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通販で売れない、意外な原因。

こんにちは。中村です。
最近「通販をはじめたい」という問い合わせが昨年より増えています。
ちょっと前はオウンドメディアとかコンテンツマーケティングが多かったのですが、ここ2ヶ月くらい前から「通販(EC)をはじめたい」という相談がコンテンツ系の相談を一気に抜き去りました。
何かテレビか何かで特集的なものがあったのかもしれませんが、何かあったのか?と思えるほどです。

通販をはじめようと考える人

そんな中で「通販」を考える人が多いのは、新たなセールスチャネルになり得るからなのでしょう。実際に通販ビジネスはこのコロナ禍でも大きく市場規模を伸ばしています。
別の言い方をすると、このコロナ禍でも大きく成長しているビジネスが「通販(EC)」だということですね。

しかしその「通販という事業」。
とても「失敗事例」の多いビジネスだということを知るべきでしょう。
安易に「別収入を得たいから」と参入していくとほぼ失敗します。
あんなに市場規模が大きく、そして急成長している「需要度の高いビジネスモデル」である通販になぜ多くの人が失敗するのか
それを実際のケースを交えて私たちの経験からお伝えしていきましょう。


通販をはじめる2つのケース

まずその「通販を始めたいと思う人」の最も多いケースパターンはこんな感じです。

① リアル店舗ビジネス → ネットからの売上をつくりたいから、通販を新事業としてはじめたい

② 新たな商品を開発 → それを通販で売りたい

あくまでウチに相談に来る方の例に過ぎませんが、
最も多いのが「店舗ビジネス」の経営者さん。

次に多いのが、本事業が苦しいので時代に合った商品・サービスをつくって、それをネットで販売したいと考える方。

その2つのケースでほぼ9割以上を占めます。

① リアル店舗 → 通販事業 スタートアップのケース

まずこのケースで最も多い相談者は 店舗ビジネスの経営者 さん。
コロナによって「来店するお客様」が大きく減ったのだからリアル店舗は維持していくことが困難です。
リアル店舗には固定経費(賃料や設備リース費、社員人件費など)が重くのしかかるので少しでも「入ってくる収入(売上)」が必要。
そう考えた結論が「通販への参入」というケースが多いと言えます。

リアル店舗はもういらない?

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コロナ禍がこれだけ長引いて売上も相当のダウン。
店舗経営者としては「なんとか"入ってくるお金を増やさないと”と思うのは当然ですね。
それと店舗は「対面ビジネス」の代表格。こんなコロナ禍に「非対面ビジネス」を始めたいと思うのは自然なこと。

だけどやはり本業は「店舗」。
店舗で減った売上を通販で補填したいと考えておられる方が多いと言えます。

実はここが大きな落とし穴。
通販はもう数兆円という市場規模を持つ巨大なマーケット。店舗のように近隣の居住者が見込み客ではなく、全国(場合によっては世界)規模の市場で「ものを販売する」わけです。
見込み客数も全国規模だけど、競合店も全国規模。
そして店舗のように「立地」というものも「店舗という建物」もありません。

ネットというバーチャルな世界にサイトという形でショップを開けるだけ。
当然ながら収益構造も店舗とは違うし、集客の仕方もオペレーションも違います。

実に多いのが、
「月商500万円売っていた店舗の売上が下がって今は300万円に。」
「その減った-200万円を通販で売っていきたい」
という相談なのですね。

私はその時にこう言います。
「200万円ですか?間違いなく可能ですが、その代わり「ひとつの新事業」として立ち上げる気がありますか?」と聞きます。

何が言いたいのかというと、「補填したいだけ」で片手間に毎月200万円売れるようなビジネスは無い!ということを伝えたいのです。
逆に、新事業として正しく通販事業を仕掛けていけば、だいたいのものは500万円以上売ることができます。それほどのマーケットだということ。
新規事業として捉えてプロジェクトを進めていく気があるかないか。を問うているのです。

コロナによって対面販売の業種はかなり厳しい。これからも良くなる保証はありません。
今このタイミングで、自分たちの強み(店舗の強み)を活かした通販プロジェクトを始めるのです。リアル店舗を出店するよりもイニシャルコスト(初期投資)は少なく済むし、利益率は店舗よりも高い。
でもしっかり「事業として」やりましょう。ちょっと補填したいだけという考えで成功するビジネスなんて無いのです。

そして僕は「いつまでリアル店舗にこだわるつもりですか」と言いたい。
これからも店舗ビジネスの経営者さんには、特に強く発信していきたいと思っています。

かつてヤマダ電機は全国の数百店舗を閉店しました。
世間は「ヤマダも終わったな。潰れるんじゃないか」と噂しました。
しかし当のヤマダ電機は、閉店した分の「人的資産」をECプロジェクトの推進に活用し、今や閉店前の売上を大幅に超える売上高と利益率をつくっています。どの競合より先に 通販を新事業として取り組んだ結果が、今の業界圧倒的1位という位置付けになっています。


② 新たな商品を開発  
→それを通販で売りたい というケース

商品が売れるという裏側には、トレンドやメディアの力など、その時代に合った流れというものがあります。

実際、バイキングで紹介されたグッズがyahooの検索ワードで上位に来れば、販売店はてんやわんやになるものですね。

しかし、そんなラッキーはそうあることではありません。
このコロナ禍に新しい商品をつくる。その商品の開発に費用を使うという人は、その商品にとてつもない”思い入れ”があって、それを世間に広げていくことを夢見ているのです。

個人的に「夢を実現させたい」という人を僕は勝手に「同志」と思うので(笑)、とても応援したいわけです。

「新しい商品」。それは言い換えれば「誰も知らない商品」ということ。
人は「良いもの」を買うのではなく、「知っているもの」を買うのです。
それくらい「知られていない」ということはビジネスの上ではキツいことで、逆に「知られている」ということは楽なことなのです。

でもこの相談をして来られる人の多くは、
「ネットで販売すれば、良い商品だから売れるでしょ」と思ってる。
これは大きな間違いなのです。

ネットで仕掛ける=売れるという公式はありません。
「その商品のことを知っている」というところがスタートなのです。
それがあってはじめて「比較・検討」されるわけです。

しかもその「知られる」という点も、
「広告をいくらくらい打てば知られますか?」となってしまう。
いやいやそうじゃない。

目的は「売れる」ということです。
「売れる」というのは「誰かがそれにお金を支払う」ということ。
そこにはその人との信頼関係が必要なのです。

基本的に人は、ネットの中にある情報を信じていません。疑っているのです。
だからこそ「信頼してもらう」という時間が必要。そのための工夫が必要なのです。

やはり通販は「安易」に考えられています。だからみんな上手くいかないのです。
逆に通販で成功している人。ウチの顧客の中で通販だけで月商4,000万円以上売っている人がいます。
その人は最初始める時、従業員もいなくてひとりでその商品を開発しました。実家がそれに近い商売をやっていたから家系的に経験値はありましたが、最初から通販で成功させたいという欲求が強かった。

彼はこう言います。
「通販で成功できたのは、この商品の魅力を知ってもらうだけじゃなく、この商品が”買ってくれる方の生活をどれだけ豊かにするか” を知ってもらうことに誠実だったこと」だと。

通販はとても大きな成功を与えてくれるだけの市場がありながらも、安易にできそうな雰囲気も出してきます。
多くの方は安易に始めて、そして失敗してしまう。
それが僕には残念でなりません。

もし通販をこれから始めたいと思っている方がこの記事を読んでくれたなら、僕はこう伝えたい。

「新しい事業として、しっかりとコンセプトからはじめて、必ずや成功させて下さい」と。


今日はこのへんで。
ではまたお会いしましょう!



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