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一生残るプレゼント

1月に28歳になって、彼から誕生日プレゼントは何がいい?と聞かれたまま保留にしていた。
特段これが欲しい!とかもなく、大人になればなるほど欲しいものは自分で買っちゃうな〜となんだか切なかった。

彼はすごくセンスがいいし、何をもらってもおしゃれで自分の好みだと思うのだけど、直近の彼の誕生日にも「何が欲しい?」と私がしつこく聞いて〝欲しいもの〟をあげたから、今回の私の誕生日もそれに合わせて聞いてくれた。
(それまではお互いにあげたいものとか、旅行に行ったりとかしていた)

色々悩んだけどいちばん欲しいものは新しいタトゥーだった。
今すでに6個入っているのだけど、追加で3個入れたいモチーフがある。
ただ一生身体に残るタトゥーを人のお金で入れるのはどうなんだ...?と思いしばらく悩んだけれど、お揃いのタトゥーでもなけりゃ、入れるのはタトゥーアーティストの人だし「別にいいのでは?」という結論に至った。
それに彼ならいいかな、と思った。
これから彫られるタトゥーに彼の思い出が痛みと共に刻まれたとしても、私の過ごしてきた時間の経過のなかで大事なものだったから、タトゥーの有無に関わらず必要不可欠だったと言える。

よくわたしのタトゥーを見たり、ラブレットピアスを見たりして「痛かった?」と聞かれるのだけれど本当に言うほど痛くない。
矯正の最初の青ゴムとか、抜歯後のドライソケット、唇に入れるヒアルロン酸、採血に失敗されて何度も差し直されるのとか、手の甲に点滴の針を刺されたりするほうが余裕で痛い。

タトゥーもピアスもやってくれるひとはプロだ。
無機質なスタジオのちょっと冷たいベッド、横になった時に見えるライト、これからはじまるんだという高揚感、ちょっといかついけど優しいおじさんが安心させるように話しかけてくれる。
あとはもうアドレナリンでどうとでもなる。

特にピアスに関してはニードルがぐっと差し込まれる瞬間にだけ少し痛みを感じるけれど、その後も特に痛みはなく、つけているピアスのシャフトが長いのでそこに引っかからないようにすることだけを気をつけたら問題ない。
もう閉じてしまったけれど、自分で開けたインナーコンクやトラガスのほうがずっと痛かった。
やっぱりピアススタジオが安心だと思う。

タトゥーも「あ〜痛くなってきたかも」と思った瞬間に一度手を止めてくれる。
彫り師さんは1発で彫る秒数が決まっているのか、感覚的に分かるのか謎だけれど、脂汗が出るほど痛みを感じるようなことはない。
いてっ→無→いてっ→無→眠→眠...のような感じでだんだん慣れてくると睡魔が勝ってくる。

おそらく和彫りだったり、A4サイズとかの大きなサイズで尚且つ塗りつぶしの多いデザインだったりすると、当然痛みも変わってくると思うのだけれど、自分の好きなデザインは細めのラインがメインなのでそんな感じだ。

この誕生日プレゼントタトゥーは6月に都内に行くタイミングで彫ろうと思っている。
担当してもらうのは前回もお願いしたkaketatooさん。
優しくてすごく丁寧、求めているデザインの全てを再現してくれる方だ。
スタジオの雰囲気もおしゃれで大好き。
今後一切kakeさん以外に彫ってもらうことはないと思う。

前に彫ってもらったカモミール


せっかく都内で久しぶりに友達に会えるのに、彫る日の前後だからお酒を飲めないのが残念だけど、お酒で失敗したばかりだからむしろいいかもしれない。
それにお酒を飲むことで仕上がりを左右してしまうから、ここだけは基本的に守りたい(守らなかったことあり)

きっとこれを母に伝えると「はー?またタトゥー増やすの?やめてよー!」と言われると思う。
奇抜な服装やピアスやタトゥーの激しいアンチではないのだけれど、タトゥーがだんだんと増えていっていることに対して「もうええでしょう‼️」とピエール瀧になっている。

だけどどんなに止めても私はやると決めたら絶対やるということも知っている。
ラブレットピアスに関してはめちゃくちゃ止められたし、会うたび外せと言われるけれど意地でもつけ続けている。
自分が思うかわいいを今までもしてきたし、これからも選ぶと思う。

ただタトゥーやピアスで働ける場所が狭まるのも、いけない場所があるのも事実だ。
元々はエステ系で働いていたので、入社時のチェックでタトゥーの有無の項目があった(その頃は入ってなかった!)
もう二度と制服着用の必要な美容系の仕事はできないと思うので、やれるとしたらマツエク、美容師、IT業界、アパレル業界、飲食業界、音楽業界くらいなんじゃないだろうか。(美容師免許持ってないけど)
美容部員もメーカーによるとはいえ、まだまだ厳しいイメージだ。

どんどん働ける場所への可能性を自ら潰しに行っているけれど特に気にしていない。
どうにかなると思っている(大丈夫?)
働かなくていいなら働きたくはない。
早く海の綺麗なところで隠居したい。

半年後、いや1年後、自分が何をしているのか全くわからないし、生きているのかもわからない。

ただ抑うつがひどくて死にたいモードになっている時に「歯列矯正して!痩身エステ通って!ボトックスやらヒアルロン酸やら入れて!ピアス開けて!タトゥー入れて!自分の総額いくらですか!!!??」と問うと自分の身体をお金で考えられてちょっと死ぬのが勿体無いと思えるので良い。
しかも歯列矯正はまだ終わってないので、流石に並んだ歯並びは見届けたい。


自分自身の完成って死ぬまで、もしくは死んでも終わらないかもしれないけれど、自分を好きになれるきっかけという魔法をかけ続けられたらと思う。
それがタトゥーでも知識を吸収することでも人から褒められることでも、なんでもいい。

タトゥーが増えた自分のことを、今よりちょっとだけ好きになれていたら良いなと思う。

おしまい。

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