【短編小説】 夢の中で蝶が舞う 【百合】
何度も不思議な夢を見る。
毎回風景は違うのだが、私はいつもどこかに一人立っている。
そこは草が生い茂る原っぱだったり、学校の校庭だったり、夢特有のなんにも存在しない真っ白な不思議な空間だったり…。
とにかく、いろんな場所に私は立っていて、しばらくするとそこに一匹の綺麗な蝶がどこからかふわりふわりとやって来る。蝶は、私の周りを幾度も幾度も舞い、やがて、口づけするかのように私の顔や身体のどこかにそっと止まるのである。
いつも、蝶がどこかに止まると、目がフッと醒めて、私の意識は現