大人になって気付いた、恋心のワケ。
中学生の時、気になる男の子がいた。名前はEくんという。Eくんは、黒縁眼鏡がトレードマークの男の子だった。Eくんは毎日、寝癖頭のまま登校、制服も体操服もしっかりとシャツインしていて身なりに無頓着。恋愛に全く興味が無いのはもちろん、他にも勉強、部活、学校行事、流行りの話題、全てに無関心そうな素振りをみせ、いつも机の上に突っ伏して寝ていた。こんな彼だが、実は当時からのめり込んでいた趣味があった。それは、農業である。中学生で、今考えると趣味が渋すぎて逆にカッコいいな...!と思うのだが、当時は私も中学生。プリクラ、ゲーム、アイドル、そんなキラキラした楽しいことが溢れる中で、なんで農業?とも思った。周りの子達も所詮中学生であり、農業に関心を示す人は居なかった。そのためいつも1人で机に突っ伏して寝ていたのだと思う。私はEくんをダサいと思う反面、理由も分からず惹かれていた。当時はそんな想いは蓋をして、大して好きでもない、所謂「モテ」の代表格であるサッカー部のキャプテンと付き合ったりしていた。
当時は何故Eくんに惹かれていたのか分からなかったけど、今になって分かる。周りにどう思われようとも、好きなことを貫く姿勢はカッコ良いし、自分の生き甲斐を見つけて夢中になる姿が羨ましかったのだ。とはいえ、Eくんとは別々の高校に進学し、全く接点は無くなってしまった。元気にしてるかなぁ。約10年越しに気づいた恋心の理由。大人になってから分かることもあるんですね。甘酸っぱい思い出。
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