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【全文無料】Crossfaith OUR FAITH WILL NEVER DIE@幕張メッセ7~8ホール 2025.02.01(Sat)

行き慣れた9-11ホールとは異なる会場に戸惑いつつ、遂にやって来た幕張メッセ7-8ホール。
ジョン・ホプキンスのアルバム「シンギュラリティ」に収録されたナンバーや、KAS:ST「Hell on Earth」が幕張に集ったWarriorsを迎え撃つ。
Hell on Earthはイディオムで、"究極に不快な場所や状況" を指すらしい。Crossfaithの「EX_MACHINA」や「Countdown To Hell」に通ずる選曲に、本日の曲目を少し勘繰ってみたりする。

18:00を少し回った頃、時は来た。
ステージをまるっと覆う幕の裏側に、かすかに覗くメンバーのシルエット。
親の声より聴いたあの鐘の音が響くと、「Leviathan」が宴の口火を切った。
一曲目が「Leviathan」なのは久々だ。やはりこの重厚感のあるサウンドが最初に聴けるのはたまらない。
ステージモニターには嵐の大海原を航海するような映像。そしてメンバーもよく見ると、ヒジャブというかドラクエ3のまほうつかいというか、そのような着物を身にまとい演奏している。モニターの映像、曲、服装も相まって世界観が既に完成されている。今日のワンマンにどれだけ懸けているか、ものの数秒で理解をした。

このまま普通に演奏が終わる…と思いきやところがどっこい、ラストパートに差し掛かる前に、AЯKのアルバムジャケットが大きく映し出され、メンバーが退出。
確かにこのまま「Leviathan」を最後まで演奏すると、最後にお辞儀してライブ終わっちゃうもんね。

何が起きるのか見守っていると、「The Final Call」がどこからともなく流れ、ミュージックステーションさながらステージに設置された階段にメンバーが現れた。
一人ひとりが本日のステージ衣装をお披露目する。相変わらずTatsu(Dr.)はビジュアルが爆発している。
最後に聖火を携えたKoie(Vo.)が階段を踏みしめ降りてくると、これが本編かのように「ZERO」の演奏が始まる。
炎があちらこちらから吹き出し、燃えろやなんやの大騒ぎ。これぞCrossfaithワールド。

疾走感のあるイントロから「HEADSHOT!」。
"素敵なサークルピットですねえ。でも(ステージ前方の)前2つしかできてないよな!?" とKoieが煽ると広がるピット。それを確認してからお決まりの「Jägerbomb」がフロアに注がれる。
しっかりステージにイェーガーマイスターを持参していることをカメラにアピールするお茶目なTeru(Prog, Vision)も健在だ。

"次の曲、全員で飛び跳ねようぜ!いけますか!?"
という煽りで始まる「Make A Move」。GANTZを思わせる漆黒の玉が頭上から降ってくる。

"友達呼んでいいすか?" といういつもの一声からなんとなんとStrange BonesからBobby Wolfgangがのっそり現れた。完全版の「L.A.M.N」だ。
Koie曰く "明後日(アフターパーティーに)来てくれるんだけど、今日この瞬間のために来てくれた" という。タンクトップから覗くいかついタトゥー、少し俯き気に手を後ろに組み、ステージをゆっくりと徘徊する姿にはバンドマンとしての重たい圧がある。
冷静沈着に客席を見ていたかと思いきや、客席に飛び込むパフォーマンスまで披露してくれる。
最後には"Fxxking Good!" を残して去っていった。

静かになったステージに、みんな大好き「DV;MM¥ SY5T3M...」が流れる。
ステージモニターに投影された映像が好みすぎて食い入るように観てしまう。

お次はみんな大好き「Endorphin」。ラストのTeruのクリーンが美しいナンバーだ。客席エリアでわちゃわちゃしている子どもたちを横目に、"Kids want a new acid" の歌詞を眺める。

ステージが再び炎に包まれて始まるは「My Own Salvation」。幕張から本日一発目の特大シンガロングを引き出した。

”遂に幕張来ちゃったよー!”
感慨深そうにマイクを握るKoie。
"俺は何を喋ろうとしてたんだろう…" と興奮のあまり話すことを忘れながらも、18-19年バンドを続けてきて、本日の幕張ワンマンを迎えたことへの想いを綴る。

"乾杯を忘れたのよ、俺はさっき。乾杯します!"

と、本日ドリンクとして用意されているタイ・バンコクのSINGHAビールを手に取る。
いつものように爽快なプシュッ…音を響かせてビールをゴクリ。
"以上でライブ終了です…嘘じゃぼけぇ~" と調子づく。

”少しだけ俺たちの原点に遡ってみましょうか幕張”
原点、という言葉に期待を寄せてしまう。あれか?これか?それともあっちか?
"やる準備できてんのか!?" というKoieの声かけに、観客とともにTeruも腕をぶんぶん回して応える。

そうして投下されたのはCrossfaithの主砲、「FICTION IN HOPE」!
リリースが、じゅ、16年前…?嘘だろ……?ブランクはあれどしっかりノリ方は熟知している観客たち。フロアを広々と使い思いのままに体を動かす。

続いてステージモニターに"The Dream The Space" の文字が映し出される。まだ原点回帰は止まらない。coldrainからMasatoを引き込み、「Demise And Kiss」をブチかまされフロアは興奮の渦に包まれる。こう聴いてみると、Crossfaithも音楽性をその時その時で変化させながら成長してきたことが窺えて胸にグッとくるものがある。

"次はまだライブで一回もやったことない特別な曲です" との前置きから、深い水の中にいるかのような映像とともに「Night Waves」をしっとりと聴かせる。原点回帰から初出しの曲まで、かなり豪華なセットリストだ。

"carry me carry me now…" との声が遥か彼方から聞こえてきて口元が緩む。
みんなが大好き「Scarlett」とのご対面だ。個人的にCrossfaithの中でもかなりミステリアスで、広い箱が似合う曲だと思っているので、こういう舞台で聴くことができて本当に嬉しい。

"幕張ぃ、OUR FAITH WILL NEVER DIE、自由になれ!自由に遊べ!"
とのお誘いから「Freedom」へスイッチ。好きな曲が終わった瞬間また好きな曲が出てくるのは快感ですね。
ステージモニターには各国の言語で "自由" と書かれた単語が矢継ぎ早に映し出され、もちろんEnter ShikariからRou Reynoldsもやってきた!
ステージ上に設置された階段からゆっくりと降りてくる。そのカジュアルな装いと、Crossfaithメンバーのゴツい衣装が良い塩梅にマッチせず面白い。
フィーチャリングアーティストも揃った完全無欠のFreedomに、Tatsuのドラムアレンジも炸裂して更に重たいFreedomへと変貌を遂げている。
たまらない。

(以下は2日目、HYPER PLANETの動画だが参考に)

勢いは止まらず、そのまま流れるようにTatsuがソロパフォーマンスを披露する。クラブみの強いメロディにヘヴィなドラムが刺さる刺さる。抉られる。

気持ちが追い付かないまま、Koieが更なる武器を取り出す。
"新曲いっていいっすかー"
突然の発表に口があんぐり。重たい×踊れるタイプの曲のようだ。年内には何かしらの形で音源をリリースする予定だというので、楽しみにしておこう。

”さあ!何の時間かわかりますか!”
”いつもこいちゃんばっかり喋ってるから、他のメンバーにも喋ってもらおー!”

とKoieが高らかに言い放つと沸き立つフロア。AЯKツアーの時からこういうMCの時間が増えていたので、ワンマンの場でもやってもらえるのは嬉しい。
Tatsu、Kazuki(Gt.)、Daiki(Gt.)、Teruと順繰りに話していく。
Daikiは本日、血縁関係のある親戚がほぼ全員来ているらしく、小学生の頃の将来の夢であるギターヒーローになった姿を見せられて嬉しいと話す。
Teruはイェーガーマイスターの瓶をぐびぐび飲み、"(幕張が)夢じゃなかった!(ニッコリ)" とご機嫌だ。

たっぷり10分ほど使い、一通りそれぞれの話が終わる。場面は「Catastrophe」へ。
曲が終わるや否や流れるように中指を立てるKoie。モニターを見るとそこには荒川くらい幅の広いウォールオブデス。
いや、血の池地獄と呼んだ方が適切か。

ということでお決まりの「Countdown To Hell」がここで披露される。メンバーを覆い隠すほどの炎の柱が立ち並び、ステージの方が熱いのかフロアの方が熱いのか勝負をしているような景色が眼前に広がる。

汗だくになったところに投入される疾走感のあるイントロ。この曲は…
そう観客が思った瞬間、カメラがバックステージを映す。そこにはあの二人が。
ステージ裏の階段を駆け上がり、WARGASMの二人が現れた!
まるで「God Speed」を体現するかのように、Crossfaithメンバー以上にステージを縦横無尽に駆け回るSamに、どこをカメラに抜かれても絵画のような美しさを放つMilkie。こんなに色んなコラボを観られて良いんだろうか…なんとも贅沢な一日だ。
最後には "ありがとう!!" と大きなお辞儀をして、翌日の出番のために退場していった。

休憩の一幕を挟み、再度モニターに映像が投影される。
宇宙を取り囲む広大な海…銀河をそのまま海に放り込んだかのような映像とともに、あのお馴染みの曲が耳に入ってくる。
「Monolith」。ラストスパートへの第一歩としてふさわしい曲ではないか。

恐らく本日最後のMCになるであろう、Koieがマイクを握る。
"俺たちが活動休止から復活する時に立てた目標が、このワンマンと明日のフェスです。今回の幕張、ソールドできなかったんで…俺個人的には、絶対に絶対に!埋めるまで俺は死ねないと思ってます"

"ひょっとしたら今日来てるお前らからしたら関係ないことかもしれないけど、すっげえ楽しいし超やばい瞬間を作り上げられてるけど、まだ悔しい。俺たちみたいな、Crossfaithみたいなくっそヘヴィーな頭おかしいバンドが、この幕張をぶち壊す瞬間を見るまで、死ねません"

"もっとやばいライブして、やばい景色みて、俺らの持つどろどろとした熱い欲望をぶつけていく"
"俺たちCrossfaithの、第二章の幕開けでしかないです"

確かに、このワンマンとフェスが決まってからCrossfaithのライブに行く度に、"全員来てください!" と都度ライブで告知をしていた。翌日のHYPER PLANETでもSiMのMAHが "初めてフェスをやりたいという相談をされたのは10年くらい前だった" とも発言していた。
それだけ本気で挑み、作り上げたワンマンと初めてのフェスだったのだろう。
メンバーの脱退、加入もあり、このワンマン…ここが大きな切れ目になることは想像できる。

"ここでやるために作ったと言っても過言ではない曲です!"
そう高らかに宣言して本日のワンマンの締めに入る。
「Afterglow」で大勢の観客から光を浴び、「Canopus」で大勢のダイバーを浴びる。
"俺たちだけの曲じゃないからな、お前らの曲でもあるんやぞ!"
と、第一章を終わらせ、明日からの第二章に向けて、今日この日のために共に歩んできた観客へ最後の鼓舞をし続けるKoie。
頭上にはテープが舞いキラキラとステージを照らす。圧巻の眺望だ。

一日目を全力で終え、満開の笑顔を咲かせるKoie。
"バンド辞めなくてよかった!てか、辞めるわけないやろ!!ありがとう!!"
そう言い残し、大歓声に包まれながらステージを後にした。

Hiroki(Ba.)脱退のタイミングで、解散も考えたと語っていたKoie。
解散することなくこうして戻ってきて、そして更にバンドに対する熱も消えることなく、ましてや轟轟と燃え滾っている姿を見せてくれることにこちらこそ感謝だ。

ステージを去った後、ZEROに合わせてAЯKのメイキングシーンも特別公開してくれた。
これからももっともっとやばいライブを観られることに楽しみしかない。

<セットリスト>

  1. Leviathan(2:41あたりまで)

  2. The Final Call

  3. ZERO

  4. HEADSHOT!

  5. Jägerbomb

  6. Make A Move

  7. L.A.M.N - feat. Bobby Wolfgang from Strange Bones

  8. DV;MM¥ SY5T3M...

  9. Endorphin

  10. My Own Salvation

  11. FICTION IN HOPE

  12. Demise And Kiss - feat. Masato from coldrain

  13. Night Waves

  14. Scarlett

  15. Freedom - feat. Rou Reynold from Enter Shikari

  16. Tatsuya Amano Drum Solo Performance

  17. 新曲

  18. Catastrophe

  19. Countdown To Hell

  20. God Speed - feat. WARGASM

  21. Monolith

  22. Afterglow

  23. Canopus

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