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五十知命歯列矯正を始める

50代で歯列矯正を始めた。前歯だけの「部分矯正」というもの。

もともと歯がすごいコンプレックスだった⋯⋯というわけじゃないが、上の前歯2本が出っ歯ぎみ。

ネットを検索すると、私のようなタイプは結構いるようだ。「強いコンプレックスというわけじゃないが」「すぐに矯正しなきゃならないわけじゃないが」「ものすごく不便を感じているわけじゃないが」という、じゃないほう芸人みたいな、じゃないが出っ歯。気にならないわけじゃないが、他の気になることの対処が忙しくそのまま半世紀。生え変わってからの付き合いだから、正確にいうと45年くらいか?

人間50歳にもなると「他の気になること」が年々、倍々で増えていく。シミシワなんてかわいいもんで、うわさには聞いていた更年期のあんなことこんなことが現実となって降りかかってくるし。下っ腹は「浮き輪肉」とよく言うけど、私としては「まわし」って感じで、初土俵からあれよあれよとスピード出世して、大の里より先に横綱昇進を果たしてぶっとい立派な綱がついたし。いつもお風呂やトイレで一人がっぷり四つをやってみている。私のまわしは、よく伸びてつかみやすい。もともと一人相撲しがちな性格だけれども、とうとうリアル一人相撲ができるようになるとは思わなんだ。残念だ。

ともかくこうした「他の気になること」は、たいてい自分ではどうにもならない。時間を止めない限り無理。痩せたいと思ってちょっと走ったら足が痛くなった。あっちを叩いたらこっちが出てくるみたいな、加齢なるモグラ叩きゲーム。最後は全部出てくる。対処しきれない。

でもちょっと待てよ、歯はどうなのか。歯列矯正は世の中で数少ない「自分でどうにかなるもの」なんじゃないか。安心安全にどうにかなりそう、どうにかできるならば、どうにかしてみるのもいいかもしれない、どうにかなるかな残りの人生、きっと歯医者さんがどうにかしてくれるだろう、と「どうにかする」を五段活用してみた。

もちろん、お金を出せばの話。
わかんないけど、100万円、くらい?

「金で買えないものはない」ってどこかのほりえもんさんは、実はそんなことは一言も言ってないらしい。でも「金で買える、欲しいものは全部買え!」とは言ってる。そうだ、買えるなら買っちゃえ。

いやいや、それはダイソーで「A4かなB4かな」と20分くらい迷ったときに耳元でささやいてほしい言葉であって、100均と100万円じゃ1万倍違うじゃないか。じゃないが出っ歯に100万円なんて、うちの家計では無理。ああ、お金、お金。お金さえあれば⋯⋯とショーウインドー越しにトランペットを眺める少年のごとく、夜な夜なネットで「歯列矯正」を検索しては、出っ歯で指をくわえて見ていた。

そうして毎晩、人様の歯並びビフォーアフターを検索しまくった結果、行き当たったのが部分矯正。費用はだいたい30万円くらいらしい。30万かて即決できる金額ではないけれど、でもでも私、もう8年くらいiPhone買い換えてないし、最新iOSに対応しなくなっちゃったけどあと2年は使い続ける予定だし、だしだしだし、と画面にヒビの入ったiPhoneをだしにして自分を納得させたわけです。

てなことで矯正を決意したところで、長くなったので本日ここまで。


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