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月を見て考えたこと。

満月の夜に月を見た。
その時、僕は「表象」という言葉について考えていた。
僕は塾の先生で「表象」をどのように受講生に伝えようか腐心していた。僕なりの「表象」の説明は簡単に言うと1人1人が見ている世界は全く違う。なぜなら、他人だからお互いの気持ちなどは永遠にわからないから、と思っている。

そう考えるとあるSNSで「月」について満月の夜にみんなが投稿していても各々感じていることや考えていることはバラバラだとハッとした。

美しいと感じるものもグロテスクと感じるのも自由で、人によって感じ方は様々でそれが世界を作っていて、「表象」で考えれば、僕の世界は僕だけのもので誰にも理解されないし、だれの世界もわからないものだ。それも全ての人がそうだ。

世界は分断されている。どこまでも寄り添おうと優しい言葉や温かい言葉を並べても世界は分断されている。その言葉の真意を真の意味で知ることはできない。

例えば「犬」という言葉を今書いてそれを誰かが読んで頭の中に浮かぶイメージはバラバラだ。

ならば「平和」とか「優しさ」とか「愛」とかもっとバラバラだ。

世界は分断されている。どんなに優しくしても。でも分断を受け入れよう。分断を包摂しよう。多分、優しさとはそういうことだと思う。

分断に分断を重ねてたくさんの世界はあって、たくさんの月が世界中に咲き乱れて意見がバラバラで関係は修復不可能な方を望む。志の低いテレビドラマのようにハッピーエンドなどない。意見は多様だ。平和も多様だ。

だから分断し続けよう。そして包摂しよう。

痛い。きつい。だからタフになる必要がある。

月を見て綺麗だと思う。そんな僕を分断してほしい。あなたはどんな感想を持ちましたか。それが聞きたいし知りたい。

分断されても理解したい。分断と包摂を繰り返していきたい。

多分、それこそが優しさだと思うから。

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