【シリーズ 旅と読書②】北スペインを舞台としたおすすめ小説
アントワーヌ・ガラン翻訳の『千夜一夜物語(アラビアン・ナイト)』(1704年)、ジュール・ヴェルヌの『八十日間世界一周』(1873年)、アガサ・クリスティの『オリエント急行殺人事件』(1934年)など旅を思い起こさせる小説は数えられないほどあります。
こうした名作が書かれた時代は、今ほどに海外旅行が簡単にできる時代ではありませんでした。なので、読者はこうした本を通して、旅に出かけ、世界を体験したのだろうと思います。
時代は違えど、旅に出かけられないのは、このコロナウイルスが蔓延した現在も同じ状況です。
旅に出られない今だからこそ、本を通して旅に出かけてみませんか?そして、コロナが終息し、旅に出かけられるようになったとき、物語の舞台を実際に訪れようじゃありませんか。
この記事では、北スペインを舞台としたおすすめ小説を3冊紹介します。
『日はまた昇る』 アーネスト・ヘミングウェイ著
第一次世界大戦後の1926年に発表されたアーネスト・ヘミングウェイの小説です。バスク地方のパンプローナの街を舞台とし、スペイン3大祭りのひとつ「サンフェルミン祭り(牛追い祭り)」を世界中に広めました。毎年7月に開催され、100万人近くの観光客が訪れます。ちなみに、ツィゴイネルワイゼンの作曲家パブロ・サラサーテはここパンプローナの出身です。
『暗幕のゲルニカ』 原田マハ著
南フランスの記事でも紹介した原田マハさんの小説。スペイン・マラガ出身の画家パブロ・ピカソの大作『ゲルニカ』がテーマです。1937年のスペイン内戦時、北スペインの小さな村ゲルニカは無差別爆撃を受けます。ピカソは祖国スペインの惨劇をアピールするために『ゲルニカ』を描き、パリ万博に出展しました。ピカソの残した反戦のメッセージを、現代でも改めて考えさせられる小説です。
『星の巡礼』 パウロ・コエーリョ著
全世界で3000万部以上のベストセラーとなった『アルケミスト』の作者パウロ・コエーリョの処女作です。北スペインのサンティアゴ・デ・コンポステーラへの巡礼路が舞台となっています。作者自身の巡礼経験をもとに書かれた小説で、世界的な巡礼ブームの火付け役ともなった作品です。また来年2021年は、11年ぶりとなる聖年を迎えます。
旅に出かけられない今だからこそ、旅に思いを馳せながら、海外を舞台にした小説を手にとってみませんか?
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