【活動報告】中村葡萄酒(勉強)会〜テスト開催〜
新たな企画を考えてみました。
以前から「飲食業の方々とワインの勉強できないかなぁ?」と思っていました。コロナ禍でお酒が売りづらい状況ですが、営業時間短縮や働き方改革により、以前と比べて勉強する時間は作れると思います。
我々夫婦は、それぞれ出稼ぎに出ています。生活のためなんですが、情報収集や人脈作りもできます。私は銀座と虎ノ門、綾子先輩は銀座へ。ジャンルはバラバラです。合わせても面白くないし同じ勉強をする必要はない。
そんな中、私の出稼ぎ先で、流行っているのが「ブラインド・テイスティング」です。これが、ものすごく勉強になるんです!最初は「外したくない」という気持ちでコメントを言えないんですが、同じ職場の仲間で繰り返していると、遠慮せずに良いコメントがいっぱい出てくるんです!もちろん当たりはしません。大事なのは「これが故にこれ」という数学的な発想、「理由と根拠」です。
これを初めて会う方々が、勉強の機会として楽しんでもらうにはどうしたらいいか?考えた結果・・・「とりあえず仲間にお願いして試しちゃおう!」
「ブラインド・テイスティング」と「ブラ・ハラ」
「ブラインド・テイスティング」は、何かわからず目の前にあるワインを何か分析することです。外観、香り、味わいをもとに、品種、産地、生産年、醸造方法などを分析します。ソムリエ試験でも行われますし、大会も開催されます。私も何回か大会に出ましたがうまく行ったことがありません・・・
「ブラ・ハラ」・・・こちらは造語です。「ブラインド・ハラスメント」の略です。出稼ぎ先で急に開催されるイベントで、個人的に持ち込んだワインを急にブラインド・テイスティングさせるという展開です・・・いきなりさせられて、当てられず、もやっとした気持ちで帰る・・・ハラスメントです・・・
しかしハラスメントが、まかり通ってはいけません!出題者に「こんなワイン出題するな!!!」と文句も出るのも「ブラ・ハラ」の良いところ。出題者も回答者もワインと向き合えるのが良いんです!
「ブラ・ハラ」を勉強の機会にできないか???
私は、ソムリエ取って18年。死ぬまでワインを追いかけるんですが、18年前の状況を、最近ワインを勉強し始めた方々にお伝えすると、グイグイ質問が来るんです!熱意を持った方がたくさんいらっしゃいます。
「そんな方々と勉強したいなぁ・・・おじさんも・・・」と思ったのですが、目的や目標を持った方々と勉強をしたい。また、基本的な勉強をしている方でないと品種や産地などの会話に入れない。そして「ワイン知識自慢」にはしたくないので接客業の方々なら空気を読んでくれるだろう。と、いうことから「ワインに携わる仕事」をしいてる方限定でテスト開催してみることにしました。
協力してくれたのは、ソムリエ3名、ソムリエを目指してる方2名、飲食イベント主催の方1名、綾子先輩。出題者は私。8名での開催となりました。
緊張のスタート
皆様、緊張した表情で集合・・・ワイン会のこの空気が好きなんです。最初は「初めまして」で硬い感じがワインによってほぐれていく。抜栓直後のワインが時間と共に開いていく感覚に近い。それぞれ立場と状況が違うのでそれぞれの緊張感があったと思います。お近づきになりやすいように、「一人一品持ち寄り制」にしました。余っていたワインを飲みつつ、みんなで準備しながら、私が皆様をご紹介。それでは今回の答えはこんな感じでした!
【一本目】Bourgogne Aligoté2017/Domaine G. Roblot-Marchand
コート・ド・ニュイの良い畑をいろいろと所有しているドメーヌ。「アリゴテまで作ってるの?」と思い入荷したワイン。こちらのワインのポイントは、5年熟成していることです。アリゴテはフレッシュさが良さでもあるので、比較的早くリリースされるのですが、5年置くとフレッシュから柔らかさが出てくる頃。果実感と旨味はまだまだ健在でしたが、アリゴテを導くのは難しかったかもしれません。
【二本目】Chardonnay Barrique D.S.C2016/Elesko
シャルドネは飲食店で働いていると一番、リクエストが多い品種だと思いますが、地域と醸造によってどんな姿にもなる品種なので、結構、勧めるのが難しい品種です。それを踏まえてテロワールや生産者の特徴をシャルドネで感じるソムリエは多いのではないでしょうか?
今回、シャルドネが入れようと思いましたが「ただのシャルドネではつまらない!」ということで選んだのは、寝かせていた樽熟成のスロバキアのシャルドネです。ブラインドの良さは先入観無くワインと向き合えること。このシャルドネは良い熟成をしていました。「そこらの中途半端な樽シャルよりもいい!」という結果になりました。
【三本目】Carignan Sans Soufre Etiquette Bleue2021/Ch. La Baronne
今回は全て単一品種のワイン。その中でも難しいだろうなぁ・・・というのがこちらの一本。そろそろソムリエ試験にナチュールの問題が増えてきそうだし、テイスティングにナチュールも出そう。(出てるのかな?)そこでサンスフル=亜硫酸無添加のカリニャンを選びました。これ、僕は当てられない・・・と思ったら、出ました!正解者!これは凄い。こちらを当てた方が今回のMOMとなりました!
【四本目】Bourgogne Rouge2020/Vincent Legou
こちらは逆に、サービス問題になるか?と思ったワインでしたが、ワインは開けてみないとわからないと改めて思う・・・2019年と2020年のブルゴーニュはやはり難しい年なのかなぁ?まだまだ私も追いかけてる途中なのでなんとも言えませんが・・・ちょっと人の手が入りすぎた印象。少し置いたら変わるのか???一同、「???」となるワインでした。2018の別キュヴェはそんな印象なかった・・・引き続き追いかけ続けます。
【五本目】Saumur Champigny2017/Fabien Duveau
最後はちょっと「良いワイン」をぶつけたかった。「良いワイン」というのは、値段が高いから良いわけでなく、ワイン呑みとして「この品種、こうなるかぁ!」というようなワインを選んでみました。カベルネ・フラン100%ですが、ピラジン香=ピーマンのような香りがあまりなく、綺麗な果実を感じる仕上がり。バランスも良い。こちらも一名、正解者がいらっしゃいました!フランは特徴があるので数人当たるかと思いましたが、「良いワイン」だったようです。
【おまけ】"Bonacosta" Valpolicella Classico2020/Masi
こちらは参加者が持ち込んでくれたワインなので、私が回答者に。自信満々で「サン・タンティモ」だと思いました。スミレの香りが綺麗で程よくボディもあり、ミネラル感も感じたので、サンジョヴェーゼにカベルネかメルローを混ぜたかなぁ???と。まさかヴァルポリとは・・・一本取られました。
こんな感じで、無事に開催できました!二次会は「イザカヤ」様にて交流会となりました。その場でも「ブラ・ハラ」は行われ、そこではキッチリ当てさせていただきました。少し酔った方がいいのかな?
今回、参加のご連絡をいただいた皆様、申し訳ございませんでした。問題点を修正してまた開催しようと思っております!ワインを勉強したい皆様、ぜひご参加ください!