見出し画像

2025/01振り返り | Totalitarianism and geopolitics

2025年始まりの1ヶ月。
終わったら始まる。

内に向けていたパワーを外へ放出した1ヶ月だった。

感覚を確かめるような、鏡のほこりを拭って自分のつらを他人事のように眺めるような。
何者でもない私の、何者になるわけでもない、ただ自己満足の質を高めるこの人生の歩みを、止めぬようにその足先の接地感を信じて進んだ。

なんだっていいんだけど、手の届く範囲の幸せはたしかなものにしたい。
ただそれだけなのかもしれない。


飲み会の代替案としての朝ラン。

飲み会の代替案としての朝ランを定期的にしている。
友達と、家の中間地点あたりで集合して、走ってから喫茶店でモーニングして帰るという健康的なアソビ。

走ることによる数値的な目標から遠ざかって、より生活に近いところで楽しむようになった。
ポジティブに言うと一皮剥けた。

競技として取り組むフェーズを緩やかに終え、これから先は趣味として向き合える気がしている。

まあそんな感じで、土日の朝に友達とサシで朝9時頃から走ったりコーヒーを飲んだりしている。
めちゃくちゃ楽しい。

20代のうちに凝縮しすぎたせいか、居酒屋でのトークというものに飽きを感じてきてしまったのかもしれない。
居酒屋の雰囲気や酒を飲むことでしか口を開けないようなことに価値を感じなくなってきてしまった。

等身大の、自然体の、風のような会話を楽しみたい。
身体を動かしながら友達と話すのってめちゃくちゃ楽しいんだぜ。


久々の旅行へ。

青森県八戸市へ行った。

どこかにビューーン!というJR東日本のサービスを使った。
これに関しては個別記事で旅行記を書こうと思う。

東北地方はあまり行ったことがなかったし、冬に行くのは初めてのことだったので新鮮で楽しかった。

宿泊先から程近い小料理屋で地のものに舌鼓を打ち、温泉に計3回浸かる。
これでいいというよりは、これがいい。

生うに。たっぷり。

滞在時間は24時間を切るくらいだったが、大満足の旅行だった。


観た映画。

昨年末に観た映画を記録できていなかったので、年を跨いで今回の振り返りでまとめて紹介しておきたい。


溺れる魚

ザ・2000年代の傑作だった。
池袋ウエストゲートパークの翌年、2001年公開の映画。
その納得感たるや。

窪塚にしか演じられないであろう独特なキャラクターと、様々な濃すぎる豪華出演陣たち。

こういっては失礼だが、ストーリーなんておまけでいい。
大乱闘スマッシュブラザーズみたいな痛快な作品だった。


ルックバック

あと5分長かったら涙を流してしまっていただろう。
年末。長期休暇の序盤にAmazonプライムビデオで観た。

青春。
何かに打ち込んでいる人や、打ち込みたい何かがある人にはぜひ観てもらいたい。
何かに打ち込んでいた人、も。


はたらく細胞

自分や周りの人の身体を気遣いたくなるいい機会を与えてくれた映画だった。

ルックバックは泣かずに済んだけど、これは午前中の映画館で7回くらい泣いた。
もうボロボロ。


PERFECT DAYS

とんでもなくよかった。

幸せを感じること、悲しいことに向き合うこと。
全部ひっくるめて生きていくこと。

感銘を受けてロケ地巡りランをした。

電気風呂はないらしい。
ここのシーン、よかったなあ。

どうすればよかったか?

誰がどうすればよかったか。
どうすれば誰のためによかったか。
どうすれば何がよかったか。
何をどうすればよかったか。

どうすればよかったか?

統合失調症の姉を持つ、実の弟による家族のドキュメンタリー。

絶妙なバランスで形を成している家族。
そう、形を成してしまっていたのだ。

完全に崩壊していたら、それはそれでよかったのかもしれない。
世間体、認められない弱さ、中途半端な優しさ、そして厳しさ。
崩壊しない調合をしてしまっていたこの家族。

どうすればよかったのか。年始から考えさせられた。


読んだ本。

イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」 | 安宅和人

今年一冊目はこちらから。
本屋で何度も見かけては、「読むのは面倒だな。」と思って素通りしていた本。

脱「犬の道」というワードは心に残った。
顧客向けに提案書を書くときも犬の道を辿ってしまうと、不要な時間をかけて見当違いの資料が出来上がってしまう。
長く走れるようにための走トレーニングで、高負荷のスプリントを連発してしまっても怪我をして遠回りになってしまう。

近道はなくても、遠回りをしない選択はできる。

スタンスをとる・一次情報を取りに行く、といったことについても仕事で重視していることだったので、自己啓発本としてよくできた良書だと思う。


動物農場 | ジョージ・オーウェル

ジョージ・オーウェル作品は1984を去年読んで、これで二作目。
面白かったー!

1984の鬼気迫る描写もよかったが、 動物農場の少々滑稽な動物共和国もとてもよかった。

全体主義への痛烈な批判をするという点では1984と共通しているが、光の当て方や、登場人物たちの違いによってここまでバリエーションを出せるのは単純に感動した。

SF小説の言い回しはどうしても回りくどかったり、文量が多すぎたりして活字では読むのは根気が要るが、Audibleとの相性はすこぶるいい。

Audibleの紹介リンクは↑こちら。
SF小説を読みたい人にイチオシ。


新しい地政学 | 北岡伸一 細谷雄一

表面的な知識として持っていた分かりやすい部分の地政学をもとに、本書で背景・根源的な問題の一部を知ることが出来た。

章立てが見事なこともあり、詳しくない私も置いてけぼりにならず、入り込むことが出来た。

中東・ロシアといったニュースでお馴染みの諸問題を抱える各国の背景を知ることができたので、今後はニュースや世界動向を単一的に知るだけではなく、それらが意味する世界のこれからをもう少し深く理解できるようになるような気がしている。

やはりこの手の知識はあるに越したことはない。
国境は人間にしか見えないし、日本という島国では大陸上に引かれた国境というものが縁遠いものとして存在している。
しかし、世界ではたくさんの人々が国境を意識して過ごしているのだろう。
それを頭の片隅に置きながら日々を過ごしていくだけで、変わる何かもあるのだろう。


サイバースペースの地政学 | 小宮山功一朗 小泉悠

新しい地政学からの続きで、サイバースペースの地政学についても学んでみた。
我ながらナイスチョイス。

SF小説「ニューロマンサー」を随所で引用し、フィクションと現実を行き来しながら、現実世界のサイバースペースについて様々観点から知見を与えてくれる。

ロシアのウクライナ侵攻という、現在進行形の戦争で用いられているサイバースペースの地政学についても解説してくれたため、ニュースでたびたび報じられているドローンによる交戦に対する解像度も上がった。

ITを生業としているが、この本を読むまでエストニアがIT大国であることを知らなかった。
Skypeってエストニア産なのね。
そういえばZABBIXは隣のラトビア産だ。
バルト3国がIT先進国であることは、背景を含めてこの本で理解できた。

最終章で語られていた、IT技術の発展とアダルトコンテンツは切っても切れない関係という話とその歴史も面白かった。


生きのびるための事務 | 坂口恭平

去年読んで、紹介しそびれていた本。

ゴールから逆算して段取りをして、順を追って辿っていく。
それは具体的なプロジェクトだけの話だけではなく、生きることそのものについても同じなのではないか。そう思わせてくれる本だった。

当たり前のことを当たり前にしていくこと。
それが未来の自分を救ってくれること。

それらの答え合わせができたというか、やっぱりそうだよねと腹落ちした。

↑著者ご本人によるnote記事はこちら。


おわりに。

冬でもガリガリ動いて、春に備えていこう。
いつだって人が停滞してるときがチャンスだ。
ずる賢く、ちょっとずつ差をつけて、独走しよう。

4月に100kmのウルトラマラソン出るんだけど、未だに他人事。
未知への挑戦をちょくちょく交えていくと、日常のちょっとした挑戦が超イージーになるというライフハックを置いて、今回は終わりにしたいと思う。

28日しかない2月。
一日ずつ大切に、噛み締めて過ごそう。

いいなと思ったら応援しよう!

nakanoryo
よろしければサポートお願いします。励みになります。