
ガリバー "法螺吹き" 男爵の冒険LⅥ
「王は私たちを歓迎し、同席している人びとに紹介しました。そして私たちにも、『彼らは王立研究所の職員たちだ。研究熱心なのはいいが、この工房区域から滅多に出たがらないのでな、卿らがやって来たことも全く聞いていないということだったので、困っておったのだ』と言って笑っておりました。研究者たちは王の話につられて笑うでも、恥じたり怒ったりするでもなく、静かに話の展開を待っているようでありました」
「王も研究員らの反応には慣れているようで、機嫌よく話を続けました。『ガリバー卿と研究員諸君を引き合わせたのは、ガリバー卿の世界の道具を、我らの国で、デクを使って再現できないかと考えたからだ』と王は話しました」(続)