2022年 23冊目 『孫子』
中国最古の兵書である「孫子」。
この本は、現実的な戦術に深い思想的裏付けが加わり、戦争一般、さらには人生の問題としても参考になります。
孫子に加えて呉子、司馬法、うつりょうし、りえいこうもんたい、黄石公三略、りくとうを兵書の代表として七書と呼ぶそうですが、その代表が孫子です。
それは時代や地域性を超える広い普遍性があるからです。
孫子の作者は呉王に仕えた孫武(前500年ごろ)あるいはその孫子学派が伝承してきたものであると考えられています。
13篇からなり
1計篇は、戦争の前によく熟慮べきこと
2作戦篇は、戦争前の軍費、動員補充などの計画のこと
3謀攻篇は、戦わずして勝つ方法のこと
4形篇は、攻守の体制について
5勢篇は、軍の勢いについて
6虚実篇は、戦争の主導性の把握について
7-11 軍争、九変、行軍、地形、九地は、実戦にあたっての戦術
12火攻篇は、火攻め
13用間篇は、スパイについて
全体の特徴としては、好戦的ではないという事です。
百戦百勝は善の善なるものに非ざるなり。戦わずして人の兵を屈するは善の善なる者なり。
開戦する際も、慎重な熟慮のもとに十分な勝算をたてて初めてたたかうべきことを述べているのです。
戦う場合も、主導性を把握することの重要性が繰り返して強調されています。
偶然なのですが、このタイミングで読んで良かったです。