜んでもらいたいとか、そういう気持ちが夢で、それを叶えるためにするのが仕事ってこと?自分がどんな人間になりたいかってこと?だよね?」

と話し出したのです。

咀嚼に時間がかかっていたようで突然話し出したことにびっくりです。
と同時に運転で頭も回っていない私は「そうそうそう。」と情けない返事しかできませんでした。

こんなに純粋に届いていたとはと、私も後から感動しました。


それから息子の感想から自分の星列車も深めることができました。

私は大人なので今「夢」をもっていないと思っていました。
そして自分がこの先に「夢」を持つことがあるとも思っていませんでした。

けれど星列車乗車を経て、自分も今、夢を叶えていっている最中で、今も「夢」を持っていることに気づきました。

「自分らしく生きること」
「自分がどうありたいか」

が「夢」の正体なんじゃないか。

自分の憧れや、好き、心地よい、嬉しい、から夢は派生してく。

そう思ったのです。

そう思うと、私は今、母親で主婦で制限があるような気もしていたけれど、
自分の望むことができています。

家事の中で掃除、洗濯は「好き」です。
「心地よい」空間の中で生活できている。
好きな香りの洗濯物。お日様の香りの洗濯物。
趣味の推し活、読書や映画。「好き」でやりたいことができている。

私は、自分らしく生きて夢を叶えている最中だったんだと思いました。

そして私の場合、仕事はそれを叶える手段です。
それでも人に感謝されたりすると「嬉しい」ものです。
私は、人を幸せな気持ちにする人間でありたい。そんな夢ももっているんだと思います。

大人になって、自分自身をある程度理解できるようになっているから「夢」がないと思っていたけど、私もまだ夢を叶えている途中で、大人になっても夢をもって生きる事は難しくないんだ、むしろ簡単じゃないか!と思うと、太郎のようにわくわくしてきました。

夢を探しているつもりなんてなかったけれど、私も気が付いたら星列車に乗車し、そして夢をいっぱいにして星列車を下車しました。

息子は職業としての夢を追っている最中ですが、その道のりの中で「自分らしく生きること」「自分がどうなりたいか」を考え、太郎のように幸せな「夢のわかる」大人になってほしいなと思います。

私たち親子に大切なものを教えてくれた星列車に感謝します。







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