硬直を解消してパフォーマンスアップ
熱心にトレーニングをしている人が意外と見落としているのが「筋肉の硬直」。
筋肉に硬直があるままトレーニングをしても、効果的に上達をすることはできません。その結果、練習をしてもなかなか上達できないという落とし穴にはまっている人は少なくないのです。
それに、筋肉の硬直のあるままのトレーニングは怪我のリスクを高めてしまいます。
骨格構造は大丈夫?
整骨院や治療院で、「右の肩が下がっていますね」「足の長さが違いますね」などと言われた経験はありませんか?
その原因は筋肉の硬直。骨格を支えているのは筋肉なので硬直があると骨格構造が崩れてしまっているのです。
そういったことを指摘されても、痛みや不快感などの自覚症状が無ければ、ほとんどの人は気にしないと思いますが、そのまま放置しておくことはお勧めできません。
何故なら、骨格構造が崩れた状態で運動やトレーニングをすると、カラダは代償運動(本来の動作を行うのに必要な筋肉以外で補って動くこと)を行うので、動きのパフォーマンスが低下するし、上達するのが難しくなるからです。
思い当たる人は、硬直を改善する取組をして、筋肉のコンディションを整えてからトレーニングに取り組むようにしましょう。
カラダの柔らかさ≠筋肉コンディション
体が柔らかければ、筋肉のコンディションが良い状態だと思っていないでしょうか?
実は、カラダが柔らかいというのと筋肉に硬直が無い(コンディションが良い)というのは別の話。実際、柔軟性が必要とされるバレーや体操、フィギアスケート、水泳の選手でも筋肉に硬直がある人が多いのです。
姿勢が崩れやすい現代社会
筋肉が硬直する原因は、姿勢の崩れなどで特定の筋肉群に負荷がかかり続けたから。
継続して負荷がかかり続けることで、血流が悪くなり、筋肉に酸素や栄養素が十分に届かず、疲労物質が排出されにくくなったり、筋膜が固くなって周囲と癒着しているのです。
イスや車、スマートフォンやパソコンを多用する現代社会では、どうしても姿勢が崩れやすいもの。日ごろから正しい姿勢を心がけていなければ、自覚症状は無かったとしても、どこかの筋肉が硬直していると考えてもいいくらいです。
ストレッチと脱力系の体操を組合わせる
筋肉のコンディションを整えると言うと、やはり思い付くのはストレッチだと思います。
確かにストレッチは筋肉や筋膜の血流やリンパの流れを良くするので硬直を取る効果がありますが、ストレッチだけで硬直を取っていくのは、ちょっと難しい。
人体には640もの筋肉があり、ストレッチの種類も数知れず。
それに、硬直した筋肉は、そもそも脱力がしづらいので伸ばしてほぐすには時間がかかるのです。
では、どうすればいいのか?
それは、ストレッチと脱力系の体操を組合わせればいいのです。
脱力系の体操とは、カラダの力を抜いて体幹や四肢を一定のリズムで動かす、スワイショウやゆる体操、コンニャク体操といったもの。
硬直している部位の筋肉を軽いストレッチで伸ばした後に、脱力系の体操を行うと、効果的に緩めることができます。
特に脊柱起立筋(背骨を支え、姿勢を維持する役割を担っている、腸肋筋、最長筋、棘筋を纏めた総称)を緩めてあげると、その他の筋肉の硬直も改善しやすくなります。
ストレッチと脱力系の体操を組合わせることで、血流やリンパの循環が促され、深い呼吸ができるようにもなります。
筋肉の硬直の自覚症状が無い人でも、毎日5-10分程度行うと筋肉のコンディションを保ち、動きのパフォーマンスを向上させることができるようになるので日々の習慣の中に取り入れていきましょう。