固定給

固定給は重くて
ほくろを触ったついでにもう一度数えた
そのままこれから重ねていく年までも数えてしまい発狂。

浮き世は私の虚無を等間隔に並べて遊び、
無理くりの整理整頓を長所とす。
そして今は敢えて作った表情だけが取り残され、余った衝動で立てた爪が白く濁る 
本当の気持ちは注力しなきゃ見えないってかね 動脈と静脈は今日も絡み合う
ねーえ、現在って全部が後日談だったりして、
書き直した本につけたエピローグみたいにない方がいいって言われてしまいそう

固定給が私の周りで渦を巻く
ああ、ああ、人間たちが階層になり、私がどんどん濾過されゆく
ああ、定義がしっかりとした言葉の中で揉まれ、蛍光灯は許されうる罪まで照らす
結果論ではおざなりになる人間関係の中で迷って辞めた未熟さの更新 
経験値だけが緩く目の前に積まれていく
そんなこんなの情報過多で倒れて、

目をやっと開けた先の湿った暮らしでは
綿棒の減りに生々しく命を感じさせられて吐いてしまったが、
今更死ぬのもあり得ないので仕方がなく、
生活。
生命線の始まりからこぼれ落ちていった錠剤と記憶を
   人にはもう
   アレルギーの薬とか
   適当なことを言おう、
   弱いことは
   なんだか
   恥ずかしいことな気がするので。
跪いて拾って砂みたいに噛み砕いたら局  所麻 酔、
み たいに一 時的に薄れる恐 怖、
ですら のーり に染みついていて、

不意にこぼれたまつげの奥にはゆらゆらと、
昔のあの人が飛行機に乗るたびに書いていた遺書の中身を思い浮かべる
未読で燃やされた取り留めのないありがとうに熱い好意
反出生主義のあいつもどうせ数年後には家庭を持つ。
私は既にそれを確信できる年。

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