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#恋愛小説

【小説】地球の上であなたと

【小説】地球の上であなたと

(約13,000字)

 バンのスライドドアが開くと同時に、金木犀の匂いを載せた空気が車内に流れ込んできた。後部座席にいた僕は顔を上げ、こんな都会の街にも咲いているんだなと思った。
「ここで降りてください」
 運転席から、コバヤシが人の良さそうな顔で振り返って言う。
「ここで、ですか?」
 聞き返しながらも僕はシートベルトを外してカバンを肩にかける。
「はい。あなたが面会を希望した方は、今日この場

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