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『私たちは何者?ボーダレス・ドールズ』展で見た呪物

松濤美術館で開催している『私たちは何者?ボーダレス・ドールズ』展に足を運んだ。タイトルのボーダーとは民俗、考古、工芸、彫刻、玩具、モダンアート等の境目を指す。つまり、これら手法のみならず文化的な見方にとらわれず、人形(ドール)とはなんぞ?というお話だ。

といっても、何ら難し事はなく古来の人形代から生人形、球体人形、フィギュアが「生まれたきっかけ」を解説しながら展示し、日本における「ヒトガタ」の変遷を分かりやすくまとめた楽しい展覧会となっていた。

しかし、冒頭から凶用の人形代がドヨ〜ンと展示されていたのには面食らった。個存知の通り、凶用の人形代は呪殺用のヒトガタだ。
「ぶっ殺したい」
相手を模して作り、陰陽師に頼んで井戸に落とす。展示作品は、ちゃんと井戸の中から発見されたものらしく、あ、これ本物のアレじゃん!と。三つに折れた人形代もあり、なかなか生々しい。これだけでも展覧会に来た意味があったなあと。

ついでに『可愛い嘘のカワウソ 原画展』にも行ってみた。小規模ながら手書きは言いもんだなとしみじみ思ったのでした。

かわうそ君よりもカモちゃん目当てである。


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