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2015年95冊目「ピーターの法則 創造的無能のすすめ」

帯に、禁断の真実を暴く、階層社会学の奇書。無能の壁があなたに迫る!とあります。怖いですね。友人がFBにアップしていたのに興味を持って手に取りました。

メンバー、マネジャー、部長、事業部長、取締役、社長と出世の階段があるとします。一般的に、メンバーとして能力を発揮したので、次の階段であるマネジャーになる事が多いです。次のマネジャーから部長も同じでしょう。それ以降も同じですね。何を当たり前のことを言っているのだ?と思われるかもしれません。

しかし、メンバーとして必要な能力とマネジャーに必要な能力は異なります。つまり、1つ下の階段で能力を発揮できても、1つ階段が上がったポジションでは能力を発揮できない可能性があります。これはどこの階段の間でも起こることです。

1つ上の階段に上がって、そこで必要な能力を発揮できなかった人は、その階段で滞留します。つまり、本来、その階段にいてはいけない人がその階段の仕事をし続けることになります。1つ下の階段では能力を発揮し、優秀であると評価されていた人物が1つ上の階段では、無能になってしまうのです。そのような例はたくさんありますよね。帯の「無能の壁」があなたに迫る!と言うのは、この構造の事を言っています。

人は、昇進し続けて、自分が能力を発揮できないところまで行って、滞留する。と言うのが、ピーターの法則です。

これが、政府や官公庁のの無駄遣い、民間企業の低い生産性、政治家の変な判断の根源だと言うことです。

確かに、思い当たることがありますね。我が国の総理大臣でも、おそらく首長、それも人の顔が見られる規模であれば名村長であったろうにと言う方がいます。そんな話ですね。

自分自身もドキドキします。

民間企業でも同じです。人事が新人の適性を判断して配属します。適性が5つあり、一番能力が発揮できそうな適性が必要な職種に配属したとします。そこで能力を発揮し、昇進の階段を1つ上がると、適性が2番目以降のものが必要になるポジションになるのです。

階段を上るに従い、能力を発揮できない可能性が上昇します。この本は、能力を発揮できている状況で階段を上るのを止めること勧めているのです。

無能をさらけ出すポジションまで上がると、体調を壊したり、心が病んだり、家族や友人関係を悪くしてしまいます。それを避けましょうと言っています。

目から鱗の本です。

▼前回のブックレビューです。

▼PIVOTに出演しました。よかったらご覧ください。  


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