Vol.22 「私をスキーに連れてって」をもう一度見てみた話
記事Vol.4を書いてから無性に「私をスキーに連れてって(通称:私スキ)」が見たくなった。で、見てみた。4〜5年ぶり2度目の視聴である。
最初に見た時は「パソコンでかっw」「手術中に電話w」「まさかのトランシーバーw」とネタ的視点で楽しんだが、今回は割としみじみ見てしまった。
「あぁこういう時代もあったんだな」と。
月並みで申し訳ない。
でもバブルを知らない世代としてはこの感想しか出ないのだ。バブルが崩壊した1991年、私は小学6年生だった。なんとなく世間がザワついたのは感じていたがバブルという言葉は理解していなかった。親が公務員だったから、というのも大きいだろう。特に好景気の恩恵を受けることもなくバブルが終わり、そして暗黒の時代に突入した。いわゆる「失われた30年」というやつである。大学卒業の年など就職氷河期の末期だった。我がなら可哀想な世代だと思う。人生で一度も「好景気」というやつを経験したことがないのだから。
そんな私から見ると「私スキ」は正に夢の世界である。普通の会社員がスポーツカーを所有し、定時で退社し、スキー場へ向かう。行った先ではパーティーが行われ、出会いがある。なんて楽しい時代なんだ・・・
普通なら「世代格差!」と腹が立ちそうなものだが、全くそのようなことは無い。シンプルにメッチャ楽しい気持ちになる。バブル期を擬似体験できる。それが「私スキ」だ。
ちなみに10歳上の夫は「私スキ」ドストライク世代だ。公開当時18歳だった彼はこの映画でまんまとスキーにハマり、白馬アルプススキー場で住み込みバイトまでしたそうだ。単純すぎだろ。
流石に「雪に埋もれた原田知世」には出会えなかったようだが、それなりに良い経験はしたようだ。30年以上経った今も当時の仲間何人かと年賀状をやり取りしている。青春とはかくありき。これも一種のゲレンデマジックなのかもしれない。