2023年 40冊目『弱いロボット』
先日大人の遠足で豊橋に行きました。
その際に豊橋技術大学にお邪魔したのですが、それの事前勉強でこの『弱いロボット』について知りました。
その本です。
弱いロボットは、いわゆる私たちが頭に思い浮かべる、よくできるロボットではないのです。
人と共生するロボットなのです。
きっかけは岡田教授がロボットのプロトタイプをもって幼稚園に行ったことでした。
ロボットがうまく作動しなかったのです。
動けなくて困っているロボットを見た子供たちが、そのロボットを持ち上げて動かしてあげたのです。
子供たちも嬉しそうで、ロボットも喜んで見えたのです。
これが「弱いロボット」誕生のきっかけだったのです。
それを現地で見ることができたので、本の中身がすごく入ってきました。
手足もなく、目の前のモノが取れないのなら、誰かに取ってもらえばいいのか
こんな捨て鉢ともいえる発想で作られたロボットは世の中にないのではないか。
ポイントは1人では動こうにも動けないという
自分の身体に備わる不完全さを悟りつつ
他者に委ねる姿勢を持てるかどうか
つまり、他者へのまなざしを持てるかどうかということだろう
とあります。
例えばゴミ箱ロボット
青と赤のゴミ箱にタイヤがついたロボットがいます。
身体を揺らしながら、足元にじゃれついてくるのです。
「ごみを入れてください」と言いそうなのですが、何も言わないのです。
でもかわいいのでごみを拾って入れてしまうのです。
すると、ゴミ箱ロボットが動いて喜ぶのです。
すると、また入れたくなるのです。
ロボット3人が小声で何かしゃべっています。
なんか楽しそうです。
時々わからないことが出てきます。
教えてあげると動きを変えて喜んでくれます。
彼らとコミュニケーションしたくなります。
チラシ配りロボットもそうです。
片手だけあるロボットで、片手でチラシを渡します。
取ると、ロボットが喜ぶのです。
ついつい取ってしまいます。
これは、コロナになりチラシ配布ではなく、アルコール噴霧に役目が変わっていました。
これも気持ちよくアルコール消毒に協力しそうです。
どれも機能的ではないのです。
でも、かわいくて一緒にいたくなるのです。
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