菌床しい茸日記②
「わー、めっちゃ生えてきた!」
我が家では、にわか菌床しい茸ブームだ。子供たちも興味津々で毎日霧吹きで水をあげてくれたこともあり、菌床しい茸は、意外にも速く成長を見せてくれた。特に、上面発生といって袋を全て取らずに上面だけを空気にさらした方法は、十~十五センチくらいの大きなしい茸が六つ、菌床の袋を開封してから一週間で収穫できた(上部写真参照。上から順に一日目、三日目、六日目)。通常であれば、冬場に菌を植え付け、九月くらいまで成熟させ発生させるところだが、発生開始が十一月と、少し熟成させ過ぎているので心配であった。僕たちの心配をよそに、菌床しい茸はしっかりと収穫することができた。
一方、菌床の袋を全てはぎ取ってしまった全面発生法の菌床はほとんど前半生えてこなかった(下部写真参照。下から順に一日目、六日目)。
「上下反対にしちゃったのがダメだったかなぁ」
と妻が心配していたが、確かに袋をはぎ取った後、それまで上面だった方を下にしてしまったことが発生に影響してしまったのかもしれない。ただ、『天地返し』という生育方法が原木しい茸にもあり、原木の上下を反対にすることが刺激となり、しい茸の発生に良い影響を与える事もあるので、少し待ってみた。
そうすると、かなりの細かいしい茸の芽が一気に出てきた。上面だけでなく、側面からもたくさんの小さい芽が出てきている。こちらはもう少し発生を見守ってみよう。
今週は、上面発生の菌床からはしい茸が収穫できる状態になったので、子供たちと一緒に収穫し、料理を作ることに。
「どうやって採るの??」
これまで原木しい茸しか収穫したことがなかったので、子供たちもどうやって採っていいのか分からない。
「しい茸の軸も売ってるものよりも硬くて、香りも強い気がするー」
採ってみると、軸がしっかりしていることに子供たちが驚いていた。通常菌床しい茸は、軸が柔らかく軸まで食べられるものが多いが、今回の菌の種類がそうなのか、原木と同じ木から発生した『おが屑』を使用しているからなのか、軸は確かにぎっしりと身の詰まった状態で硬かった。また、切ってみると傘の部分はしっかりと肉厚で、香りもしっかりとしい茸の香りがした。
しい茸といえば、やはりグリルが良いという事で、グリルパンで焦げ目をつけて、サラダにトッピングすることに。
「んー!意外といけるよ」
子供たちは、喜んで食べてくれた。
「私、菌床の独特の香りって苦手だけど、原木っぽい香りがして美味しい」
菌床しい茸があまり好きでない、妻も香りも歯ごたえもしっかりしていて美味しかったとコメントしていた。香りは、原木ほどないものの肉厚の立派なしい茸がまずは採れた。子供たちも発生する過程を喜んでみていたし、しい茸嫌いのノブも発生したものを収穫したという体験も併せて、喜んで食べていた。
今週はここまでだが、全面発生の菌床もしっかりと細かい芽が発生して生きている。どういった差になるのか、楽しみにしながら生育を見守りたい。菌床しい茸日記③に続く…