コンテンツの役割を見極めよ! -オムニバスCD発売直前に音源配信をぶつけた理由-
以前、告知したように本日4月24日からTHE MORGUEも参加したオムニバスCD「Arpeggio 2019 Spring」が販売開始されました。(タワレコオンラインにて発売中)
そして、遡ること2日前の22日からはこのnoteとBASE上に開設したバンドのオンラインショップで音源のダウンロード販売も始めました。
noteはこちら。
オンラインショップはこちら。(PC推奨)
実は、オムニバスに収録されている曲もダウンロード配信している曲も同じ「優美な死骸」という楽曲です。
(厳密に言うとイントロの長さが違うという差はつけてありますが。)
なぜ1つの曲を2つの売り方に分けたのか?
きっかけはオリエンタルラジオ中田敦彦さんのオンラインサロン「PROGRESS」内の活動で中田さんから直々にインタビューをしてもらえると決まったことでした。
インタビューの内容は動画で僕のことをサロンメンバーのみなさんに紹介してもらえるというもので、はじめは「よし、オムニバスCDのこともPRしよう」と考えていました。
しかし、オムニバスCDの契約内容を振り返ってみたとき、ある点に気付きました。
これは、ぶっちゃけ話ですが…
今回のオムニバスは僕がたとえ手売りで何枚売ろうとも自分には一銭も入ってこないという契約なのです。
むしろ参加するにあたって、こちらがお金を払っています。
え?と思いますよね。
ですが、別にそのことを知らなかったわけでも、もちろん騙されたとかいうわけでもないんです。
参加費を払ってオムニバスCDに1曲収録しませんか?という話が来たとき、僕らはCDをリリースしたって言える!とか、タワレコにCDがあるって言える!とか
THE MORGUEとしての活動に“箔が付く”という考え方をしていました。
とにかく“活動してる感”がほしくて、売り上げがどうのこうのとか考えてなかったんですね、我ながらバカでした(笑)
ところが、オムニバスへの参加を決めてから発売までの間にサロン内では知り合いもできて活動を応援してくれる人が少しずつですが増え始めました。
さらに中田さんから直接インタビューしてもらえるとなると、サロン内の視線が一気に(ただし一時的に)自分に集まるかもしれない。
待てよ。
今回のオムニバスCDは1枚1,620円します。
7曲入りですが、そのうち自分たちの曲は1曲だけです。
しかも何枚売っても1円にもなりません。
インタビュー内で宣伝したところで誰が得するんだ、これ?
そんな風に思ってしまいました。
そこでようやくオムニバスCDの本当の役割に気付きました。
オムニバスCDは広告だったのです。
参加費を払って、1/7曲に入れてもらうことで自分たちのことを全く知らない他の6組の参加アーティストのファンにバンドの曲が聴いてもらえるかもしれない。
さらに参加アーティストが集うリリースイベントが用意されていて、そこでお互いのことを知ったり、ファンを共有できたりして、それぞれの活動を高め合うことができる。
これこそがオムニバスに参加する意味でした。
そこに支払った参加費は、つまり宣伝広告費だったのです。
頑張ってお金を払ってポスターを作り、街に張り出しても、通行人がそれを見ただけでは1円も発生しませんよね。
ですが、それでも名前だけでも覚えてもらえるならとポスターを作るわけです。
逆に言えば、すでにその商品を買いたいと思っている人はポスターがあろうがなかろうが買ってくれるでしょう。
すでに興味を持ってくれてるサロンメンバーにオムニバスCD買ってください!と呼びかけるのは、その商品買います!と言ってくれてるお客様にドヤ顔でポスターを見せつけてるのと同じことです。
そう気付いたとき、オムニバスCDは他のアーティストが売って、自分たちの手が届かないところまで僕らの曲を運んでくれればそれでいい。
僕らに興味を持ってくれている方々にはポスターではなく、ちゃんと商品を買ってもらって満足してもらい、僕らも利益を上げるべきだと思いました。
応援の意思表示としてお金を払ってくれる方々には、きちんと収入源になっていただこうと思いました。
その考えに行き着いたのがインタビューまで1週間を切った頃。(笑)
急いでメンバーにも賛同をもらい、エンジニアをしてくれてる仲間に急なお願いをして音源を仕上げてもらって、ダウンロード販売の準備をしました。
無事、準備もインタビューに間に合い、動画内ではとにかく僕の活動とダウンロード販売の宣伝をしました。
中田さんも僕が想像してた以上に応援してくれて、曲も誰よりも早くダウンロードしてくださいました。
応援する気持ちを言葉だけじゃなく、行動で示してくれたことがとても嬉しかったです。
サロン内での中田さんのプッシュもあって、少しずつですが着実に売り上げは伸びています。
気付くまでに時間はかかりましたが、JUST DO IT.でダウンロード販売に踏み切って良かったです。
まだダウンロードしてない方もぜひダウンロードしてください。1曲250円。
1回のダウンロードにつき、僕らには約200円の利益が出ます。
これが資金となり、次の活動へと繋がっていきます。
よろしくお願いします。
次の一手としては、まだメンバーにも話してませんがもう1曲 別の楽曲を配信したいなと考えています。
これはポスターを見て(=オムニバスを聴いて)、興味を持ってくれた人に向けた商品です。
今はオムニバスに入ってる曲とダウンロード販売してる曲が一緒だから、オムニバスきっかけの人にはまた別の曲を買ってもらいたいという作戦。
実現するかどうかはまだわかりません。
またメンバーに相談してみます(笑)
今までの人生、こういった打算的なモノの考え方はあまりしてこなかったですが、新たな目線を手に入れてまた1つモノづくりが楽しく感じてきました。
これからもこのnoteにだけは、僕の本音や手の内を書いていこうと思います。
ダラダラと長くなりましたが、最後まで読んでくださってありがとうございました。
-追記-
自覚があるのでツッコまれる前に白状しますが、参加アーティストの全員がこの考え方をするとオムニバスは1枚も売れません。
オムニバスが売れている間は誰かがボランティア状態で自分以外の曲も宣伝しているということになります。
そういう人たちを僕は利用するだけして終わるのか。
WIN-WINにはなれないのか。
この記事で書いたことは基本的にそれほど間違ってはいないと思っていますが、そういう穴もあるのは事実です。
まだまだ考えることはありそうですね。