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帰郷までの長い道のり

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50代の私と、80代の親について。
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記事一覧

帰郷までの長い道のり 7<徒労>

今日は仕事でひどく落ち込んだ。ただでさえ疲労困憊していたが、そのあとよせばいいのに施設に…

帰郷までの長い道のり 6<罪悪感・下>

人間というものは、人から嫌がられることをするとこんなにも疲労困憊するものなのかと改めて思…

帰郷までの長い道のり 5<罪悪感・上>

父が高齢者施設に入所した。私は罪悪感に苛まれている。 父は入所をずっと拒み、独居を続けて…

帰郷までの長い道のり 4<帰郷>

その時は意外と早く訪れた。私は10数年ぶりに帰郷することになった。その経緯はまた追って書く…

帰郷までの長い道のり 3<家>

実家は郊外のニュータウンにあり、都心まで1時間少々。高度経済成長期のにぎやかな面影は消え…

帰郷までの長い道のり 2<何者>

80代の父は人生の終わりに近づいている。そして、50代の私は社会人としての終わりを意識し始め…

帰郷までの長い道のり 1<他人>

近所に住む80代の和子さんは、いつもお菓子や果物、たまにお手製のおかずをおすそ分けしてくれる。虎屋のようかんなど、高級なお菓子をいただくこともある。あまりいただいてばかりでは申し訳ないと思い、私からも出張先でお土産を買ってくることもある。でも圧倒的に、和子さんからいただくことのほうが多い。「気を使わないで、お返しもいらないから」と何度も言う。 その代わり、といってはあまりに些細なことだけど、地震が起きたら一人暮らしの和子さんに「大丈夫でしたか」とメッセージを送る。感染症が流