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3年前の僕へ:あの上司の一言で人生がおもろくなるぞ!

「前例がない」から始まる挑戦

「前例がない」
この一言が、私の人生を大きく変えるきっかけになりました。

4年前の話です。当時、私は関東のとある中学校で教師をしていました。長女が生まれたばかりで、妻は初めての育児に苦戦し、心身ともに疲れ切っていました。日を追うごとに、言葉も刺々しくなりました。

「どうして私だけ家にいなきゃいけないの?
 あなたが育休とって交代してよ!」

(今思い返すと産後うつだったかもと、妻は当時を振り返ります。)
そんな妻を見て、育休を取って交代したいと考えるようになりました。しかし、校長に相談したところ、一言で一蹴されました。

「男性の育休は前例がない」

その瞬間、頭の中で何かが止まったような感覚になり、歯切れの悪い返事をして校長室を後にしました。制度として存在するのに、前例がないから認められない?理解できなくて言葉を失いましたが、冷静になると心の中ではアツいものが込み上げるのを感じました。

前例がないなら、創るしかない

諦める気はありませんでした。今でこそ、男性の育休取得率は二桁代になって市民権を得ていますが、当時は僕と同じような環境にいる新米パパが我慢する状況があったのかなと。
育児は母親だけが担うものではない時代になりました。いや、世間体とかはどうでも良くて、誰がなんと言おうと娘がめちゃくちゃ可愛い。もっと家族との時間を取りたい。
私が育休を取ることで「前例」を創れば、後に続く同僚や後輩たちがもっと気軽に育休を取れる環境が整うかもしれない。そう信じて、私は粘り強く交渉を続けました。

育休取得経験のある他県の先輩や、教員支援団体にも援助してもらいました。結果として、長女が生まれてから6カ月後、ようやく育休を取得することが認められました。

育休を通じて得たもの

頑張って取得した育休ですが、始まってからの日々は決して楽ではありませんでした。僕の育休取得と同時に、妻は社会復帰しました。いわゆる『ワンオペ育児』生活を送りました。夜泣きで何度も起こされ、オムツ替えや家事、育児に追われる毎日。それでも、子どもの成長を間近で見守る喜び、妻と協力して乗り越える充実感は、何にも代えがたいものでした。

この経験を通じて、自分がいかに育児や家事の大変さを理解していなかったかを痛感しました。復職後は、育休で得た気づきを他の同僚や後輩たちに共有するようになりました。

あの言葉が私を動かした

振り返ると、「前例がない」という言葉は、当時の私にとって壁のように感じられました。しかし、それがあったからこそ、私はその壁を乗り越えるために動き出すことができました。今ではその経験が、私自身の成長につながったと確信しています。

何をやるにしても初めてのことは、前例はないです(当たり前か)。先人達が、勇気を出して「えいやーっ」と前例を創った集大成が今の社会です。そんところで私たちは生きています。
新しい道を切り開いてくれた先人達の偉大さを体感したとともに、社会を創っているという当事者意識が強まりました。これからも楽しみながら「前例」を創っていきます。

しかし人生の転機というのは、時に思いがけない形でやってくるものですね。皆さんも今、転機真っ只中かもしれないですよ!

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