2020年 47冊目『稲盛和夫の実学 経営と会計』
薄い本ですが、深い本です。
私、少し自慢ですが、リクルートの管理会計の刷新プロジェクトのプロマネをしたことがあります。
経営の提言という制度があり、それで管理会計を変えるべきだと提案し、認められて社長直轄で常務がオーナのプロジェクトに異動しました。
ですので、管理会計の事も稲盛さんのアメーバ経営も分かっているつもりでした。
しかし、人は必要なものしか見ていませんね。
当時のリクルートは営業利益を最大化したいタイミングでした。
大きな借金があり、銀行団に本業で稼げるという事を見せ続ける必要がありました。だから営業利益までが管理会計の範囲でした。
だから特別利益だとか損失だとかは事業側の管理会計で評価対象外にしていました。しかし、アメーバだと、それも売上や費用として見るのです。
いやー本当の会社と同じだと思いました。
もちろん、同じところもあります。
例えば利益=売上ー費用です。
利益を増やすためには、売上を上げて、費用を下げる。
しかし、売上が増えると費用は増えると盲目的に思っている人も少なくないですね。
それを売上は上がっても、費用を下げる、せめて同じにできないか考えることが重要だとあります。
全く同じ発想です。
たとえ話も上手ですね。
土俵の真ん中で相撲を取る。
松下幸之助さんのダム経営のように一定の資金を常に持っておくことが重要だという事です。
どうやったらできるかは、わからないけれど、それが大事だという事を分かっていることが大事だとあります。
全く同感です。
一対一対応の原則も重要ですね。
伝票とモノ(お金)が一対一で対応できる状態が重要だという事です。
稲盛さんのキャッシュフロー経営と双璧の重要な考え方ですね。
筋肉質の経営になるために、中古品で我慢するも素晴らしいですね。
固定費の増加に注視するってのも王道中の王道ですね。
ダブルチェックは会社と人を守るってのもそうですね。
正しいダブルチェックをすれば、人が悪いことをしようと思えなくなりますね。
アメーバのいわゆる売上げを総生産(ネット生産高)と呼んでいますが、これは社外売上、社内売上、社内買の合計になります。
リクルートでもそうでしたが、社外売上の方が重要視されていました。
アメーバ経営では、社内外関係なく、同じに扱うのですね。
原価も独自の原価方法なんですよね。
より実態に近い形で原価を見るわけです。
償却期間も実態に近くしているのは凄いなって思います。
最後に盛和塾の塾生からの質問と回答があります。
これなかなか本質的な回答で、これ読むだけでも学びになりますね。
さすがです。