主張の強いアラサー女から、軽やかに生きるオトナレディへのギアチェンジ
30代も板についてきて、年齢を言い訳にする頻度も格段に増えつつあった去年の春。
友人の書いたとあるnoteに出会い、自虐のループから抜け出すための手を差し伸べてもらった気がした。
そして先日、このnoteを世に残してくれたお友だち、あずさんとお話をする機会があった。
やっぱりあずさんは、私の憧れのオトナレディだった。
「年齢を重ねる=ポジティブ」……なんて最高の考え方!
あずさんとは、キャリアスクールのコミュニティで出会った。
それぞれ違うコミュニティのリーダーを勤めていて、言ってしまえば同期のリーダー仲間だった。
彼女が担当していたのは、40歳前後の女性に向けたイベントを企画する年代別コミュニティ。
当時彼女は39歳で、まさに40歳を目前に控えていたタイミングだった。
多くの女性にとって、年齢を重ねることはネガティブなイメージを連想させる。
「老化」や「衰退」など、そんな言葉と結びつきやすいからだと思う。
そんななかあずさんは、「年齢を重ねることをポジティブに感じられる女性を増やしたい」というテーマを掲げて活動をされていた。
冒頭の言葉は、彼女のコミュニティ「オトナレディ」の活動期間中に公開された、彼女の願いが詰まったnoteに刻まれていた言葉だ。
「30過ぎてから自分が何歳なのかわかんなくなったわ〜」
「20代終わってからマジで疲れ取れなくなった、トシだな〜」
年齢のことになると、そんな後ろ向きな言葉ばかり吐き出すようになっていた私。
若さに粘着するのはみっともないし、老いという現実を真っ向から受け止めるのが、年相応で妥当な立ち居振る舞いだと思っていたから。
でも彼女のnoteを読んで、全身を稲妻が走った。
「年齢を重ねることも悪くない……本当にそんなふうに思えたら、どんなに生きるのが楽しくなるだろう」
「死ぬまで楽しいこと確定じゃん。だってこの先ずっと、年齢は増え続けていくって決まってるんだから!」
本業フルタイム+副(複)業で活躍するあずさん
そんなあずさん、キャリア面でも尊敬すべきことだらけで、私のロールモデルの一人でもある。
あずさんの本業は、企業のカスタマーサクセス部門のマネージャー。
中間管理職として、顧客の対応もしつつ、部下の相談も受けながらチームをマネジメントしている日々だという。
そのうえ、キャリアスクールの受講生サポーターやライター、コミュニティ運営など複数の副業もこなしている。
こりゃ休日返上で働き詰めなのだろうなと思いきや、日曜日は完全オフにしているというからめっちゃくちゃシゴデキ(=めっちゃ仕事できる人)なのだと頭を抱えてしまった。
「本業もして副業もして、超人すぎます……。なんでそんなに働けるんですか?」
あまりに唐突でカッコ悪い私の問いに、あずさんはこう答えてくれた。
「それぞれ全然違うことをしていて、気分転換しながら働けるのが心地いいんですよね」
本業では、組織の大きな力でより大きなことを成し遂げられる。
でもその一方で、目の前の細かな事象に注力できるリソースが限られる場合があり、全体最適が最優先になることも。
反対に副業では、目の前の業務にフルコミットして成果を出すことに注力できるが、業務範囲が限られるため規模の大きいことを成し遂げるには制約がかかるケースがある。
「本業と副業。業務内容や働き方以上に、その仕事を通して自分に返ってくるやりがいが大きく違う。それぞれの良さを享受したり、不足を補い合ったりできるから楽しいんです」
仕事は、労働の対価として報酬を受け取る以上に、学びややりがいを得られる楽しい時間。
あずさんは、ビジネスパーソンとしてしなやかに生きるマインドを体現しながら生きている。
大丈夫。いつかきっと、私もマルくなれる。
あずさんの魅力。
その最たるものは、優しく穏やかな人柄にあると、私は思っている。
つねにやわらかな笑顔を浮かべ、落ち着いた声色で語りかけてくれて、うんうんとうなづいてこちらの言葉に耳を傾けてくれる。
頭ごなしに否定したり、考えを押し付けたりすることもせず、ふんわりと包み込んでくれるようなあずさんの雰囲気に、不思議とトゲトゲした心が落ち着いていく。
「あぁ、こんな私と対極のような女性もいるのか」
あずさんと話すたび、私はそう感じていた。
上記を繰り返し、どうせ性格は変えられないから、すこぶる性格の悪いこんな自分とも一生付き合っていかなければならない己の運命を卑下する……
あずさんとは正反対、それが私の人生なのだ。
……ところがどっこい、聖母のような穏やかさを持つあずさんも、かつては納得できない事象にとことん立ち向かうスーパーサイヤ人だったのだという。
「世の中には、自分と違う考え方をする人もいる。仕事に対する向き合い方や、優先順位の付け方は千差万別なのだから、自分と違う考え方も受け入れないといけないよ」
そうかつて上司に言われた経験から、人の言葉を柔軟に受け入れられるようになったのだという。
「大丈夫。いつかきっとマルくなるときはくるから」
一生己の中に戦闘民族を飼い慣らしていかなければならないのだと思い込んでいた私に、あずさんの過去が一縷の光を注いでくれた。
組織のために、思ったことは積極的に発言したほうがいい。
そう考えて行動していたら、29歳で上司から「おつぼね」と揶揄されるようになったあの日。
私は実年齢以上に「年増のオバサン」に成り下がったのだと思った。
でも、女性は何歳でも輝ける。
どこかの「オバサン」じゃなくて、自分自身でい続けられる。
あずさんが、そう私に教えてくれた。
主張の強いアラサー女から、軽やかに生きるオトナレディへ。
私はいつまでも、私の人生を楽しみたい。
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