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reborn 番外編 天音翔

 僕は2024年の2月に、27才になりました。
あの時、一命をとりとめた僕は今、renonの姉妹店で新宿の新店舗 Millerの店長をしています。  すべて亮平さんの計らいです。
Miller は新宿花園町に店をかまえました。
1階はショットバーで、カジュアルにカクテルを楽しめ、待ち合わせにも最適なスペースです。
地下に降りると、ちょっと異世界で、コンテンポラリーでありながら落ち着いた大人の雰囲気です。
その日の天候にも合わせたジャズをチョイスして、くつろげる空間を提供しています。
広さは12坪とそんなに広くはないのですが、なかなか個性的な店になりました。
 そして、亮平さんとは今、一緒に暮らしています。
亮平さんは、バーのオーナー以外にも、内装のデザインの会社を経営しているので、というかそっちが、本業なので、今忙しいようです。
一緒に暮らしてるとは思えないほど、すれ違っています。

 (それから、僕の中にはreborn した、橘 美玖さんの魂が、生きています。        僕自身にもその認識はありません。
美玖さん自身の記憶はもうありませんが、彼女の特性は翔の特性として生きています。
だから、IT はお手のもので、店のホームページも自分でつくりました。
旬の野菜を使って、ちょっとした料理も手早くつくれます。
悪癖は、酔うとしつこく絡むところです。)

 店のキャストは、翔と店長補佐と後はアルバイトの店員が2名でシフトを組んでます。
1階は、御苑も近いので、観光客も多くて、忙しくなる時も多いので、少なくとも後一人アルバイトは欲しいところです。
今日もアルバイトの面接があります。
「店長!バイトの子 面接来てます」
「わかった! 地下の事務所に通しておいて! 今行くから」

「はじめまして 店長の天音です」
「はじめまして 七瀬 拓です」
「履歴書持ってきてくれた?」  
「はい!」
「ちょっと、見せていただきますね 大学生?」
「はい!2年です」
「夕方6時から、11時半までの間で、4時間以上で週何回位はいれる?」
「4回くらいでも、大丈夫ですか?」
「うーん ほかの子との兼合いもあるから、多少は融通利くよね」
「あと、経験はある?」
「3か月位経験ありますが、知識はそんなに・・・」
「身長何センチ?」
「178センチです」
「髪も、染めるならインナーカラー位にしてね」
「ちょっと他との兼合い考えたいので、近日中に連絡させてもらいます」
バーテンダーというのは、けっこう特殊な仕事なので、面接は必須になります。
「店長!どうでした? ルックスいいですよね」
「まあ いいよね! でも利人にはかなわないかな」
「店長最近 口上手いですよね」
「まあ 何と言っても翔さんが№1ですけどね」
「ホストじゃないんだから、№1はないでしょ」
「バーテンは一歩引いて、気が利く、スマートさが大事ですよ」

 そして、この拓を含めて5名で、常に3~4人で店を回していくことになりました。
新人は覚えないといけないことも多々あるので、即戦力にはなりません。
それでも、9月のオープンからなかなか順調に運んでいます。
こうして翔の生活は一変しました。
そう取り急ぎ、亮平さんに相談したい事があるので、休み今度いつとれるか聞いていました。
あれ!返事は・・・きてました。
明日? 「じゃあ 明日昼に飯、作るので、楽しみにしていて下さい」
後でちょっと店抜けて、買出しに行ってこようと、思います。

    つづく        ナカムラ・エム



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