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その後

夫は嬉しそうに、 雨降って地固まるとはこのことだね! と言う 私たちは不倫を乗り越え仲直りをし、関係を再構築したかのようだった 私は夫のことを心から愛していたことを思い出し、夫もまた私や娘たちの大切さに気づき、自分のしたことの愚かさを反省した これからはお互い素直になり、感謝を忘れずにお互いを大切にしようと言う話になった ただ、それは地元で会っている間に話し合って出た会話。娘たちの留守に二人で出かけお酒を飲みいい気分で何となくいい雰囲気になっている間の会話。 日常に戻り、夫

    • 虚像

      私って愛人みたいだ って気づいてから、今の自分の立ち位置がクリアになってきた 実家暮らし、マイホームを建てるつもりもない夫 その状況に私が納得している訳がなかった ただ私は、夫がなんでそういう発想にならないのかを、ただただ楽観的にとらえてた 両親とうまくいってるし、娘たちの教育にも悪くない、私も寂しくない、今はまだまとまった資金もなくてマイホームを建てるにも将来設計がまとまらない、夫は東京にいたいし私は娘二人が中学を卒業するまでは地元にいたい、その後はきっと親の介護の問題が出

      • 時系列14

        土曜日の夜 月曜日の朝ぶりに二人で話す時間ができた 落ち合う前に、時間などの話をLINEしていたらやはり言葉ジリが何だかご機嫌なので、もしかしてまたサヤカと連絡とってるのかな?と苛立って "サヤカ元気?" "連絡とってる?" と送った 夫は "いや" だけの返信だった このやりとりがなかったら、もしかしたらもう少し、マシだったかもしれない 会って早々、夫は 結論から言うと、サヤカとは別れたから と言った 私は拍子抜けをして、リアクションに困ってしまった 望んでいたことな

        • 時系列13

          浮気がわかって6日後の木曜日 私は友人と飲みに行き、ことのあらすじを全て聞いてもらった 結論から言うと、この会で私は自分がどれだけ惨めでどん底なのか思い知らされた様な感じがした 話しているうちに整理がついて、夫が私に対してもう愛情がないこと、私が夫に求めていること、依存しすぎていること、そして今冷静になれていないこと、話していると明確にわかってきてあまりにも惨めな気分になるので、話題を変えたいと思ったほどだった 初めは夫に対して批判的だった友人二人も、ことの経緯を聞くうちに私

          時系列12

          その日はぐっすり眠ることができ、その様子を確認した夫は安心した顔をしていた 夫はいつものようにジムへ行き、私も買い物に行ったり家事をしながら日中を過ごした。 心のザワザワが止まらなくて、スーパーでうっかり泣きそうになるくらいには涙がONの状態だった 夫がスマホを見ているとついついサヤカかと思ってしまうし、外に出てるとサヤカと電話している気がしてしまう。 頭の片隅にある状態で半日過ごしたら、なぜこんなにもショックだったのかがハッキリわかった。 あぁ、自宅に、私のいる空間に、持ち

          時系列11

          その夜の私たちは微妙な距離を保ちながら、寝室に行き、いつものようにiPadでドラマを見ることにした。 昨日見てた続きだ、、この後だ、、スッと背筋が寒くなるような感じがした 夫も心配するようにこちらをチラッと見た ドラマを見ている間も何度か顔色を伺っていた 子どもたちと両親が帰ってきて、家の中が賑やかになった その空気感で何となくいつもの日常が戻ったような気になった でも決定的に昨日とは違うのだ。私は浮気されてるのだ。ママ、浮気されてるんよ、、 ドラマをある程度見たあと、

          時系列⑩のつづき

          夫は泣かない。 どんなに感動する映画を見てても、いい話、感動する、とか口にしてても、感動する歌詞を見せても、絶対泣かない。本人曰く幼稚園の頃から泣いたことがないらしく、涙が出るという感覚がもはやわからないと言っていた。 そんな夫が、今私の目の前で、声を振るわせて、涙を一筋流している 申し訳ない。と もう私の悲しむ顔は見たくないんだ、と 理解に苦しむ 私を悲しませてるのはあなたで、この悲しみはあなたでしか癒せない。 なぜ今悲しんでいる私から離れて、別の男(不在)に託そうとす

          時系列⑩のつづき

          時系列⑩

          午後14時頃、夫がジムから帰ってきた 私はお昼ご飯の時間に娘たちとすごし、食欲がないなりに少しだけ胃に入れた。 空腹が落ち着いたら眠れる気がしてもう一度寝室へ向かった 夫は、 どう?寝れない? と相変わらず心配している 今日、飲みに行くの無理そうだよね? うん、、そうだね、、お粥くらいしか入らないかも。まだわかんないけど。 キャンセルの電話しとくね、夜ご飯、作らなくていいから。食べれそうだったら出前でもとろう。お粥食べるなら、俺は自分の分コンビニで買ってくるから そう言ってコ

          時系列⑨

          枕からほんのり香水の香りがする 寝る前に自分に香りを纏わせて寝なくてよかったと心底思った 夫は何度も、寝れる? と聞いてきた。 寝れる? ウトウト、、 寝た? ぐうぐう、、 寝てないの?大丈夫? ぐうぐう、、 寝ながらも何度も私の様子を気にして何度も声をかけてきた 寝息を立てる夫の横で、私は朝まで一睡もできなかった 私は自他認めるロングスリーパーであり睡眠命である 睡眠不足だと機嫌は悪いわ判断は鈍るわ何もはかどらないわでいい事ないので自ら睡眠を取るし、それを知ってる夫も、いい

          時系列⑧急降下

          案外スッと眠りについたのに、しばらくしてすぐに目を覚ましてしまった 頭痛のせいかもしれない まだ若干首筋が痛かった。 夫がまだ帰ってきていないことに気づき、時計を見た。時間は1時をまわっていた あれ、、???1時間半経ってる? そんなに電話してるのかな?本当に外にいる?? 夫のパソコンのある部屋を見てみると、煌々と電気がついたまま人の気配がしない 私は急激に不安になってきた そんなに電話対応が必要なことってある?今までも緊急な電話をしてるところは見たことあるが、割とサクッと解

          時系列⑧急降下

          時系列⑦

          木曜日が来た 新幹線に乗る時間が遅くなるから帰宅がご飯の時間 の後だと言っていた夫だったが、律儀な彼はなんだかんだで両親と私の食事の時間に間に合わせて帰ることができた 筋トレ続行中の夫のためにヘルシーメニューを作ることが定番で、その日もいつも通りの素朴な献立を何品か作ったが、禁酒はせずにビールを何缶か飲んだので飲み過ぎ食べ過ぎで食後は寝室で寝てしまっていた 満足したんだね、、よかったね、という気持ちで放っておいたが、私が寝る頃に目を覚ました 目を覚ました夫に、先日夫がくれたピ

          時系列⑥

          5月6月は忙しいと、今後の週末の出張予定を聞いていたけど、その週の翌週は帰ってくる予定だった。 5月2日午後 次女のSが高熱を出した その日の夜は両親の行きつけの居酒屋の周年イベントで、夫も含む家族で行く予定だった 私が行かないと言うと夫もめんどくさがって行かないと言いそうな予感がし、その流れで長女も行かないことになったらさすがに6人中4人当日キャンセルは避けたいなと思った私は、まだ微熱の次女を留守番させ1時間ほどで帰ることも考えていた。 ただ17時頃急に38度以上になったの

          時系列⑤

          その夜から、夫は私に対しての態度が変わった。 私の涙が相当こたえたのだろう。 夫は声色が変わるので、私に対して好意的なのか不満があるのか声ですぐにわかる。だから私は、いつも様子を伺う癖ができてしまっているとも言える。ただ、彼自身は無自覚だと思う。 感情の伴わないセックスも変化した。 私のヒップラインを見て、 あれ!?ちょっと変わった!? と言った。 そうだよ、あれからスクワット頑張ってるんだよ。 あれからというのは、1ヶ月前頃に、筋トレを頑張った方がいいと思うと言われてからだ

          時系列④つづき

          俺はモテるんだ!という話の根拠を話しだした。 お前に疑われると思って言わなかったが、実はこれまで言い寄られている人数は軽く二桁はいる!ほんとにモテるんだよね、ここ最近。やっぱ肩書きと、金持ってそうで、飲んだら楽しいじゃん??みんな俺のこと好きになっちゃうんだよねー!奥さんいるって言うと余計モテるし 嬉しそうに自慢してくるのでムカついてチャチャを入れる私。 えーほんとに??みんなヨイショしてるだけじゃないの? いやいやいや!ほんとにほんとに!ほら、前にも話して北海道旅行行った時

          時系列④つづき

          時系列④

          4/23行きつけの飲食店に行く日である。 私は夫と出かける時はいつもちゃんと身支度する。夫が私のルックスを好きだと言ってくれているからである。 こんなに関係性が冷めてると自覚してても、私はそこに手を抜かないしいつだって夫の目を気にしている。ギリギリのところで繋ぎ止めようと必死なのかもしれない。 夫と飲みに行く日は仕事のことを聞くチャンスでもある。仕事の話は普段ほとんどしてくれないし、こちらから聞いても端折られたりするのでよくわからない。仕事の話をしたくないのかもしれないと気遣

          時系列③

          北海道社員旅行から夫は疲れた顔で帰ってきた。聞いてみると毎晩明け方まで飲んでいたらしい。以前にも言っていたが、北海道の取引先の方々はお酒に強いらしく、飲んでも飲んでもまだ飲み会が続くと嘆いていた。夫もだいぶお酒には強いので付き合いきれるようだが、さすがにキツそうだ。木曜日は朝の5時まで、金曜日は3時まで、土曜日は6時まで飲んで一睡もせず朝食を食べて飛行機に乗って帰ってきたらしい。 その日は自宅で親戚とバーベキューだった。二週間前ほどに決まったことで、1泊しかできないのに夫は自