家族ってなに? vol.22〜小さなすれ違い〜
出ていけと言われた15年前。
戻ってここの家に住めと言われた15年後。
私たち家族は祖父の一言に振り回された。
祖父母の言葉にも振り回された。
それに従う家族。
父母に私は怒りしかなかった。
理不尽な引っ越しにより、新しく始まった新生活。
それは私たち家族に大きな変化を起こすヒビに過ぎなかった。
私たちは引っ越したことにより、それぞれ自分の部屋を持つようになり家族の会話はさらに少なくなっていった。
父との会話は思春期ということもあり0に近い状態、いや話した記憶がないほどに話していない。
祖父母に関してはたまに来ては庭の手入れができていないと文句を言われる様になった。
母は以前から仲が悪かったが、それを言われるのが嫌で顔を合わせない様になっていくのであった。
祖父母はそれに対して気に食わないようで、私によく愚痴るようになった。
祖父母の住んでいる田舎の家には数ヶ月に1回お墓参りを含め伺うようにした。
行った所で、大した会話もなく気まずい雰囲気が流れる。
中学生だった私はその雰囲気をどうにかしなくちゃ、私が架け橋にならなくちゃと考え、必死に話を振っていた。
それでも限界はくる。小1時間で退散。
それも祖父母が気に食わない原因であった。
帰る車では母の大きなため息と共に重い空気と疲労感が流れた。