カッコ悪さの中には美しさがある。その美しさに、人の心は動くんだね。
先日、こんな記事を書いた。
自分自身の幸せを持続可能にさせるために、「ビジネスのことをビジネスにする仕事」を手放した、という話だ。
Twitterや公式LINEから、今までにないような反響をいただいた。
この記事をリリースにあたって、抱えていた想いを書いていこうと思う。
息切れの訪れ
私は、”個としての起業”をノウハウ・メンタリングの両面でサポートする仕事をしていた。
2022年上半期は自分自身も好調に売上を出せていたし、クライアントさんとのビジネスコーチングもとても面白いフェーズに入ってきていた。
しかしここ数か月、急に息切れを感じることが多くなってきた。
新しい企画も、新しい施策も、宙ぶらりんのまま。外へリリースする気力がなくなってしまったのだ。
幸せになるためにフリーランスになったのに。
何かが、おかしい。
やる気が出ない、という表現にはおさまらなかった。
何をやるにしても、「これでいいのか?」という疑問ばかりが浮かんでいた。
独立・起業の支援者として活動するためには、お客さんに希望を与えなければならない。
個人対個人のビジネス支援者は、良くも悪くも、「上手くいっている自分」という偶像づくりが必要になる。お客さんに「あなたのように生きたい」と思ってもらい、サービスを買ってもらうのが王道パターンだ。
例に洩れず、私は月に最高100万円を稼いだ経験を売りにしていた(もちろんそれだけではないが)。でも、最高のクライアントさんと付き合うことが最優先な私のビジネスは、こんな結果が毎月継続されるものではない。売上がほぼ0円の月もある。
「一回の取引額が高いが売上が不安定」なこのビジネスモデルには、もともと納得と覚悟をしていた。そして、そんなもんだよと思っている。収益は、長期目線で考えるものであるという理解は誰よりもあった。はずだった。
しかし、大きい売上を出せた直後、想像以上に”上手くいかない”期間が長く続いた。正直、ちょっと焦った。あれ、これ大丈夫か?と。
最初は、お客さんに出会えず利益が出せていないことで落ち込んで「もう無理かも」と感じているだけ、だと思っていた。
でも、”上手くいってないこと”自体は問題の本質ではなかった。
「ビジネスについて語ること」に罪悪感を持ち始めてしまったのが、これ以上は無理だと感じたコアだった。
自分に正直に生きることを決めてフリーランスになったが、正直になりすぎたらしい。
”上手くいっていない”ことをぼんやり隠しながら、プロとしてのパフォーマンスを続けることは私には出来なかった。
私のところに希望を持って訪ねてきてくれるお客さんのために、【自分自身が成功モデルで居続けないといけない】というプレッシャーは、想像以上に私を苦しめていた。
プロは、プロとして生きねばならぬのだ。それができなかった。非常に悔しい。
「自社事業」をつくろうか
でも、泣きながら手に入れたフリーランスという生き方は、絶対に手放したくなかった。手放せるもんか。
さあ、どうしていこう。
思い出したのは、自分の手ではじめて事業をつくったときのことだった。
新規事業を始めるから手伝ってほしい、とヘッドハンティングをされたことがあった。私は27歳という歳で、2つの新規事業の開発に携わった。
そのときの私は、人事とITコンサルの仕事しか経験はなかった。右も左も分からないのに、「自社事業」をつくるメンバーにいれてもらった。がむしゃらだった。きっと同世代のキャリアでは、出来ないことだった。
私には、手癖なんかじゃなく、本気で「自分(たち)の仕事」をつくってきた経験があった。
そうだ、あのときのことを思い出そう。
コンサルではない、「自社事業」をつくろう。
もがこう。
失敗しても、上手くいかなくても。あのときは自分たちのことをめちゃくちゃカッコいいと思っていたじゃないか。
カッコ悪い自分も見せていくね。美しいから。
私のこの決定の経緯を傍から見たら、「プレッシャーに負けたカッコ悪いコーチ」として映るかもしれない。
でも、いまだかつてないほどに、暖かくて力強い反応をもらった。
中でも、とあるライフコーチからもらった言葉がぐっときた。
確かに、出産みたいなものだったと思う。
新たな生き方という生命が、文章という産道を通って生まれた瞬間だった。
たくさんの人からの反響をもらって、自分のカッコ悪さの中にある、”美しさ”を感じた。
カッコ悪さの中には、美しさがある。
その美しさに人の心は動くんだなと。
ああ、ライフコーチとして人生を進めていくことは、今の私にやっぱりしっくりくるな。
自分自身の生き方や在り方をつくりながら、楽しむ。そこに賛同し感動してくれる人と、対話を紡いでいきたい。
これからの自分がめちゃんこ楽しみだ。
中野あすか@アイスコーヒーの美味しい季節ですね
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【中野あすかについて】
替えの利かない、「ただの話し相手」として。個人でライフコーチをやっております。クライアントさんとお話ししたり、文章を書いたり、ラジオでひとり喋りをしたりしてのんびり生きています。
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