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ワークショップとファシリテーションAtoZ

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ワークショップとは何か?ファシリテーションとは何か?上達する方法はあるのか?経験と知識から体系的に書いています(連載中)
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2020年5月の記事一覧

18-対人関係のスキル①「聴く」

ファシリテーターがよく口にする「場をみる」とは何か。私は「同時多発的に出てくる一人一人の意見・反応・雰囲気を的確にキャッチすること」と理解している。ファシリテーターとして場に立っていると不思議と全体を包む空気感というか雰囲気が出てきたり変化することに気づける。それはきっと、一人一人の意見・反応・雰囲気の集合体が形成するのだと思う。個人的な所感であるが、数名であれば「場をみる」といった表現はしない。多分それは一人一人を細やかにキャッチしているからであろうが、10名以上になってく

19-対人関係の基本スキル②「訊く」

前回は「場をみる力」の前段である1対1の対人スキル「聴く」に関して述べたが、今回は「訊く」について触れたい。『ファシリテーション入門』で堀が「傾聴で話を受け止めたなら、質問を使って話を深めていきます」と述べるように「訊く=質問」と捉え直し、質問の力や、質問によってどのような言葉を引き出すのか、ということに触れていきたい。 ・質問の目的そもそも人は相手が語る言葉を「情報(コンテンツ)」レベルで受け止めて終わることが多い。「トマトが好き」と語る人がいたとしても、受け手の多くは「

20-対人関係の基本スキル③「観る」

「場をみる力」の前段である1対1の対人スキル「聴く・訊く・観る・応じる」。対人関係の基本スキルについて述べていると「カウンセリングやコーチングでも傾聴や訊き方はやっているが、大勢を一同にという場面ではどうするの?進行的に何を取捨して、一人も全体も同時に大事にするコツやポイントのようなものってあります?」と言われる。それに関していえば、圧倒的に「観る」から判断することが多くなる。5感の中でも視覚の情報処理は約80%を占めるとも言われるように、言語化が追いつかないほどのエッセンス