この国は豊かになる
妙に太っていて、ブスッとした男が歩いている。男はパーマをかけて紺色のスーツを着ている。パーマが盛り上がり過ぎて、ブロッコリーのような頭になっている。
男はニセ漢方薬の訪問販売で捕まって、警察署に入るところだ。
「私は絶対に悪くない。絶対に悪くない……な、なぜ?私は逮捕されるの?!イヤだ〜。え〜っ。………ねえ、警察の人!あなたは、ハリウッドスターです。私と友達になろう」
と警察の人間に声をかけた。警察は返答せず、無視した。
「私の話を聞いてください!私は誰よりも純粋です。本当ですよ?!はあっ!?………フフフフ、私は孤独だ。淋しい存在だ。言葉、返してください!!!な………なぜ?」
男は、そこにいないんじゃないかと思われるほど、警察に無視され続けた。
男は一年後、家にいた。
警察に対して怨みの炎が燃え上がっていて、自分でも消せなかった。
男はバキュームカーを盗んで乗り回し、警視庁正面入口に向かった。
「これが俺だ。まいったか」
糞尿をぶちまけようとホースを向けたが、何も出てこなかった。男は自分で自分をやり込めた。あえぎ声を上げながらクソをもらし、お掘りにバキュームカーでダイブした。
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