#雨の日の私の過ごし方
私は、雨が嫌いだった。
低気圧のせいで頭が痛く、外出するのも億劫。せっかくのお休みに雨が降っていたら、朝からブルーになってしまう。
けれど、この世界には、雨が大好きな人たちもいるわけで…。
「じゃ、じゃーん!!!みて!みて!みて!」
目をキラキラさせながら、その場でクルクル回る3歳の男の子は、黄色の長靴を私に自慢してくれた。
「これね、あたらしーのー!」
大人たちにとって雨は憂鬱の象徴だけれど、
子供たちにとっては、雨が降るということ自体が、「非日常」の世界なのかもしれない。
それにしても、雨でワクワクできるなんて、本当に、羨ましい。
そんなふうに子供たちを眺めながら、ふと。
「私も、かつてはこんなふうに雨を楽しんではいたかもしれないな」
と思った。
私たちは大きくなるにつれて、大事なことをどこかに置き忘れてしまうのかも、しれない。
「お空が泣いてるね」
4歳の女の子は、たしかにそういった。
「雨はね、植物のために、お水をたくさん降らせてくれるんだよ。だから、お花が育つんだよ」
本当は、そんなありきたりの言葉じゃなくて、もっとこの子の「心」に寄り添ってあげたかった。
かすかに首をかしげている女の子を見ながら、そんなことを思った。
雨の日は嫌なものだというイメージを植え付けたのはいったい誰だろう。
あまのじゃくな私は、子供のように純情な「心」を持って、雨の日を楽しみたくなってきた。
例えば、雨の日は美容の日と決めてしまう。
雨が降ったら、パックをする。
例えば、雨の日は貯金の日と決めてしまう。
雨が降ったら、1000円を貯金箱に入れる。
例えば、雨の日を読書の日と決めてしまう。
雨が降ったら、本屋さんでお気に入りの本を選ぶ。
雨が降ればふるだけ
きれいになって、
お金がたまって、
知識がつく。
雨が、
たのしみになる。
雨の日の私の過ごし方。
それは、雨を愛おしむ暮らしをすること。
今なら、あのときの女の子に、こんなふうに声をかけたい。
雨はみんなの心の中にある嫌なものを、ぜーんぶ流してくれるよ。
雨がやんだら、すっきり笑顔。
きれいになった心にあたらしい栄養がたくさん入ってくるんだよ。
願わくば、今日の雨のことをうらむひとが、
1人でも少なくなりますように。
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