見出し画像

悪い姿勢は、なぜ運動能力を低下させるのか?

骨格と筋肉は相関関係にあるので、姿勢が悪くなると筋肉が硬直し、筋肉が硬直すると悪い姿勢が固定化されます。
詳しくは過去記事をご覧ください。

今回は、骨格構造(姿勢)の視点で、運動能力が下がる理由をお話しさせていただきます。
運動能力を高めるのに大切なことなので、最後までお読みください。



姿勢がカラダの動きに与える影響

姿勢がカラダに与える影響

筋肉が硬直し、悪い姿勢(崩れた骨格構造)が固定化されると、次のような理由で運動能力が低下します。

では、ひとつずつ説明させていただきますね。

①動かしづらいカラダになる

カラダの動きは、骨格を筋肉が動かすことで作られています。
自転車でもホイールが歪むと漕ぐのに多くの力が必要になりますが、人間のカラダも、歪んだ骨格構造になると、シンプルに動かしづらくなってしまうのです。

自転車のホイール

②運動に使える筋肉が減る

悪い姿勢になると、カラダの重心バランスが崩れてしまいます。

例えば、100の筋肉があるとして、重心バランスが保たれた正しい構造なら、骨格を動かすことに、その筋肉のほとんどを使うことができます。
でも、重心バランスが崩れ、その骨格のバランスを保つのに筋肉の30%が必要なら、骨格を動かすのに使える筋肉は70%に減ります。

このように、悪い姿勢になると重心バランスを保つのに筋肉が使われるので、動きが悪くなるのです。

悪い姿勢になると動きに使える筋肉が減る

③代償運動が起こる

代償運動(代償動作)とは、英語ではトリックモーションと呼ばれるもので、ある動作が困難なとき、別の動作でカバーすることです。他の筋肉や関節で補う動作のことをいいます。

適切ではない筋肉を使ってそれっぽく動かしてしまうことですね。
例えば、肩周りの筋肉が硬直して腕が上がりにくい場合、代償としてカラダを傾けて動きをサポートしたり、股関節の動きが悪くももが上がりづらい場合、骨盤を倒して足を上げると言った動作です。

代償運動には次のような問題点があります。
ひとつは、本来、使うはずではない筋肉や関節で動きを補うので、ロスの多い非効率な動きになってしまうということ。
ふたつめは、構造的に正しい動きではないので、本来、負荷がかかるはずのない筋肉や関節に新たに負担かかってしまうということ。

このため代償運動は、動きのパフォーマンスが低いだけでなく、怪我のリスクを高めることにもなるのです。

姿勢は軽視されやすい⁉

トップトレーナーの多くが姿勢の重要性について語っていますが、現場を見ると、骨格構造を意識してカラダ作りをしている選手は、まだまだ少ないように感じます。

最近も、Vリーグのある選手に筋肉の機能を高めたいとの相談を受けましたが、その方は、見た目にもはっきり分かるレベルの猫背でした。
実際の練習を見せてもらい、カラダの使い方を確認させていただいたのですが、代償運動を行っているため、動きに無駄があるのが目に付きました。

そこで、姿勢の重要性を伝え、姿勢を良くするセルフケアの方法をアドバイスさせていただいたのですが、2か月後に「カラダの感覚と動きが依然と全然変わった」と驚きの感想を頂きました。
カラダに関する情報を集めているプロのスポーツ選手ですから、当然、姿勢が大切だということは知っていました。でも、それほど重要視はしてなかったので、これまで姿勢改善に取り組んでこなかったのです。

でも、この選手が特別なケースというわけではありません。現場で姿勢のアドバイスをしていると、同じように、姿勢は大切だと聞いたことはあるけど、取組をしていない人は意外と多いのです。

まとめ

悪い姿勢は、筋肉の機能を低下させるだけでなく、動かしづらい骨格構造になってしまうため運動能力は低下します。
それに、悪い姿勢(歪んだ骨格構造)のままトレーニングを続けると、代償運動をするようになり、筋肉や関節の負荷が増えて怪我のリスクも高まるのです。

次の記事へ

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?