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あなたのUSPをつくろう。
こんにちは。中村です。
今回は「USP」について書いていきますが、皆さんどうでしょう。普段からご自身のUSPは明確にしていますか。そしてそのUSPを正しく発信していますか。
私の感覚ですが、ほとんどの中小企業〜フリーランスさんはこのUSPを明確にしていません。(できていません)
それはつまりどういうことかというと、USPをつくれば 他社との圧倒的な差別化が可能になるということでもあるわけです。
多くがやっていないからこそ、それがフックになって よりあなたのビジネスを際立たせることができるようになるのですね。
ではそのUSP。どうやって組み立てていけばいいのか。
いつも私が顧客に提供している「USPを組み立てる方法」を整理しながら、この記事に書いていこうと思います。
お時間があればどうぞお付き合いください。
USPってなに?
マーケティング界隈でこの「USP」を知らない人はいないと思いますが、一般的にはあまり知られていない用語でもあります。
USPというのは頭文字でして、
(U) Unique (S) Selling (P) Proposition 。
ユニーク・セリング・プロポジションの頭をとって「USP」と言うのですね。
まあこんな言葉だけを知っていてもそれほど意味がありませんが、
念のために一応説明しておこうと思います。
Unique(ユニーク)→ 独自の特徴
Selling(セリング)→ 売り、強み
Proposition (プロポジション) → メリットを提案する
まあ一言で言うと「あなたの独自の売り」ということですね。
競合他社にはない「あなただけの売り」を言葉化したものがUSPだと捉えていいと思います。
そうはいっても「独自の売り」って? わかりにくいのではないかと思いますので、そこから説明していきましょう。
なぜUSPが重要なのかということは、
USPとキャッチフレーズとの違いを見ればわかる。
ということで「USP」と「キャッチフレーズ」の違いを見ていきましょう。
まずキャッチフレーズ。
企業や商品にはキャッチフレーズというものがあります。
(中小企業には無い会社もあります。理念はだいたいあるのですけどね)
例えば私の会社の場合、
「人の体温を感じてもらえる
「売れるストーリー」をあなたに。」
というキャッチフレーズがあります。
マクドナルドのキャッチフレーズは、知っての通り
「I’m lovin’ it」。
NIKEのキャッチフレーズは、
「JUST DO IT」。
TOYOTAのキャッチフレーズは、
「Drive your dreams」ですね。
これは企業が大切にしている思いを「フレーズ化」しているのですね。
「目指す企業イメージの言葉化」。それがキャッチフレーズとかスローガンとかいうものです。主語は「その企業」ですね。
一方、USPというのは「より具体的にセールスに近い」形になります。
つまり、「より選ばれるための言葉化」ということになります。
主語は「この商品は」「このサービスは」というように「モノやコト」になります。
よく例に出てくるのはドミノピザやノードストロームの話しなのですが、それなら私は別の例をと思って書き出したけど、どうもわかりにくいかなと。
だから一旦消しました。
やはり一番わかりやすいのがドミノピザの件なので、
まず最初は例によってドミノピザのUSPで説明していくとしましょう。
ドミノピザのUSP
ドミノピザがもう数十年前に作り上げたUSPはこれです。
「熱々でジューシーな出来立てピザを、お宅まで30分でお届けします。
1分でも遅れたら料金はいただきません。」
今でこそ同じようなことをどこのピザチェーンもやっていますが、当時はかなり衝撃だったようです。そしてドミノピザはこのUSPをもって業界の圧倒的な1位に躍り出たのですね。(ちなみに現在でも1位です)
それではこのUSPを分解して見てみましょう。
U (Unique) 独自の特徴
1分でも遅れたら代金不要。
S (Selling) 売り・強み
30分以内にお届け。
P ( Proposition ) メリット
熱々でジューシーな出来立てピザが自宅で食べれる
これがドミノピザのUSP分解ですね。
どれも衝撃的ですね。代金不要とか30分以内に届ける約束とか、明確な差別化ネタが端的な言葉で表されています。
わかりますかね。キャッチフレーズは「目指す企業イメージの言葉化」だったことに対して、USPは「独自の売り」なわけです。
そしてそれは繁盛に直結します。その企業の「他と違う強み」なのですから、「どうせ買うならこっちがいいよね」となりやすいのですね。
選ばれるためのフックになるのです。
強みというのは、「優位性」を生みます。その業界で優位に立てるのです。業界のイニシアチブを握れるということです。そしてそれは、あなたの事業の「特別感」を印象付けます。業界で特別な存在になり得るのです。
違う例も出しておきましょう。
Apple MusicのUSP。
次に Appleが運営するApple Music のUSPを紹介しましょう。
「ポケットに 1,000曲のミュージックライブラリを。」
これがApple Musicがスタートした時のUSP。とてもシンプルですね。
さて、これをUSP分解をしていくとこうなります。
U (Unique) 独自の特徴
軽くて持ち運びやすい( iPod )。常持するiPhoneの中に1,000曲も。
S (Selling) 売り・強み
自分のミュージックライブラリをいつでも持ち歩ける。
P ( Proposition ) メリット
いつでもどこでも好きな曲が聴ける。
これは時代背景というか、ひと昔前はCDとか音楽専用のプレーヤーとかを持ち運ばなければならなかったという事実がバックボーンとしてあって、
それがポケットに。しかも1,000曲も。という ドラえもん的な利便性を大きく打ち出していますね。
とても「そそられる」USPです。さすがAppleという感じですね。
ちなみに現在はこんなUSPになっています。
・7,500万曲以上をロスレスオーディオで再生。追加費用はなし。
・あらゆる方向からサウンドを響かせるドルビーアトモス。
・好きな曲をどれでもダウンロード。オフラインでも曲を再生。
・ここでしか楽しめないプレイリストも、ライブ配信のラジオも。
あなたのすべてのデバイスで。
AmazonやYoutube(Google)もサブスクの音楽配信を始めているので、さらにUSPを磨いている印象ですね。ドルビーアトモスとか何のことかよくわかりませんが、ドルビーということだから音質なのでしょう。
このように追っかけてくる競合を振り切るための「Re.USP(USPのブラッシュアップ)」も業界のトップには必要なのですね。
ダイソンのUSP
3つ目ともなるとちょっとしつこいかもしれませんので、
「もうわかったよ」という人は飛ばしてください。
もう一つだけ。ダイソンのUSPもわかりやすいので書いておきますね。
USP → 「吸引力の変わらない、ただひとつの掃除機」
これも「圧倒的な吸引力」と「これ以上のものはどこにもない」という、ダイソンの持つ強みをUSPとして表現しています。
USP分解はこうなります。
U (Unique) 独自の特徴
「吸引力が変わらない」という特徴。
S (Selling) 売り・強み
世界で唯一の掃除機であること。
P ( Proposition ) メリット
他社の掃除機の10倍の吸引力がある。
このように大手企業は、商品開発の中でしっかりとUSPを明確にして、
そしてそれをCMとして訴求するのです。
でも中小企業やフリーランスはどうでしょう。
大手のようにスマートなUSPを作らずも、
「何が独自で」
「何が強みで」
「あなたから買うとどんなイイコトがあるのか」。
それくらいは明確でないと数ある競合の中で「選ばれない」という結果を生むことになるのです。
例えばですが、
士業の皆さんは扱うサービスに、競合との大きな違いが出しにくい仕事ですね。弁護士さん、税理士さん、会計士さん、司法書士さん、行政書士さん、社会保険労務士さんら。
同じ職種の人が山ほど存在します。つまりある意味みんな「競合」ということです。
その中でどうやって選ばれるようになるのか。
USPしかないでしょう。依頼手(買い手)が「あなたに依頼したい」と直感的に感じるような「関心影響の高いUSP」が士業さんには必要なわけです。
士業さんだけではありません。美容師さんだって仕入れ販売の人だって、同じ商品やサービスをしている人がたくさんいる職種の人にとってUSPは重要です。いや、USPがないとするならそれは、
知り合いか、それ経由でしか集客できない。ということになってしまうのです。
あなたにとってのUSPは?
USPを作り上げることは、あなたのビジネスを優位なものにします。
USPによって、あなたのビジネスを「競合環境の中で」優位な方向へ舵を取るのです。それはつまり「選ばれるための武器」になるということですね。
そして何度も言いますが、
中小企業やフリーランスは「ほとんどどこもUSPを打ち出していません」。
ブルーオーシャンです。競合企業のホームページをいくつか見てみてください。どこにもUSPがないことがわかるでしょう。
マーケティング先進国の欧米諸国では、USPは当たり前に必要な戦略だと言われています。もうアメリカでは小さい会社でも「USPは当たり前」なんですね。
特に今はインターネット時代で、スマホを通じて「いつでもどこでも」人とインターネットは繋がっています。人がインターネットの中に介在する時間が長くなるほど、いろんなビジネスやいろんな競合が生まれていきます。
だからインターネット上には「競合が多すぎる」ようになっていくのですね。そしてそれが「USPに大きな意味をもたらす理由」になっています。
店舗ビジネスのように「立地」があるビジネスは、そうは言っても「商圏」というものがありますね。いくら興味のある店でも遠いとなかなか行くことができないものです。
「立地・商圏」があるということは、より近い人の来店動機がUSPによって得られやすいと言えます。「行こうと思えばすぐに行ける距離」+「USPに惹かれる」=「行ってみよう」となりやすいのです。
ニッチビジネスに考え方は近いですね。対象になる数は少ないけど、少ない対象者は強く惹かれやすい という感じです。
だから店舗ビジネスは特にUSPが大事になっていきます。
USPをつくろう。
私は USPをつくる上で意識している点が3つあります。
それはこの3つです。
1. ベネフィットが伝わること - これを買ったら◯◯が手に入る。
2. ユニークである(独自であること) - 「他にはない」という点が重要。
3. インパクトがあること - 多少の衝撃が必要。人の気を引く強さが必要。
ネットの世界には「すでに売れている競合」があります。
USPは、その競合に「戦いを挑む」というより「違いを明確に打ち出す」という考え方ですね。
Difference is better than better. というアメリカで古くから伝わるマーケティング用語がありまして、「他社との違い」がビジネスをしていく上で重要だという意味なのですね。
これが現代でも実に結構しっくりくるのです。
人はなかなか自分の商品が売れないと「もっと優れた商品」をつくろうとするわけです。商品じゃなくてサービスを売っている場合なら
例えば、「10,000円で5回使える」サービスを出しても売れない。
よく調べたら自分よりも大きな競合企業が「10,000円で月内使い放題」をやっている。
これはいかんということで何をするかというと、
「9,000円で月内使い放題」を検討し出すわけですね。
これの何がいけないのか。
「競合との”違い”ではなくて、同じ土俵で戦おうとしている」のですね。
Difference is better than betterという考え方はそうではなくて「違い」にフォーカスしているわけです。
つまり「9,000円で月内使い放題」ではなくて、例えば 「5回を専門家のマンツーマンレクチャー付きで提供する」というような「消費者にとって違いを感じるアプローチ」を提案する方法を考えようということなのですね。
USPをつくる上でのポイント
いくらUSPと言えども、
「できないこと」を言葉にしてはダメですよね。
フックを効かせようとするがあまり、自社では無理なことをUSPにするクライアントも実際にいましたから ^^;、一応改めて言っておきます。
提供可能である。ということは大前提です。
そこは予め意識しておいてくださいね。それを破ると信頼性を害いますから。
それでは USPをつくる上で3つのポイントがあるので
それを説明していきましょう。
USPは1つで充分。
万人にヒットしなくていいし、そもそも万人にヒットするものなんかない。
いくつもつくればたくさんのペルソナにヒットすると考えないように。
明確で伝わりやすい表現で。
わかりやすく明快であるべき。長々と説明するのではなく、明確に。
そして可能であれば「キャッチー」に表現できればなおいい。
そのほうが聞く側が「聞き取りやすい」「耳障りがいい」から。
スキマニーズに応えよう。
あなたのジャンルでまだ満たされていないニーズを考えてみましょう。
例えばドミノピザのように、顧客が求めているであろう+まだ誰もやっていないこと。を、ボツをいくつ出してもいいのでブレストしよう。
ボツの中にひょこっといいアイデアが混じっているものです。とにかくたくさん書き出しましょう。
大きく分けてこの3つです。
ここで私が言いたいのは、
USPとはあなたのビジネスの「独自の売り」を表す
明確な一行
だということ。誰も言っていない。誰も打ち出せていない明確な一行を生み出してください。それが生み出されれば あなたはその業界で優位に立てるのです。
市場と競合のメカニズム
ビジネスには一定量の「市場(マーケット)」が必要です。
もし今あなたが「市場性のないビジネス」をやろうとしているならやめた方がいいでしょう。
市場というのは「もともとあるもの」+「ニッチ」を組み合わせたものです。0から市場を作り出すことはまあ大変ですし、無理でしょう。
やめた方がいい。
私たちが「市場」と言っているものは、「すでにあるもの」をSHINKA(進化・真価・深化)させて、新しいニーズをつくり出すということに過ぎません。
新しいニーズ。それはあなた独自の「新市場」です。
何度も言いますが、それは「すでにあるもの」×「あなたの価値」でつくられるものです。
だからこそUSPが大事なのです。
だから「同じもの」でなくても「用途が同じ」ものは競合になり得るし、
それらを振り切ってあなたの「新市場」をつくるためには「競合」を知る必要があるのです。競合との「明確な違い」を打ち出す必要があるということですね。
「すでにあるもの」。それにはすでに「売れ筋」が存在します。
同じ土俵で戦おうとするなら、あなたは後発です。それに勝つには価格的優位性も必要だし、何よりも資本力が必要でしょう。
どんなことをしなくてもあなたがあなたの「新しいジャンル」をつくることは可能です。どんな市場にも「すでにあるもの」から成り立っているのです。そしてそれとの「違い」。
まさにUSPを組み立てればいいのです。
わたしの作り方(USP編)
これは私が顧客のUSPを組み立てるときに使っている表です。
商売道具なので3枚セットの最後の1枚だけしかここにアップできませんが、この記事を読んでいきながらであれば これだけでもできないことは無いと思います。
ひとりブレストでやってみるのも手ではないかと思いますよ。
まとめ
今日は ほとんどの人が持っていない、または打ち出していない「USP」について書いていきました。
重ね重ねになりますが、世の中にはあなたの商品と同じアプローチの商品を持つ「競合」が多く存在します。
そしてどんな市場には「売れ筋」がある。それがあるからそこに「市場がある」と証明できるわけです。
そこに打って出るために必要なもの。
それが USP。
それを組み立てるということは、
あなたがその市場の中で「特別な存在」になることへの
”はじまり”なのかもしれません。
それでは今日はこのへんで。
またnoteかTwitterでお会いしましょう。