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三浦 さかな
2021年11月28日 20:46
約16000字おじいさんが主人公です。もしも頭の中で過去と現在の見分けがつかなくなったらどうなるんだろう、という空想から生まれた物語です。 * 目が覚めると、隣で眠っているはずの君が、いなかった。 パジャマからセーターとスラックスに着替え、一階へ下りていく。家の中は物音ひとつせず、空気さえもまだ眠っているかのようだった。リビングへ続くドアを引くと、キイ、と蝶番がきしむ音がやけに