金沢はいいぞ!という話
この記事は、
klis Advent Calendar 2023
19日目の記事です。
はじめに
みなさまこんにちは。2023年もあと少しですね。
今年の冬は去年とは段違いの寒さだなぁと思いながら、お布団でぬくぬくしつつも卒研の資料とにらめっこする毎日です。卒論提出まであと1ヶ月もない!やばいですね。
さて、私がklisアドベントカレンダーに参加するのは2回目です。
前回は一昨年、2年生の時です。大好きな嵐とコーヒーと空手の話をしました。
そんな私が今回お話ししようかなと思うのは、またもや好きなものの話。
人間、できるなら好きなもののことだけ考えて生きていたいものですよね。
さて、今回ご紹介するのは石川県金沢市。私の地元です。(テレビショッピングか?)
石川県は北陸三県の真ん中にある、日本海に飛び出た南北に長い県です。金沢市はその中でおおよそ中央に位置し、県庁所在地でもあります。
2015年3月には北陸新幹線が開業し、今では観光地としても有名になりつつあります。
藩政時代から続く伝統ある文化と、近代以降に隆盛した新たな分野が共存した金沢市には、様々な魅力があります。
今回は、大学に入学するまでの18年間(大学1年生の誕生日もコロナ禍で地元にいたため19年間)を金沢で過ごし、自他ともに認める金沢愛を持った私の、(特にklisの)みなさまへ、金沢おすすめスポットをご紹介します。
1. 石川県立図書館
klisのみなさまはさぞ気になることでしょう。
2022年7月に移転・新設開館された石川県立図書館です。
上記を基本コンセプトに、NDCに基づく排架のほか、独自に設定された10のテーマに沿った排架がされているコーナーもあります。
この広さと独特な建築設計に、写真ひとつで目を奪われる方も多いのではないでしょうか。
1階のカウンターを中心に、同心円状かつ段々畑のように広がっていきます。その様はまるでバウムクーヘン。「ビブリオバウム」と名付けられる所以でもあります。
館内は東西南北で4つの区画に分けられ、各方角・階によって様々な資料が閲覧できます。
その館内のあちこちにある閲覧席のバリエーションが非常に豊かなのもポイント。
あいにくとあまり写真を撮ってきていないのですが、一般書コーナー、児童書コーナーともに様々な形状・材質の閲覧席が設けられています。
また、それぞれの席から見える景色も様々で、座ってからも楽しみは尽きません。
実際に行くまでそのワクワクをとっておくのも良し、先にHPでどんな席があるのか予習しておくのも良し。
ぜひお気に入りの一席を、見つけてみてください。
さらに!
併設のカフェは県内で複数店舗展開されている「HUM&Go#(ハムアンドゴー)」。全国チェーンじゃないのも個人的にはポイントが高いところです。
図書館内は蓋付きの飲み物であれば持ち込み可能。コーヒーを買ってから席に着いて気合を入れるのもおすすめです。あとチーズケーキが美味しい。
2. 文豪カフェ あんず
次に紹介するのは香林坊の東急スクエアB1F、うつのみや書店内にあるカフェ『あんず』です。
実は金沢、名だたる近代の文豪たちとのゆかりが何かとあるのです。
金沢には『金沢の三文豪』と呼ばれる三人の近代作家がいます。泉鏡花、徳田秋聲、そして室生犀星。
泉鏡花は『夜叉ケ池』『高野聖』などを代表作とする、幻想文学の先駆者といえる作家です。アニメやゲームのキャラクターに起用されることもあり、彼らの中ではいちばん知名度が高いのではないかと思います。
徳田秋聲は『黴』『縮図』を代表作とする自然主義作家で、もしかするといちばん知名度は低いかもしれません。
しかし、かの文豪・川端康成に「日本の小説は源氏にはじまって西鶴に飛び、西鶴から秋聲に飛ぶ」と言わしめた逸材です。
室生犀星は作家であると同時に詩人。『抒情小曲集』が国語の教科書にも載るように、詩人として高く評価された人物です。
特に萩原朔太郎は彼の詩を絶賛し、小説の道に進んだことを深く嘆いたほどです。
泉鏡花と徳田秋聲は、作風は全く異なりますがどちらも尾崎紅葉の門下生(尚、二人の仲はかなり良くなかった模様)。室生犀星は芥川龍之介らとの交流があります。
それもあってか、近代の作家たちはしばしば金沢を訪れることがあったようです。「ゆあーん ゆよーん ゆやゆよん」がとても印象的な中原中也の『サーカス』という詩は、金沢でサーカスを見た経験から生まれたとか。
金沢は近代文学好きとしても非常に楽しい土地なのです。
そしてうつのみや書店は、金沢の三文豪が生きていた明治時代から続く石川県最古の書店で、実際に三文豪たちも通っていたようです。
その関係か、『あんず』にはうつのみや書店へ宛てられた近代の著名人らの手紙が展示されています。中にはあの田山花袋も!
たしか展示されているのはレプリカのはずですが、それでもすぐ近くで見られるのは心躍るものがありますよね。近代文学好きなklis人、いると思っています。
カフェのメニューは九谷焼のうつわで提供されるのも嬉しいところ。九谷焼は石川県が誇る国指定伝統的工芸品のひとつです。
写真はオムライスと鏡花セット。鏡花セットは好きなドリンクに「紙ふうせん」という干菓子がついてきます。私はこのお菓子が好きで、帰省の際にお土産で買ってくることも多いです。
あんずでは、うつのみや書店内の図書を購入して席で読むこともできます。
また、九谷焼のうつわや輪島塗で作られたアクセサリー、コーヒーのドリップバッグも販売しているため、お土産を選ぶのも楽しいのではないでしょうか。
3. 8番らーめん
これを食べなきゃ終われない。ここはどうしてもおすすめしたい。
最後に紹介するのは、石川県を中心に北陸三県にチェーン展開しているらーめん屋さん「8番らーめん」。"ラーメン"ではなく"らーめん"です。
名前の由来は1号店が国道8号線沿いにオープンしたことから。1番らーめんとかはありません(しかし市内に第七ギョーザという無関係のギョーザ屋さんはある)。
8番らーめんはうまい!!!!(大声)
ラーメン激戦区のつくばで生き残るような特徴があるらーめんではありませんが、素朴かつ間違いのない美味さがそこにあります。
中太ちぢれ麺と野菜の旨味がたっぷりのスープが絡み合い、麺を啜ればそれらが一気に口の中に広がる。
石川のソウルフードと言っても過言ではない代物です。
ちなみに観光客のみなさまにとっていちばんアクセスの良い8番らーめんは金沢駅「あんと」奥にある金沢駅店。向かいにはこれまたソウルフードと言って差し支えない金沢カレーのお店「ゴーゴーカレー」があります。
つくばに来てから思ったのですが、私からすると関東のご飯は味が濃い印象があります。
反対に、みなさまからすれば北陸の味は少し薄味に感じる可能性も無きにしも非ず。そういった点ではみなさまのお口に合わない可能性もあるのですが、そこはご容赦ください。
おわりに
「お前食べ物ばっか紹介するやないか」と言われてしまいそうな内容になってしまいましたがいかがだったでしょうか。
海鮮は多分何を食べても美味しいです。地元の人間はおそらく海鮮をスーパーマーケットで購入して自宅で食べるので、観光客の方におすすめのお店は手札がありませんでした……。
冬は甘エビ、カニ、寒ブリが美味しいです。中学時代の国語教師が「北陸冬のA(甘エビ)K(カニ)B(ブリ)」と呼んでいました。呼び方はともかく美味しいのはほんとうです。私はブリが好きです。
さて、他にもご紹介したいところはたくさんあるのですが、あまり写真を撮らない性分なもので、他の場所の紹介はまたの機会にさせていただければと思います。
名前だけでも挙げておくと、
などなど。
室生犀星の『小景異情』には「ふるさとは遠きにありて思ふもの」とありますが、まったくその通りだと、つくばに来てから感じます。
離れたからこそ見えるもの、感じる魅力はきっとみなさまの地元にもあるはず。
ご自身の地元の魅力を再発見した際には、ぜひとも教えていただけると嬉しいです。
それではみなさま、またどこかでお会いしましょう。
急に冷え込みましたので、体調には十分気をつけてくださいね(特に卒論提出を控えた4年生のみなさま!)
でわでわ。