中島中
LOVE
警察官がパトカーと間違えてバキュームカーに乗り込み、明死製菓のワクチン工場に突っ込んだ。 工場は炎に包まれ、警察官は素早くドアを開けて外へ出た。「俺は治安を守るために来た!!敵はどこだ!!」と絶叫して、たまたま現れた明死製菓の経営陣20人を、「ワクチン作るな!!駄菓子のみ作れ!!」と吠えて銃殺した。 スキップして、口笛を吹いて、最寄りの地下鉄を利用してとっとと帰った。 帰路の途中、ひたすら奇行を重ねたが、逮捕されなかった。 自分の仕事が嫌になって、依願退職したかった
岸田文弥は35歳になった。自分は天才と信じて35まで突っ張って、疲れ果てて、生きる気力を失っていた。生気のない表情で「ウンチもれそう」とつぶやき、結局国会前でもらして、すがすがしい笑顔で建物をあとにした。 横断歩道のない、激しい車通りを笑顔のまま渡った。岸田文弥の背中にクラクションや罵声が飛んだ。 岸田文弥は大声で昔の歌謡曲をうたった。辺りにツバが飛んだ。うたいながら爆笑した。ツバがすべて自分の顔に貼りついた。岸田文弥の表情は暗くなり、英語で喋り出して、首を回すと首がか
ナルト人が寄り集まる◯◯県◯◯市に、現場主義の左翼主義者をもって任ずる崎宮が現れた。 「ナルト人差別を、許さん」と鼻息も荒く足取りも軽く、木刀片手に鋭い目をして差別主義者をさがした。 崎宮の眼には、ナルト人は中途半端な連中に見えた。よって、ナルト人襲撃に命をかけたいと誓った。 機関銃を裏ルートで仕入れて、女子供だろうが容赦なくタマをぶっ放し、ナルト人を殺した。崎宮は、害人を駆除した、と認識した。何だか腹が減って、韓国製の腕時計を見ると、八時十分が三時二分になり、五時五五
とうとう米国に原爆が投下された。米国は内戦が続き、南部地域の黒人大統領が赤いボタンを連射し続けた。合衆国のあちらこちらで、きのこ雲がこれでもかとばかりに上がって、地上は地獄になった。 これに気を良くした習ちん平は、ポテトチップを食べて、しばらく様子を見ることにした。某国が海の利権を押さえようとしていた。ちん平は、様子を見続けた。そのうちに、滅んだ米国から太平洋のシーレーンを奪取した。 あせったちん平は米国の実力者と言われるオゲ・レイツに連絡したが、間違えて北朝鮮にかけて
ボクは学校が全然面白くなくて、突然校舎から出て近くの駄菓子屋に入って、「おばさん!!ボクは友達がいません。有名になったら友達が出来るんですか?!教えて下さい。お願いします」と土下座してみた。 おばさんは優しくて、「ミネオちゃん、友達になりましょう。仲良くしてね」と言ってもらった。 ボクは大学を出て性転換手術をおこない、わたくしになった。 わたくしは、女性になって友達が増えるかも、と思ったけど、増えません。 わたくしは孤独な毒舌女として、そこそこ長生きしたいと思ってま
竹中屁い蔵が、派遣会社ババソナの入社式に全裸で登壇して、どうでもよい話を喋り散らかして心ある人に取り囲まれ、袋叩きにされたのは面白かった。 竹中屁い蔵は、国籍を変えて某国の大統領を目指していたが、「俺は目立ちたいんだ!!」 と街中で叫んで再び全裸になり、警察に捕まった。 全てをあきらめた竹中屁い蔵は、自宅の二畳半で穴だらけの畳にエロ本を並べて、酒盛りを開始した。50人ほど呼んだが、来たのは4人だった。3人は2分で帰り、1人は畳の穴に落ちた。竹中屁い蔵は、落ちた人を見て、
ナワとび大会が行われた。校内に全児童が集まり、全員でナワとびを開始した。 三年一組の太田千八は運動神経に自信があり、ナワに足を引っ掛けることもなく、勝ちあがった。 結局、グラウンドには二人の男が残り、睨み合い、一対一のナワとび対決で決着をつけなければならなくなった。 太陽が照りつける午後二時の息詰まる状況で、太田千八と二年二組のヒコちゃんはホイッスルの音であやとびを始めた。「うおおおおっ」と太田千八は張り切ってピョンピョンとび続ける。一方、ヒコちゃんは異常なまでに汗
ボク……後がないんです。今はアウトソーシング、というか日払い人夫のピンハネで食ってるけど、色んな人から脅されて髪が薄くなってます。ボクって自殺してしまいたいんですよね。 ボクって友達一人もいないんです。基本的に田舎者で、コンプレックスが強いんです。誰か、友達になって下さい。 海外で友達を作ることも考えてます。こんなチビでクソもらしのボクは………変わらなければいけませんね!!! しかし、人間って、変わった気になるだけで、悪い面は子供の頃からまったく変わらないのでは、とも
草むらの中から狸が顔を出して何かをうかがっている。獲物を見つけたのだろう、再び隠れて、それを竹中が笑みを浮かべて行方を目で追うが、見失ってしまった。竹中は経済学の権威と一部で崇められた男で、竹中自身もボクは優秀なオピニオンリーダーとうぬぼれている。そんな竹中に、某国より連絡があった。それは、竹中はもう利用価値が無く、色々と秘密も知っているので、今日殺害するとの物騒な予告だった。 竹中は驚いた顔で立ち上がり、何故ボクが殺されなければならないのか、泣きたい気持ちになった。かつ
私達世代は、すべてが駄目です。私達世代は、生きていて、面白くありません。 しかし、私達世代って、人数が多いと言うのもあって、友達は多いでしょう。しかし、友達はワクチンのおかげで次から次へと、地獄に堕ちています。 情けないことに、私達世代はテレビの情報を鵜呑みにして、全て正しいと信じ込み、馬鹿になりました。 馬鹿になれば、気持ちが楽になる。私達世代は、み〜んなラクラクです。 私達世代は、内心でそれぞれ暗くて自殺的な感性で生き、そして死にます。 私達世代って救われませ
忽那けんじが血を吐いて倒れ、「ボ……ボクも、終わりね……」とつぶやき、最後の力をふりしぼって投票所に向かった。 エレベーターで三階に上り、投票所入口で大量の血を吐いた。忽那けんじはまた何か小声でつぶやいた。 選挙立会人が、 「おたく大丈夫?」 と声をかけた。忽那けんじはまた血を吐いた。ふるえる手で候補者の名前を書き、一票を投じて、死んだ。 『大阪い死んの会』は、今回の総選挙で、全員落選した。忽那けんじが投票用紙に書いたのは、自分とよく似た飼い犬の名だった。
妙に太っていて、ブスッとした男が歩いている。男はパーマをかけて紺色のスーツを着ている。パーマが盛り上がり過ぎて、ブロッコリーのような頭になっている。 男はニセ漢方薬の訪問販売で捕まって、警察署に入るところだ。 「私は絶対に悪くない。絶対に悪くない……な、なぜ?私は逮捕されるの?!イヤだ〜。え〜っ。………ねえ、警察の人!あなたは、ハリウッドスターです。私と友達になろう」 と警察の人間に声をかけた。警察は返答せず、無視した。 「私の話を聞いてください!私は誰よりも純粋です。
俺は元気になった!めしがうまい!体から毒が抜けた!女房も喜んでいる!よーし、仕事するぞ! そう思った元っちゃんはハローワークに連絡して草刈りの仕事を紹介してもらった。 公園の雑草を刈った。青い空が広がって、とてもすがすがしい一日だった。 「働くのは、気分が良い。健康第一だね」 元っちゃんはしみじみ、そう感じた。そして、無農薬みかんをむいて食べた。 「う、うめえ………」 元っちゃんは幸福を噛みしめた。青空はどこまでも青だが、元っちゃんは限りなくイエローに近いピンクだっ
ボクは糞太郎だ。 ボクは、総理大臣になりたく……ない。 でも、脅されている。 恐い。 ボクが勝手に動いたら、家族もろとも殺される。 ウェ〜〜ン。 そんなことは、善良な国民には言えない。 今日、雑誌のインタビューを受ける予定だ。 泣きたくなるのをこらえて、国会に向かった。 インタビュー用の部屋で、坂上という人と向き合い、 「おう、何でも聞いてくれ」 とボクは格好つけて言った。 「何でも聞いていいんですか?」 「言った通りだ。構わないよ」 坂上は立ち
明死製菓のワクチン工場が炎に包まれて、機関車が怒った顔で社長の家に突っこんで破壊した。家がなくなったのを見て社長は吠えたが、、通り魔に刺し殺された。 後日、ワクチンは使用禁止になった。 怒れる国民は総理大臣の住む都心の家に押しかけて、お菓子のカールやタケノコの里を投げつけた。総理大臣の娘が偉そうに現れて、お菓子を投げつけられ、ナイフも飛んだ。娘は笑いながら逃げて、階段を降りる途中で滑って400段の階段を転がって、パンツが見えそうになったので必死の形相でスカートを押さえて
その夜、ちん五は学校に泊まった。校庭の真ん中にテントを張り、ランプを点けて寝ている。ふと目を覚まし、眼前に女の顔がせまっていた。 ちん五は驚いた。女は……消えていた。怖くなって外に出ると、二百人ぐらいの子供達がフォークダンスを踊っている。しかし、音は無い。 ちん五はあっけにとられたが、夢の続き、と判断した。 朝になり、ラジオ体操をしようと外に出て体を動かしていたら、ラジオから、「ハンバーガーを食うな、米を食え」と声が聞こえてちん五は、その日からパンを食わなくなった。全