2020年 45冊目『ソフトウエアファースト』
タイトル通り、あなたの会社を「ソフトウエアファースト」にしませんか?
という本です。
そうできたら、これから成長できますよ。
という事です。
後半の3章、4章が素晴らしいですね。
3章がソフトウエアファーストの実践に必要な変革
4章がこれからの強い開発組織を考える
3章では
現在バズワードにもなっているDXの本質を整理します。
それは「ITを手の内化」することとです。
それをネットフリックスとブロックバスターの対比で説明します。
それぞれのポジションでの役割を説明します。
加えてプロダクト企画、方針の作り方の処方箋が載っています。
そして作って終わりではなく、リリース後の運用を最初から考える(いわゆるDevOps)にすべきだと説きます。
そしてこの重要な仕事の進め方に合わせて組織を変えるべきだと言っています。
4章では、
開発を外注する問題点と、外注しても良い場合を整理しています。
これは、かつてリクルートテクノロジーズで整理した話と類似ですね。
そして、開発委だけが開発するのではなく、全員がプロダクト志向になる重要性を説明します。
開発組織を整備するステップについて説き、採用の仕方を説明します。
私がよくアドバイスする最初の1名の重要性についても触れています。
リクルートでかつて経営陣から要望されたこと、それを受けて考えた事がまとまっている感じで、嬉しかったですね
残念なのは1章と2章です。
これは事前知識の多寡により評価が分かれるかもしれませんが、ソフトウエアファーストの必要性とこの20年、日本が負けた課題と処方箋(ソフトウエアファースト)について説明しています。
人によっては、うーん、分かっているけれどと思う内容かもしれません。
私は途中で挫折しそうになりました。
3章意向が面白いだけに、もっとコンパクトにすればよいのにと感じました。
5章は個人がソフトウエアファーストなキャリアを得るための処方箋が書いています。
3章にあった有名なエピソードも良い感じでした。
アマゾンの「プレスリリース駆動開発」です。
新規プロダクトの開発やサービス提案をする時、プレスリリースを書くことから求められるのです。
私も調査アンケートを決める際にリリース資料や報告資料を先に作るようにアドバイスします。
どちらもG-POP(逆算思考:ゴールから逆算して準備する)という話です。
あるいは10枚のスライドで基本方針を説明するインセプションデッキも取り上げています。
1われわれはなぜここにいるのか
2エレベータピッチ
3パッケージデザイン←箱のデザイン、広告
4やらないことリスト
5ご近所さんを探せ←ステークホルダー
6解決案を描く
7夜も眠れない問題←最も心配な事
8期間を見極める←スケジュールとマイルストーン
9何を諦めるのか←トレードオフスライダー(スコープ、予算、スケジュール、品質)
10何がどれだけ必要か←主に人員
売れているのが分かります。