走圏の妙味〜「U字形」
走圏のコアに、螺旋を描きながら接近している…。
④U字形
人体は前がバックリ真っ二つに開いているが、後ろは背骨でかろうじて閉じている。
つまり人間は、真上から見ると「U字形」をしている。
ここが非常に重要なポイントになる。
バックリを閉じようとして、U字の上の開口部を閉じる。これもひとつの手。
しかしそうすると、手からの出力が必ず斜めになる。無駄・漏れが生じる。
ではどうするか。
手について「U字形のまま前進する」というパラダイムシフトを実現したのが意拳であろうか。
そして足については、多くの拳種で「U字形の形に沿って、まっすぐ歩を進める」ことを良しとしているのではないかと思う。
八卦掌走圏では二重円の上を歩くが、足の出し方としては「U字形の形に沿って足を出す」ことは変わらない。
⑤身体をバラバラにしてはならない
当たり前ではあるが、習慣化した動作の中に、昔のままのバラバラ身体が残っている可能性がある。
例えばスワイショウ。私自身これを「でんでん太鼓のように腕を体に巻きつける」と教えてしまっていたが、この表現ではだめだと気づいたのが割と最近。
スワイショウの際、遠心力に任せて腕を振り回してはならない。そういうやり方だと身体がバラバラになる。腕を振り回しながらも、肩・肘・手首・指先にしっかり注目を続け、腕をはじめとした身体を「掴まえ続ける」必要がある。
走圏も「歩き」という日常の中で習慣化・固定化しやすい動作を扱っているので、走圏時には自分の身体を「掴まえ続け」、安易な動かし方をやって身体がバラバラにならないよう、常時一歩ごとに自分の歩を見直す「新たな習慣」を作るべきだ。
「走圏の妙味」の話、まだ続きます^^