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「眼球に触れる練習」なんて、認めていいわけがない

(目突き・金的などが許容されている某スパー会に参加している参加者が、他のスパー会にて目突きを繰り返し、ケガをさせた件を受けて)

この件、もう絡みたくはないのだが…
健全な武術の発展のため、見過ごすわけにはいくまい。

「眼球に触れる練習」なんて、認めていいわけがない。

例えば銃の練習ならば、的を撃ったり、BB弾で模擬戦をやれば十分だ。
生身の人間を実弾で撃たなければ練習にならない、などという理屈は認められない。

私も、必要に応じて穿掌や弾脚を指導している。

穿掌を使うためには、まず硬いものを指で突くことができる掌の作り方が重要で、それができれば、万一の際に目を突くことなど造作もない。
稽古で本当に目を突く必要はゼロである。

弾脚の指導は、私がファウルカップをつけ、相手に打ってもらう。

金的蹴りもポイントがあり、練習したことがないとポイントを外す恐れがあるので一度はこのような指導をするが、一度やれば型(套路)の意味がわかり、以後間違いなくできるようになるので、二度やる必要はない。

(これはファウルカップをつけていても結構な衝撃なので、二度はやりたくない😅)

眼球や金的は、かすっただけでも効く急所である。
それがわかっていれば、実際に突くためのポイントを練習しておけば十分であって、スパー会のような場で毎回目突き金的をやらせるのは、あまりにもリスクが高すぎる。

再度拙稿を紹介させていただくが、「自らの行為の行く末まで見通すところまでが武術である」。

武術経験者が他人の目を突いて失明させた場合、どのような事態になるか想像できているか。
民事訴訟。ニュース報道。信用失墜。
もちろん主催者も同様の責任を問われる。

現状はまだ「ヒヤリハット」で済んでいる状態だ。
「ここで引き返せ」という天啓である。
これは僥倖だと受け止めなければならない。

「今までこれでやってて事故がないから」
「うちはこのスタイルだから」

天啓を受けてすらそれを無視するなら、さらに悪い事態が起こることになるだろう。

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