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アクマを ころして へーきなの?【旧約・女神転生2クリアレビュー】
メガテン最高傑作論争を見るのが好きだ。
真2か真1、そこに食い込んで真3が至高という意見が大半だと思う。プレイヤーの年齢層を鑑みると納得の選出だ。特に異論はない。
でも、そこに毎回書き込まれるタイトルがある。
「FC版女神転生2」
正直、僕はこの作品を遊んだことがないことについて、少しコンプレックスがあった。あまりにもプレイするハードルが高かったからだ。そんなモヤモヤした長年の気持ちを晴らすべく、旧約・女神転生を入手した。
結論:金字塔である。
この作品なくしてメガテンは語れないと思った。
これは良いゲームだ。うん、間違いなく。
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かなり低めだと思う。
※旧約版です。1の引き継ぎあり。
※全編通してネタバレ注意です。
プレイフィール
ざっくりあらすじ解説
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今回は、
主人公 →ヒトナリ
ヒロイン→すっぴん
友 達 →タダノ
で遊びました。ネーミングセンスはご容赦。
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魔女=ヒロインが言うには、東京は魔王軍による勢力争いが激化中。パズスは主人公たちを利用して、自分が東京を支配することを目論んでいるとのこと。主人公はヒロインの手を取り、友人とは仲違いしてしまう。
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この選択肢がルート分岐に大きく影響する。
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ここから先は評価点にて。
ここから始まり直した
女神転生の原点は「デジタルデビル物語 女神転生」だと思う。前作の時点でメガテン(特に初期メガテン)におけるゲームシステムは完成しており、ゲームとしては淡白ながらも非常に面白い作品だった。
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ただ、前作はあくまでメディアミックスの一媒体であり、ゲームとして独自のストーリーが展開するわけではなかった。
今作では、前作の設定を一部踏襲しつつ、完全に新規シナリオが展開される。この話運びや作品全体の雰囲気が、続く真シリーズの礎になったと思う。
そういう意味で始まり「直し」だ。
体感としては、真・女神転生0。それくらいの後のシリーズとの関連性を感じさせる一作だった。これから真・女神転生シリーズの最新作が出るたびに、僕はこの作品を振り返るだろう。それくらい強烈で、鮮烈な作品だった。
これを風化させてはいけない。そんな気持ちでレビューします。
評価点
面白いシナリオ運び
劇中劇から始まる。こんなにワクワクすることがあるだろうか。
前作をクリアすると、「セーブデータが破損する」という演出が入る。そしてそのままデビルバスター。滑らかな次回作への接続。たまんないね。
主要人物の名前を入れると、いきなり下の画面になる。
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このエンターテインメントマシマシな感じがたまらない。かなり訴求力が高くて惹きつけられる。
別にこのデビルバスターの仕組みも、ないならなくたっていいんだ。テキストイベントでミノタウロスが倒されたことを説明すればいいだけなのに、こうして用意してくれる遊び心。これをFCでやったんだから大したもんだ。
その後、天からの使いとして現れるパズス。僕はこの後の作品を散々遊んでしまったから、天の使い=パズスに無理がありすぎて笑ってしまう。当時の人たちはすんなりと受け入れたのだろうか。
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自キャラが見えるっていいよね。
普段は主観視点だけど。
操作キャラの可視化は、外伝ありなら女神異聞録やラストバイブル、本編なら真3までお預けだった。こう言うところも、当時としては異質だと思う。僕はこっちの方が馴染みがあって好き。
シナリオとは直接関係ない部分だけど、このシステムのおかげで世界観の広がりを感じられてとても良い。
冗長に見えるマップ移動も、演出としての役割があることを思い知った。
「デカさ」がある種正義であるように、「広さ」もそのこと自体に価値があると思う。
東京編と魔界編で大きく分かれる今作だけど、そのどちらも面白かった。
薄い最終目標に向かって振り回されるわけだけど、一つ一つのイベントがあっさり終わってどんどん進める。
何よりもボリュームが多い。これ、本当にFCのゲームなのか?
この連続する面白さに一役買ってくれているのが、ところどころに散りばめられている要素だと思う。
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たまんねぇ。
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たまんねぇ。
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背景がたまんねぇ。(意味が違う)
壊滅した東京はもはや悪魔たちのねぐらとなり、サバトや宗教、そのほか好き勝手に暴れ回られている。蹂躙されていると言ってもいい。
この変わり果てた世界を練り歩く感覚がたまらない。寂しい。
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おそらく1のと同一個体
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東京でバエルを倒した後、今度は魔界編がスタートする。
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救いなんかどこにもない
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破壊された東京。救いようのない現世を散々見せつけられて、真の敵が潜む魔界に飛ばされる。どこまでも硬派で、どこまでも暗いシナリオ運び。こういうの嫌いじゃない。
そこには人の優しさやキャラへの愛着なんかなくて、ただただダンジョンを踏破し、ボス悪魔を撃破したいという感情しかない。
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「アクマを ころして へーきなの?」
何も思わない。むしろ、このセリフに不快感を覚える。
人類を虐げて、文明を破壊し、支配を目論み、好き勝手君臨してきた悪魔が人間相手に道徳を説く。不愉快だ。この気持ち悪さが最高でたまらない。
だから燃える。魔王戦に燃える。
悪意や敵意を持って下してやりたい。これまでの真シリーズに抱いていた悪魔への親近感を今回は全く感じなかった。
悪魔や仲魔はどこまでもドライな関係性で、昨今のふれあい要素なんかクソくらえだとも思っていた。
この世界観の中では、どこまでも冷酷でいたい。
そう考えて、「自分がこの世界にどっぷりと浸かり込んでいた事実」に気づいた。すごいゲームだ。
魔界最奥部 はえ村。
その穴倉に潜むのが・・・
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バエル撃破後の行動でシナリオが分岐する。
ここからがたまんねぇんだ。
待ち受けるものども
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カエルになったバエルとベルゼブブが合体し、魔神バアルとなる。
カナン信仰のバアル・ゼブルだ。彼女(彼)を貶めた者が存在するのだ。
物語は単なる魔王討伐に留まらず、展開していくことになる。
そして、魔界の最果てに待ち受けるのが・・・
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この「閣下が仲魔になること」はとりあえず一旦置いておく。
バアルをはじめとして、ルシファー、そして、
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錚々たるメンツを携えて挑む敵が・・・
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審判者としての性質はなく、単に黒幕という扱い。
普通はここで終わってもいい。東京の支配を目論み、魔王たちを陰で操っていた黒幕、サタン。
サタンといえば他の作品ではラスボスとして十分も十分。威厳も説得力も申し分なし。まさにラスボスになるために生まれてきたキャラクターだ。
現にルート次第ではこのまま物語を終えることもできる。
でも、それだけでは終わらない。なんでその先を作ることができたのか全く理解ができない。
そのサタンすら下した主人公たちが対峙するのが、Y.H.V.Hだ。
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この功績を風化させてはいけないと思う。
単に唯一神を敵として出せばいいというものじゃない。ここがすごく面白いところだ。
前作のラスボスを仲魔にするというアイディアがどの段階からあったのかはわからない。でも、ルシファーすら仲魔に加えて立ち向かう敵といえば、ユダヤ・キリスト教で共通する絶対神しかあり得ないのだ。まさに仲魔になるべくしてなっている。
そしてバアルやアフラマズダだって、一家言ある。異なる世界線で主神を張っていたのに、頂点に君臨されただけで凋落の憂き目にあった。その屈辱たるや、牙を剥くのに十分だ。
メガテン2が偉いのは、真っ向から勝負をしたことだ。
いわゆる神という抽象概念に逃げ込まず、かといって世俗に塗れた偶像でもない。それはしっかりとしたY.H.V.H(設定的には別物扱いなんだろうけど)で、尚且つ可視化すらしてしまった。まさしくメガテンのボスの顔となったんだと思う。
これを90年代の深夜にこそこそやっていた背徳感はたまらなかっただろうな、と推察する。非常に羨ましい。
不満点
苦しいゲームバランス
古いゲームなので簡単に。
・エンカウント率が高すぎる
一歩歩いてエンカが常識になりつつあった。エストマくらい用意しておいてくれ。
・一部難易度が高い
アスタロト戦がマージでキツかった。補助魔法の効きも弱いし、単純な肉弾戦に陥りがち。後半はかなりキツかったです。
・剣ドロップがしんどい
武器の剣はアイテムドロップかイベントゲットのみ。賛否両論だろうけど、めんどくさかったので否で。もうちょっとドロップ率高いと嬉しかったかな。
総評
金字塔である
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真3に納得した瞬間
「唯一神に喧嘩を売るのがメガテンだ」なんて浅い結論は出したくない。
でも、さまざまな宗教の神々を一つにまとめて、その中でドンパチやる世界観ならば、神話界の大御所は然るべき立場に鎮座していて欲しいとも思う。
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ルシファーが凋落し、混沌の首魁として君臨する世界観であれば、やはりY.H.V.Hとは敵対していて欲しい。僕はその先のお話が見たい。
メガテン2は「これがメガテンだ」というものを叩きつけた作品だと思う。そして、この路線で正統進化したメガテンを妄想していたメガテニストは多かったと思う。
古い作品を下っていくにつれ、今まで厄介だなと思っていた古参ファンの気持ちが痛いくらいわかる。最近のメガテンは〜と続けたくなる気持ちは痛いくらいにわかる。
ただ、僕は分断を望まない。
シリーズの展望をただ楽しむだけに留めておくとする。
現に真3は最高だったし、真VVもかなりの傑作だった。
その代わり、大きな声で言い続けよう。
「メガテン2は最高だ」
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