2024年11月16日
2024年11月16日、
クリープハイプ現メンバー15周年の日。
この日の公演名は〝2024年11月16日〟
潔すぎる。間違いなく忘れない。
クリープハイプのファンのひとなら11月16日と聞いただけで、〝2009年11月16日〜 アンコールでの長い拍手〜〟という尾崎さんの優しい声が脳内で響くだろう。
そんな特別な11月16日について、
大切に愛おしみながら振り返って行きたいと思う。
クリープハイプとの出会い
明確にこの日!この時!というのは覚えてないけれど、友達に「絶対好きだと思うよ」と言われて、踊り場から愛を込めてのジャケットを見せてもらった。
「これパンツなんだよ〜(笑)」って笑って言われた気がする。
その日から狂ったように聴いた。
元々好きになると一直線なタイプで、狭く深く、徹底的に調べ上げる、道を一歩踏み外せばストーカーになり得るタイプの私。
のめり込み体質なのは自負している。
過去のCD、DVD、MV、雑誌、いろんなものを買い漁り、ネットで調べていろんな記事を読んだ。
初回盤でしか見れないからと、特典映像見たさに買えるところを探す日々が続いた。
知らないことがあるのに、好きっていうのって申し訳ないし、間違っていると思っていた。
だから隅々まで調べて、調べて、調べて、聴いて、聴いて、聴いて。
尾崎さんの歌詞の意味を知りたくて、尾崎さんの意図を知りたくて、歌詞に書いてある言葉についてひとつひとつ調べたりもした。
尾崎さんの黄色い日記。
読み始めたとき、尾崎さんにも自分と同じ年齢のときの時間と、同じ時間が流れている今、両方味わえるなんてなんで贅沢なんだと思った。
私はクリープハイプに出会って、〝言葉を大切に扱える人になりたい〟と思ったことを鮮明に覚えている。
そんな私が初めて買ったクリープハイプのリアルタイムでのCDは、リバーシブルーだった。
真っ青の空の写ったジャケット。
今思えば私が青色が好きなのはここからはじまっているのかもしれない。
11月16日までの日々
休職しはじめてちょうど3ヶ月。
あと何日....。
カウントダウンをずっとしていた。
「11月16日までに横浜に行けるようにならないとクリープハイプに会えない」と。
家からほぼ出ない日々を過ごしていて、友達ともほぼ会わず、倦怠感と悲しさ、怖さがいっぱいの絶不調の日も多く、正直当日まで行けるかどうかわからないなと思っていた。
行きたい気持ちはあるのに、身体がついてこないことが歯痒くて、特に数日前からはずっとハラハラしていた。
まず新幹線に乗れるか?
電車に乗れるかという問題があった。
どう考えても広島県から神奈川県まで新幹線に乗らないと着かない。
こんなにもどこでもドアが欲しいと思ったことはなかった。
これは早朝の便にして新幹線は爆睡できるように、そして移動は基本タクシーですることにして対応することにした。
万が一の電車は下を向いて、人の多さを気にしないためにサングラスをかけて、耳栓をつけて、車両の隅っこに立つようにする、これも決めた。
そして会場や土地柄による人の多さ、音の大きさに耐えられるか。
日常的に耳栓をして生活しているけれど、そんなものではカバーできない音量、そして開催されるのはとんでもなく広いKアリーナ。
大量のひとを見てパニックが出ないはずがなかった。
そもそも広島と横浜では人の量が全く違うのだ。
広島駅の1週間分くらいの人が横浜にいると思う。
人!人!人!音!音!音!
人並みに関東に遊びに行ったことがあったので、大変だろうなというのは安易に想像がついた。
こちらの問題に関しては耳栓+サングラス+耳を手で覆う+頓服で対応することにした。(あと気合い)
信頼できる彼と行きも帰りも住んでるところから一緒だから大丈夫、大丈夫と言い聞かせて前の日は眠った。
11月16日当日
新幹線と電車とタクシーを駆使して、無事Kアリーナに到着。
グッズ販売もあったから到着した時点ですごい人だった。
それでも絶対ガチャガチャは回したい..........!
そこにはガチャガチャ大好き女の強い意志があった........!(サイン入りグッズが当たる可能性もあったし)
人は多いけれど列になっていたり、大きい声で話す人もおらず割とスムーズにガチャガチャを回すことができた。
少し「ワワワ...」とちいかわのように焦る場面もあったけれど、無事お目当てのグッズもゲットできた。
ファンクラブブースに入るためのiPhoneの表示がうまくできずパニックになり、半泣きになるハプニングに見舞わられることもあったが、彼の「大丈夫、大丈夫、落ち着いて、横によって。iPhone見せて。」というファインプレーで無事通過。
(ありがとう....................)
そのあともタクシーを駆使して美味しいものを食べて、少しウロウロして、開演ギリギリに入場。
Kアリーナの構造がわからなくて、キョロキョロしていたら彼とはぐれてしまい、人の波に流されて遂に本日1回目のパニック発作が出てしまった。
「ヤバい、はじまる、息、苦しい」
苦しいと勝手に涙が出てくるので、ライブ前に感極まり女だと思われたかもしれない。
というかそう思ってて欲しい。
あたたかいお茶を飲んで、すこし休んで、椅子に座って、会場が暗くなった。
どきどきする。
心臓が痛い。
11月16日ライブスタート
自分のことばかりで情けなくなるよ、にもあるけれど本当にあのシーンのように話しながら「1曲目なにかな?」と会場に向かっていた。
「おやすみ泣き声、さよなら歌姫かな〜?」
中止になった10周年全国ツアーのセットリストの最後の曲が、この曲だったからなんとなくそう予想していた。
この会話をぶっ飛ばす1曲目。
HE IS MINE !!!!!!!!!(エエ❗️©️マスオさん)
脳天をぶち抜かれるってこういうことを言うんだ。
心配していたことが全て飛んでいった。
もう視界にはクリープハイプしか入ってこない。
耳にはクリープハイプしか入ってこない。
眩しい光も音圧もクリープハイプのためなら問題ない。
もう大丈夫だ。
この日のセットリストは既に公開されているし、しっかりとしたレポートはもう見た人もいると思う。
尾崎さんも誤った情報が広がるのは嫌だと思うし、曖昧なことは書けないので、自分の目で見た嬉しかったこと、感動したことを忘れないように書いておきたいと思う。
ライブが終わった後、首に巻いていた悪い男タオルがびしゃびしゃだった。
水も滴る良い尾崎世界観になっていた。
感情が溢れた分だけタオルの重みに変わったんだと思った。
どの曲も本当にだいすきだし、いろんな想いがあるけれど、〝明日はどっちだ〟と〝風にふかれて〟を連続で聴けたことがすごく嬉しかった。
この2曲は私の人生のなかで「きっと死ぬまで大切に思うだろうなプレイリスト」にリストインしている。
この曲たちに何回助けられたかわからない。
何回泣いたかわからない。
学校に行けない日のベッドの中、職場のトイレ、バイトに行く電車の中、仕事の帰り道、朝まで遊んだ日のタクシーの中、しんどくて起き上がれない朝も、怖くて眠れない夜も。
いろんな場所でいろんな時に助けてもらった。
この日も「あー、やっぱり来てよかった」と心の底から思った。
ありがとうでいっぱいになった。
自分のすべてがここにある、と思った。
そして通常アンコールをしないクリープハイプ。
それに慣れすぎて風にふかれてが終わったあと、普通に規制退場のアナウンスを待ってしまった。
そこで聞こえてきた長い拍手。
パンッパンッパンッパンって揃えるのでもなく、「ワンモー!!!!」の掛け声でもなく、ただの拍手。
これはもうみんな今日が11月16日だということを理解しているからなんだ、と思って胸が熱くなった。
15年前の11月16日のことを私は知らない。
3人が加わっていなかったら、もしかしたらクリープハイプに出会っていなくて、今日ここにいなかったかもしれない。
本当に出会えてよかった。
15年前には出会えなかったけれど、クリープハイプと出会うべきタイミングで出会えたんだと信じている。
はやく15年後のわたしに自慢したい。
「アンコールはどうする?」
ではじまるおやすみ泣き声、さよなら歌姫を聴けたこと。
MVと同じ赤い紙吹雪がとってもきれいだったこと。
それがとってもとっても嬉しかったこと。
42歳の自分もクリープハイプを好きだと思える感性を持ち続けていられますように。
大好きなバンドがそこにある限り、なんとしてでも生きないといけないなと思った。
また救ってくれてありがとう。
クリープハイプ!(い〜い薬です!)
一生愛されていると思っていてください。
おしまい。