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【小説】月の糸(全12話)

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「何一つ、一秒後に自分がこの世界にいるってことを保証されている命はないだろ。それが現実だ。わかってるふりして、みんな本当はわかってないんだ、自分自身の命だって例外じゃない。自分の…
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#献血

【小説】月の糸(第4話)

【小説】月の糸(第4話)

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「おいしいもの食べてきた?」
 一週間ほどの自宅療養を終え再び病棟を訪れると、ベテラン看護師の近藤さんが迎えてくれた。
 病室へ向かいながら「ハンバーガーめちゃめちゃうまかったです」と智也が答えると、「そこはお母さんの手料理って言わないと、ねえ?」と付き添いの母親のほうを振り返った。「まったくねえ」と母が笑う。
 案内された四人部屋は、智也のほかに二人が入院してい

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