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独立準備を手放そう。フリーランス起業も、「アジャイル開発」でいいんだから。


勤めていた会社の社長とケンカして勢いで退職し、フリーランス起業をしてから早1年が経った。

しかしこの1年で色んな人と出会ってきて気づいたのは、フリーランスになる人って私のような「会社なんて辞めてやらあ!」で独立したパターンの人も意外と少なくないんだなということ。


新卒から順調にキャリアを築いていって・自他共に認める経歴があって・仕事のパイプがあって・・・、、なんて綺麗な開業の仕方。

それはそれで羨ましいけれど、独立しているコーチも、ITベンチャーにいた頃にいた周りのフリーランスも、実際のところはそんな綺麗な独立をしている人なんてほとんどいないなぁと思っている。



政治戦争に負けて会社を追い出された人、パワハラやセクハラに屈するしかなかった人、人間関係に疲弊してしまった人、周囲の期待に応え続けて心を壊してしまった人、育児と仕事でいっぱいいっぱいになってしまった人。


色んな人がいるけれど、「そりゃ勝てるでしょ」っていうカードが揃わないうちに勢いでフリーランスになった人はとても多い。


新卒でリ●ルート→営業成績1位→ベンチャーへ転職→マネージャー経験→独立・・な~んて美術品のような経歴を持ってる人なんて、ほんの一部どころか霞のような存在で。

(語弊を恐れずに言えば、)もっとみんな地味で、濁り水の中を泳いできたような人たちばっかりだ。



カードを揃えないといけないのか


「私には、独立できるような経験がなくって」
「もっと勉強しなきゃいけなくて・・」
「今の私でお金をいただけるのか不安で・・」


よくそんなお悩みをいただく。


そんな時には「独立できる状態、って何だと思います?」って聞くんだけれど、その質問をしている張本人の私は(そんなの私にも分からんなあ・・)と思いながら聞いている。



独立できるような経験、独立できるような実績。

みんな、”それがあれば”、独立ができるとか食べていくことができると思っているのかもしれない。



でも私は、カードを揃えるための「独立準備」をオススメしない。


真面目な人は、セミナーに通ったり、勉強会に出たり、たくさん資格を取ったり、起業塾へ通ったり、モニターを募集したりして、”完全な自分をつくる準備”をついついしてしまう。


知識があれば成功する
資格があれば成功する
練習させてもらえれば成功する

そこには何のロジックもないのに、「それっぽいカード」をあつめるためにみんな必死になってしまう。



失敗も成功もない、気持ちのいい「カードを増やす作業」


しかし、私はそんな「カード」を揃えれば揃えるほど、起業や独立は苦しくなっていくのではないかと思う。


仮に独立前の私が、大企業勤めで、コーチングのすんごい資格を持っていて、モニター実績もたくさんあって、知名度もあってフォロワー数も多くて、起業塾で万全にコンサルを受けてきて、な状態だったとしたら。


失敗できない。

と思ってしまったんじゃないか、と思う。




人間はカードの量が増えれば増えるほど、失敗を見せられなくなる。おそらく、カードが増えれば増えるほど、「上手くいかなかったらどうしよう」も積もっていく。


自信よりもプレッシャーが積もる。これだけお金も時間もかけてきたのだから失敗できない、という気持ちだけが折り重なる。そして、失敗することがめちゃくちゃに怖くなる。


だから、失敗も成功もない、気持ちのいい「カードを増やす作業」に引き戻されてしまう。



確かに、
勉強をしている間は、準備をしている間は、気持ちが良い。

応援されて、仲間がいて、夢中になれて。そのチャレンジを否定する人はきっと少ない。


でも本当は、あなたはただ気持ちよくなるためにカード増やしをしたい訳じゃない。本当は、独立をしたくて、独立をするためにもがいているだけだよね。


ならば、「もがき方」を変えてみないかい?って話で。



フリーランス起業も、「アジャイル開発」でいいんじゃなかろうか



昨日旦那さんとニュースを見ていたら、「アジャイル開発」という言葉が出てきた。

どっかのIT会社がアジャイル開発を取り入れたから顧客のプロジェクトが早く進みだして云々・・・なんて、どうもお偉いコンサルの人がふんふん話している。



アジャイル開発なんて言葉、普通に生きてたらIT領域に明るい人しか分からないと思うので、「アジャイル開発って分かる?」と聞いてみたら、案の定旦那さんからは何それ?と返ってきたので説明をした。



アジャイル開発っていうのはソフトウェアの開発手法のようなものなんだけれど、超雑に言えば

「出来た機能から順次リリースしてくから、お客さんは出来てるモノから使ってや」

「仕様変更は大前提よ。だけど良いものつくってくんで、そこんとこよろ」

というものだ。

(雑すぎて関係各所から怒られそうだけど大体合ってる)


つまり、骨子と重要な機能だけある程度出来上がっていれば、完成品じゃなくてもお客さんへサービスの提供開始ができちゃうということ。まずは使ってみてよ、これから良いものどんどん出してくからさ!というスタンスだ。



そんな風に旦那さんに説明をしながら、このアジャイル開発ってフリーランス起業にも言えるよなあ・・とふと思った。


「ワイはこうゆうサービス売るんや!」と旗を立て、とりあえず値段をつけて世の中に出してみる。サービスに共感してくれる人をつくるために、とにかく自分の想いを発信で語る。語りつくす。


売れてから、必死こいてクライアントのために良いサービスをつくっていく。強い信頼関係の中からフィードバックをもらって、どんどん改良をしていく。私はそんな売り方もアリだと思う。


もちろん、それはきっとみんなからハナマルを貰えるような完璧なサービスではない。


それでも、未完成品でも「あなたの売っているものが欲しい」「あなたのサービスを受けたい」と言ってくれる人はいる。


私はそうやってクライアントさんに出会ってきた。

「あなたの初めてのクライアントになりたいです」と言ってくださった方もいる。そうゆう世界なのだ。




商品設計に終わりはないよ


私がこれまでの発信でずっと「商品設計が大事だよ」と伝えてきたからか、商品設計がうまく固まらなくて・・・形にならなくて・・・と相談をしてくれる人がいるけれど、そうじゃない。


商品設計なんて終わりはなくて、し続けるものなんだ。


完璧な商品設計なんてない。
考え続ける。改良し続ける。それが前提だと思っていてほしい。


私たちのような「自分自身が商品」な仕事なんて、思考や哲学やライフスタイルが変わっていくことによる仕様変更は当たり前だ。

私だって、自分のサービスを売り始めてから、追加されたり・深まったり・削ったりすることなんてしょっちゅうだ。



やっぱりどこをどう探したって、完全なものなんてない。ずっと見つからない。

この不完全さを愛してくれる人を見つけ、付き合っていくのが、私たちの「アジャイル開発」なんじゃないだろうか。



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