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質の高い園内研修の進め方Ⅰ


短時間で充実した話し合いには順序がある

時間がない中、絞って絞って絞り出した話し合い(ミーティング)の時間。誰もが無駄にしたくはないだろう。充実したミーティングになればどんどんチームワークもよくなるのは確かである。
充実したミーティングはどのようにして行うのか?
リーダーとなる保育者がミーティング計画あるいは長期的な見通しをもつことが大切である。
ここでは、簡単にミーティングの見通しについて綴っていきたいと思う。
行事等の【打ち合わせ】とは別物である。

1・理想の幼児像を徹底的に話し合う

一番最初にしなければならない話し合いは【理想の幼児像】【到達目標の姿】である。
どのような子どもの姿になってほしいのか?
「いきいき」「意欲的に遊ぶ子」
「のびのび」「自分も友達も大切にする子」
「粘り強い、あきらめない子」など抽象的な言葉でよいので、一人ひとりの考えをどんどん出していく。
だいたい言葉のまとまりが作れる答えが見えてくるので、まとめていこう。
幼児期は人格の基礎を培う時期であるが、その人格とは何歳の大人を目安にしているのかを明確にしてもオモシロイ。

ここで注意したいのは、「椅子に座って話を聞ける子」「先生の指示が理解できる子」「頭を使って遊ぶ子」などの【表面的な姿の意見】がでてきた時である。
このような意見の場合は、「その先」を突き止めることをお勧めする。
椅子に座って話を聞けるようになったその先に何を望んでいるのか?
頭を使って遊ぶ「その先」を理想像として話し合いたいのである。言葉にするのが難しい部分なので、どんな言葉でもいいので「その先」を話し合おう。

リーダーは、「その先」とは【3つの資質・能力】が柱として教育要領に表わされていることを知っておこう。
小学校のために・・・なんて意見が出るならば、まずは『幼稚園教育要領開設』の読み合わせを優先するか、外部の講師に幼児期のねらいを研修してもらうことからスタートすることが必須だ。

前提の知識がアップデートされていない状態で研修を進めるといつかまたトンチンカンな意見に振り回されることになる。
そのような事態に陥らないためにも、「幼児教育の今」は常に令和に揃えた上で始めよう。

2・今の園の子どもの実態を把握する

次に必要なのは実態を捉えることである。
目の前の子どもたちに何を望んでいるのか?である。
例えば、すでにのびのびと遊ぶ子にもっとのびのびと遊んでほしいとは思わないだろう。
理想の幼児像を出した裏が、今の子どもに足りていない力のはずである。
友達の思いに気づきにくい、だから友達を大切にする子にしたい、など。

実態を明確に捉えることで理想とズレがないか、共通理解させることが大事である。もし理想が突っ走っていて現実はそうでない、と気が付いたのならば、理想の幼児像をまた変更する。

3・理想の幼児像を根拠ある言葉にする

先述したように、理想の幼児像は【3つの資質・能力】に振り分けることができる。理想と実態を話し合う中で、どの資質・能力に当てはまるか、教育要領をみて把握しておこう。教育要領は文科省HPですぐに見ることができる。きっとみんなが言葉にしたくてもできない答えがここにある。

実態把握により見えてきた理想をより具体的にする。
例えば、「いきいきした子ども」を理想とした場合、どのような姿が見えたら「いきいき」と捉えるか、話し合う。
先生の指示がなくても遊び方を考えて遊ぶとき、
「もう一回やりたい」という言葉が聞かれたとき、など。
これも学年別でもよい。


ここまでに何回も皆が五臓六腑腑に落ちるまで話し合いをすることをお勧めする。
理想や実態の捉え方が共通理解されていないと、何をやっても暖簾に腕押し状態が続く。





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