見出し画像

スマホゲーム「天華百剣 -斬-」で制作した50曲のキャラソンを、曲調やジャンル別で全曲紹介してみます!(前編)

はじめに

こんにちは。スマホゲームのプランナー、プロデューサー、マーケ担当などをやらせてもらっているナカムラケンタロウです。

前回の「天華百剣 -斬-」の話が、自分の想像以上に大きな反響をいただいて、本当にありがとうございます!

今日は「天華百剣 -斬-」の音楽(キャラソン)について書いていきたいと思います。数えてみたら、サービス期間中に50曲ものキャラソンをリリースしていました(バージョン違いのアレンジは含んで、ソロバージョンは含まずの計算)

特にアイドルやバンドなどをモチーフにしたIPでないにも関わらず、この数はかなり多い方だと思います。
きっかけの部分では「いろんな巡り合わせがすごく良かった」という部分もかなり大きいのですが、そこからライブハウスでライブイベントを開催するにまで至りました。

その辺りのいきさつ的な部分を説明した後、楽曲を曲調やジャンル別でまとめて紹介していきたいと思います。
全曲紹介パートが長いため、前後半に分けさせていただきます。

今回もよろしくお願いいたします。

後編はこちら
スマホゲーム「天華百剣 -斬-」で制作した50曲のキャラソンを、曲調やジャンル別で全曲紹介してみます!(後編)


「天華百剣 -斬-」は、なぜキャラソンに力を入れていたのか?

シナリオの代わりとして

「天華百剣 -斬-」では、月の初旬にシナリオイベント、月の半ばにキャラクターの「着替え用の衣装」がGETできる周回イベント、下旬に強敵と戦う高難度イベント、といった1ヶ月のサイクルがありました。

その中の「着替え用の衣装」がGETできる周回イベントで、衣装を着替えたキャラクターのキャラソンをつくってリリースする、ということを続けていました。
元々キャラソンがあったわけではなく、自分がプロデューサーになる準備段階では「衣装に関するシナリオを追加するのはどうか?」と検討していました。

ただ、このシナリオ追加案は予算的な部分で断念しました。

というのも「天華百剣 -斬-」というゲームはシナリオが非常に多いゲームでした。そこに新たにシナリオを毎月追加することを計算した時、シナリオディレクターやスクリプター、デバッガーの増が必要になります。
毎月固定で人員が増えるというのは、ゲームを運営をする上でかなり大きなコストです。
その頃はサービス終了の可能性もあった時期ですので「コスト増」というリスクを取ることはできない状況でした。

いろんな巡り合わせがすごく良かったです

そのような状況で、いろんな巡り合わせがタイミング良く重なって「毎月キャラソンを作ることができる体制」が整えられるようになりました。

さらに「キャラソンを毎月作ること」と「メンバー増員してシナリオを増やすこと」を天秤にかけても、キャラソンの方がリスクが低く、運用次第ではプロモーション効果も見込めてメリットが大きそうなと思えました。
そして何より、自分自身が音楽が大好きだったので「季節に合わせて変わる様々な衣装をテーマにキャラソンを作れたら絶対におもしろくなる」的な確信のようなものを抱きました。

かくして「アクションゲームなのに気合いが入りまくったキャラソンを毎月リリースする」という「天華百剣 -斬-」の特徴の1つとなるキャラソンプロジェクトがスタートしました。


「天華百剣 -斬-」のキャラソンができるまで

「天華百剣 -斬-」ではお正月なら晴れ着、夏場なら水着といった感じで毎月3人のキャラクターに「着替え用の衣装」が実装されていました。
なので必然的にキャラソンのテーマは「3人のキャラクター × その月の衣装」といったものになります。

そのテーマでクリエイターさんにキャラソンを作っていただくにあたり「制作資料」を用意するところから始まります。

3人のキャラクターの基本資料はすでにあるので、それとは別に

「このキャラクターたちが、この衣装を着て、こんなシチュエーションで、その時にそれぞれはこんな風に感じたり、こんなことを思ったりしています」

といった説明を加えます。その上で

「こういったシチュエーションを踏まえ、◯◯というテーマで、曲調やジャンルはこういう系で制作をお願いできますでしょうか?」

みたいなことを「制作資料」としてまとめていました。

この最初の部分までがナカムラがメインを張る仕事で、そのあとはチーム内外の専門の方たちの手によって素晴らしい楽曲が出来上がっていくのを見守る感じでした。

そうやって2018年〜2021年の3年間で誕生した50曲のキャラソンを紹介していきます。


キャラソンを曲調やジャンル別に分けて全曲紹介します!(前編)

和ロック系の楽曲

作品世界の時代設定は明治時代(銘治時代)で、和風モチーフだったこともあり「和ロック」は外せないジャンルです。
まず最初に王道な感じから少し変化球まで4曲を紹介します。

『闇を切り咲く華』

御華見衆 椿組
[城和泉正宗(CV:大野柚布子)、桑名江(CV:高橋李依)、牛王吉光(CV:千菅春香)、小烏丸(CV:大和田仁美)、七香(CV:白石晴香)]
衣装のテーマ:なし
※「天華百剣 -斬-」御華見衆テーマソング第1弾

記念すべきキャラソン第一弾の楽曲です。
この曲は(キャラクターの衣装テーマのキャラソンとは別で)「タイトルを代表するテーマソング」として制作されていて、1周年の生放送で初披露しました。
サービス終了寸前だった「天華百剣 -斬-」をV字回復させた原動力に「ゲーム以外のコンテンツ展開」があり、キャラソンはその中心の1つだったのですが、この曲には本当にお世話になり、大きな力をもらいました。

『祭り恋し夢のあと』

稲葉郷(CV:古賀葵)、岡田切吉房(CV:杉浦しおり)、徳善院貞宗(CV:富田美憂)衣装テーマ:浴衣

和ロックと祭囃子的なモチーフは好相性で、そこにキャラクター性たっぷりなボーカルも相まって、すごく楽しげな雰囲気です。
ただ歌詞としては夏の終わりに「楽しかった夏祭の思い出」を思い出している内容なので、ちょっと切ない系の楽曲でもあります。
『闇を切り咲く華』の数ヶ月後に作った曲なんですけど「同じ和ロックの系統でも、キャラとシチュエーションが違えばこんなにも違った雰囲気になるんだな」とキャラソンの可能性を改めて強く感じた曲でした。

『ふりそでんぐりがえし』

あざ丸(CV:木野双葉)、謙信兼光(CV:朝井彩加)、児手柏包永withぽこ太・ぽこ助・ぽこ美(CV:田中あいみ)
衣装テーマ:晴着

2019年1月にリリースした晴着をテーマにした楽曲です。
「天華百剣 -斬-」は「刀」を擬人化したIPなのですが、「刀」というのは、その長い歴史の中で人の生死に関わる機会も多く、さまざまな「業」を背負っています。
そんな「業」をテーマにした楽曲で、ゲームの主人公(=プレイヤー自身)と出会えたことで「自分が背負った業と改めて向き合うことができた」といった心境を歌った楽曲です。

『海恋華』

大天狗正家(CV:石上静香)、典厩割 (CV:佐伯伊織)、陸奥守吉行(CV:森永千才)衣装テーマ:水着

毎年7月と8月の衣装テーマは「水着」と決まっていて、これはキャラソンを作り始めて3年目の8月の楽曲です。
6曲目の水着テーマ曲となったこの曲は、キャラクターイラストのすごくカッコ良い雰囲気にマッチした「荒波を越えていく」感あふれる楽曲です。
全体的にカッコいい雰囲気なのですが、中でも途中の転調で入る演歌的な歌謡曲パートが聴きどころです。


HIPHOP系、レゲエ系の楽曲

和風なIPなのにHIPHOP系のキャラソンが4曲、レゲエ系の楽曲が1曲と50曲ある中の10%を占めています。
キャラクター性を出すのに「ラップ」という表現がすごく好相性なことが理由なのですが、5曲とも全然違った雰囲気になっています。
ぜひその違いを聴き比べてみてください。

『誰よりもそばに…。』

亀甲貞宗(CV:吉岡麻耶)、敦賀正宗(CV:広瀬ゆうき)、夢切り国宗(CV:島袋美由利)
衣装テーマ:制服

制服というテーマで、セーラー服やブレザーを着たキャラのイラストに合わせたJK的なゆるふわなHIPHOP曲です。衣装をテーマにしたキャラソンの11曲目にして、初めてBPM低めの曲でした。
こういうゆったりした曲調が受け入れていただけるかドキドキしていたのですが好評をいただき、初めて世に出した生放送のスタジオで一安心したのを覚えています。

『Endless Summer 1899』

鶯丸友成(CV:清水彩香)、鯰尾藤四郎(CV:和多田美咲)、蛍丸国俊(CV:立花芽恵夢)
衣装テーマ:水着

この曲は水着テーマ曲の3曲目で、ゆるーいレゲエ曲。
夏の夕暮れの海岸をゆっくり散歩してるような情景が思い浮かびます。
タイトルにある「1899」は、ゲームの世界観が1899年という設定からきています。
『Endless Summer』という名前の曲はたくさんあるんですけど『1899』がついた途端、世界観が超現れるのがすごく良いなと思います。

『ちょこれいとSONG』

浦島虎徹(CV:星乃葉月)、後藤藤四郎(CV:角元明日香)、鳥飼来国次(CV:影山灯)
衣装テーマ:給仕服(メイド服)

2020年2月にリリースしたバレンタイン曲です。
3人のキャラクターがプレイヤーのことを思いながらチョコレートを作る姿がかわいいくて楽しい雰囲気です。
同じシチュエーションでもキャラクターによって全然違う様子が垣間見れて、こういう普段のシナリオでは中々感じることができないキャラクターの魅力を表現できるのがキャラソンの良いところだなと思います。

『円卓はルーレットじゃないから』

燭台切光忠(CV:白城なお)、富田江(CV:米澤円)、振分髪広光(CV:渡谷美帆)
衣装テーマ:チャイナドレス

大陸の風を感じられるような雰囲気の楽曲で「キャラクター × 衣装」でキャラソンを作り続けて辿り着いた1つの境地なのかなと個人的に思ってます。
キャラクターによって「シチュエーションよるテンションの振れ幅」といものがある程度決まっていて、基本的にはテンションの幅が一番狭いキャラの範囲内でつくることが多かったです。
また、たとえば「大人な雰囲気のキャラ」や「幼い雰囲気のキャラ」でも合う曲調が変わってきたりするので「制限をどう料理するか」みたいなことが需要でした。
この曲はキャラソンの中でも最後の方に作られた曲で、まさに上手く料理ができた曲の1つだなと思います。

『庖丁三姉妹、見参!』

庖丁三姉妹
[透し正宗(CV:飯田ヒカル)、庖丁正宗(CV:柳原かなこ)、ほりぬき正宗(CV:春川友紀)]

「庖丁三姉妹」というのはユニット名です。
いわゆる「◯◯正宗」の名前をもつ3振りの短刀をキャラクターとして実装する際に「声優ユニット」としてリアルの活動をすることで「タイトルの可能性が広がるのではないか」と思いました。
ゲームの運営を長く続けるためには多くの人に知ってもらい、遊んでもらうことが必要不可欠です。
そのためにプロモーションを行うのですが、一度サービス終了寸前までいったタイトルなので潤沢なプロモーション予算があるわけではなく、予算がない中でどうアイデアを絞るかが生命線でした。

そんな状況を打破する起爆剤として誕生したのが声優ユニット「庖丁三姉妹」です。
声優ユニットとしてライブイベントやテレビにも出演させていただいたのですが、2020年の春以降、世の中的な状況により活動を制限せざるを得ない時期が長く続きました。
2020年の春先時点でイベントやテレビ出演等の予定が2桁あったので、もしそれが実現していれば…と、たられば的な想像をしてしまいます。

少し長くなりましたが、そんな「庖丁三姉妹」のデビューシングルのCW曲が『庖丁三姉妹、見参!』で、その名の通り自己紹介ソングです。
一見かわいいけど、良くきくと要所要所でかっこいい的なギャップが聴きどころです。


パンク系、西海岸的なノリの楽曲

自分自身がハイスタ世代なので、パンク系や西海岸的なノリの楽曲は心の奥底に刻まれてる感があります。
またライブで盛り上がること間違いなしなジャンルでもあるので、ここぞという時はこういうノリの楽曲がいいなって思ってしまいます。

『久遠に咲く華』

御華見衆 椿組
[城和泉正宗(CV:大野柚布子)、桑名江(CV:高橋李依)、牛王吉光(CV:千菅春香)、小烏丸(CV:大和田仁美)、七香(CV:白石晴香)]
衣装のテーマ:なし
※「天華百剣 -斬-」御華見衆テーマソング第1弾

2周年のタイミングで発表したゲームのテーマソング第2弾の楽曲です。
キャラクターのモチーフになっている「刀」は、芸術品であると共に、武器という実用品でもあります。
本当に一瞬で欠けたり折れたりするし、すぐに錆び付いてしまう姿は、ゲームの運営にもすごく似ているなと思っていました。

「久遠」に続くことが難しいからこそ、今という一瞬が大切で、だからこそ「久遠に咲き続ける」ことに憧れるし、「久遠に咲くこと」を目指す。
個人的にはそんなゲームの状況とキャラクターの心境がシンクロしたテーマソングになっています。

『夢追い華』

庖丁三姉妹
[透し正宗(CV:飯田ヒカル)、庖丁正宗(CV:柳原かなこ)、ほりぬき正宗(CV:春川友紀)]
※TVアニメ「天華百剣 〜めいじ館へようこそ!〜」挿入歌

庖丁三姉妹のデビュー曲です。
ゲームのテーマソングには共通して「華」という言葉が入っているのですが、そんな「華」を夢見て追う姿を描いた楽曲です。

実際の刀剣の「透かし正宗」「庖丁正宗」「ほりぬき正宗」は刀身も短く、パッと見はすごくかわいい印象を受けるのですが、刃を見るとすごく鋭く切れ味も鋭い。
そんなギャップを、見た目はかわいくてもサウンドはゴリゴリにカッコよく、芯が通った歌詞で表現されています。

『剣閃の華(ひらめきのはな)』

庖丁三姉妹
[透し正宗(CV:飯田ヒカル)、庖丁正宗(CV:柳原かなこ)、ほりぬき正宗(CV:春川友紀)]
※庖丁三姉妹 結成1周年楽曲

庖丁三姉妹の結成1周年を記念した楽曲です。
「夢を追っていたからこそ知ることができた、憧れと自分との距離」がテーマの楽曲です。
ただその距離はがんばっていたからこそ知ることができたし、だからこそより憧れが強くなる、といったキャラクターたちの現在地を表現しました。
庖丁三姉妹の3人も含め、憧れを追いかけてがんばっている人への応援歌になれば嬉しいなと思います。

『Shy×Shy×Shining!!!』

粟田口国吉(CV:柴田芽衣)、乱藤四郎(CV:首藤志奈)、毛利藤四郎(CV:吉田有里)

デジタル感がかっこいい、でもすごくかわいいポップパンク曲です。
キャラクターによってテンションの幅があるという話をしたと思うのですが、この曲を歌っている3人はテンションの幅がすごく狭いです。
ただ、狭いからといってテンション低めの曲にしても、キャラソンの魅力である「キャラソンでしか見えないキャラクター性」を表現するのも難しい、といった状況でした。

そんな中でキャラと向き合ってみると、実は「状況によってはテンション高め(ただしキレ気味の投げやり気味)」だったり「超マイペースなだけで、テンション高めの楽曲でもマイペースなのでは」だったり「ひとカラだったら意外とノリノリで歌ってるかも」だったり、可能性が見えてきました。
といったキャラとの対話を通して、普段のキャラクター性とはガラリと変わるけどカッコよくてかわいい雰囲気にピッタリ合う楽曲へとつながっていきました。


スカパンク系の楽曲

「天華百剣 -斬-」は3枚のアルバムを出したのですが、それぞれに1曲ずつスカパンク系の楽曲を入れています。
また自分は「スカパンクにホーン隊は必要」派なので、3曲ともホーンありの編成になっています。

『繚乱★はろうぃん』

津田越前守助廣(CV:松田颯水)、八丁念仏(CV:久保田梨沙)、雷切丸(CV:河瀬茉希)
衣装のテーマ:ハロウィン

2018年10月にリリースしたハロウィンがテーマの曲です。
スカパンクの明るくて楽しいノリがコミカルな雰囲気にすごくマッチしてます。
この曲で「仮装=なんでもありな空気」という解釈することで「ハロウィン」というテーマはかなり自由度が高いことがわかりました。
その気づきが2019年、2020年のハロウィン曲へと繋がっていくので、後でまた紹介したいと思います。

『恋の大運動会』

虎御前の太刀(CV:高森奈津美)、日光助真(CV:中村桜)、日本一則重(CV:春瀬なつみ)
衣装のテーマ:スポーツ

今となっては遠い昔に感じてしまうのですが、スカパンクはフェスで青空の下で聴くのがベストな聴き方の1つだと思っています。(何も考えずにそんな状況を楽しめていたのがすごく遠い昔に感じてしまいます)
そんな「青空の下でスカパンク」の雰囲気を味わえる楽曲になっています。
何も気にせずにライブを楽しめるようになることを心から祈りつつ、それまでは音源を聴いて楽しみたいと思います。

『あおはる探検隊』

抜丸(CV:金子彩花)、不動行光(CV:関根明良)、物干し竿(CV:小串麻依)
衣装のテーマ:制服

あおはる=青春がテーマの楽曲です。
キャラのモチーフとなった「刀」は、何百年も前に打たれています。
そんな悠久の時を生きるキャラクターにとって「青春」はどんな風に感じられているのか…?といったテーマになっています。
ちょっと難しいテーマも、底抜けに明るい曲になるのはキャラクター性と楽曲の雰囲気の成せる業ですね。


アイドル系の楽曲

作品の世界観のギリギリいっぱいのところで「架空のアイドルユニット」を設定し、そのユニットの楽曲という形で2曲のアイドル曲を制作しています。
「刀」がモチーフのIPにおけるアイドルがどのようなものだったのか、ぜひ聴いて想像を巡らせてみてください。

『刀身をやさしくタップ♡』
『GO-MA-N-E-TSU』

SAMONJI
[江雪左文字(CV:佐藤亜美菜)、小夜左文字(CV:秦佐和子)、義元左文字(CV:篠田みなみ)]
衣装のテーマ:アイドル

「SAMONJI」というのは、作中の架空のアイドルユニットです。

当初「◯◯左文字」の名前のキャラクターが3人いて、かなり初期からアイドル衣装のイラストがすでに用意されていました。
いざ実装するタイミングで、どんなアイドル曲にしようかと考えていた時に「SAMONJI」という架空のアイドルユニットがあって、その架空のデビューシングル曲として作ってもらえばいいのでは?と思いつきました。
その後は、架空のキャラクター設定とコンセプトをつくり『刀身をやさしくタップ♡/GO-MA-N-E-TSU』の両A面シングルという設定で制作を依頼しました。

毎月リリースのキャラソンとしては『刀身を〜』のみ制作したのですが、後にもう1曲の方の『GO-MA-N-E-TSU』も制作が決まり、架空の設定が現実になってすごく嬉しかったことを覚えています。
どちらもすごくオシャレでかわいい楽曲になっていますので、ぜひ聴いてみてください。


クリスマスソング

「クリスマスソング」というのは曲調を表す言葉ではなく、ジャンルを表す言葉とも少し違います。
なんというか「クリスマスソングはクリスマスソング」でしかなく、乱暴に言うなら「12月に発表されるメリークリスマス的な内容の歌は全てクリスマスソングになる」みたいな感じです。
それほどまでにあの雰囲気は強い、ということをひしひしと感じながら3曲のクリスマス曲を紹介します。

『くくくXmas剣奏曲』

和泉守兼定(CV:高井舞香)、獅子王(CV:高柳知葉)、太郎坊兼光(CV:原田彩楓)衣装のテーマ:クリスマス

「天華百剣 -斬-」の最初のクリスマスソングは、これでもかという感じの電波曲でした。
キャラクター性がバラバラすぎる3人が歌う曲はすごく難しいのですが、この3人は「意外な二面性がある」という共通点がありました。
その共通点を活かして「普段見えない方の面がメインになるような曲」という形で仕上げてもらています。
あと、この曲はハンドベルを生音で入れてもらったのですが、ハンドベルではありえないBPMで演奏していただくという無茶振りに見事応えていただけました。

『ハチャメチャpanicでパーティtonight』

八文字長義(CV:櫻庭有紗)、疱瘡正宗(CV:桃河りか)、村雨助廣(CV:小堀幸)
衣装のテーマ:クリスマス

2曲目のクリスマスソングは「ビッグバンド」の楽曲です。
クリスマスの華やかな雰囲気を、ビッグバンドの豪華な編成で表現してみたいという試みでした。
その試みは大成功で、ボーカルとサウンドが相まって楽しいクリスマス感を存分に感じられるような楽曲になっています。

『すぺしゃる☆Holy Night!!』

岡田切吉房(CV:杉浦しおり)、歌仙兼定(CV:佳穂成美)、二つ銘則宗(CV:河野ひより)
衣装のテーマ:クリスマス

3曲目のクリスマスソングは「ファンク」の楽曲です。
ファンクといっても煌びやかな雰囲気のものからソウルフルなものまで幅広いのですが、この曲はかわいく元気で煌びやかな方のファンク曲になっています。
ただ、ファンクというジャンルがもつ、そこはかとない夜の雰囲気も表現したくて「クリスマスの夜をどう過ごす?」という歌詞にも注目いただけれると嬉しいです。


オルタナ、シューゲイザー系

自分的に大好きなジャンルなのですが、キャラソンにするのは難しいジャンルでした。
アルバムを3枚出した中の3枚目で2曲、後半になってやっとチャレンジできたのでその結果を聴いていただければと思います。

『雨映す夢現つ』

愛染国俊(CV:佐藤あずさ)、石田切込正宗(CV:北野更)、姫鶴一文字(CV:山田麻莉奈)
衣装のテーマ:制服

タイトルの通り「雨」のシーンを歌った楽曲です。
「雨の日、ふと有り得たかもしれない学生生活を夢想してみる」といったテーマで、雨音のSEもすごくいい感じでしっとりとした雰囲気です。
テンション高めの楽曲も多い中で、少し違ったアプローチがいい感じの清涼剤のような役割を果たしてくれています。

『サマーイントロダクション』

波切(CV:小松郁)、蜂須賀虎徹(CV:湯浅かえで)、物吉貞宗(CV:田辺留依)
衣装のテーマ:夏服

この曲は2021年6月にリリースされた、一番最後に制作された楽曲でした。集大成の1つとなる曲なので、どんな曲が相応しいか考えに考え「さわやかな切なさ」をテーマにしています。
個人的に「梅雨明け間近の雨上がり、雲の切れ間からのぞく夏空を見た時に、これからやってくる夏に思いを馳せてワクワクしながらも、どこか夏の季節特有の切なさも少し感じる」ということがあるのですが、まさにそんな情景を曲にしてもらいました。

サービス終了をお知らせしたのが同じ2021年6月だったこともあり、切ない思いもたくさんあるのですが、この楽曲のさわやかさにかなり救われました。


次回へ続く…

ここまで読んでいただき、ありがとうございました…!

書き始めた時は「サクっと全曲紹介しよう」と思ってたのですが、50曲という曲数もさることながら、1曲1曲の思い入れが強くて一定の文字数で紹介するのがすごく大変でした。
ここまでで23曲分なのですが、続きは日を改めて紹介したいと思います。
しばらくお待ちください。

後編はこちらです。
スマホゲーム「天華百剣 -斬-」で制作した50曲のキャラソンを、曲調やジャンル別で全曲紹介してみます!(後編)

最後に全曲をまとめたリストも作っているので紹介させていただきます。
それでは次回もよろしくお願いいたします。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?