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ドラマ『ゆりあ先生の赤い糸』

 2023年10月のドラマですから、かれこれ一年前のドラマです。
大好きなドラマです。  先日ネットフリックスで3回目を見終わって、3回目なのに、涙と鼻水まみれの自分にビックリです。
バカなんでしょうか? このドラマみると、身体中のネジが緩むんです。

悲しいドラマじゃないんです。
属性も年齢も違う他人が、一人の愛する男を介護する中で育まれる人間愛のお話です。

 旦那さんが倒れて救急車で運ばれて、病院に駆けつけると、そこに若いイケメンの愛人がいるという衝撃的なはじまりです。
即刻手術をするも意識が戻らない夫を、家で介護することを決意する、責任感の強い、ゆりあです。
しかし、高齢のお母さんも熱を出した時に、一人では手が回らなくなったゆりあは、この夫の愛人、りくを呼びつけます。
元気な時だけ「愛してる」なんてくそままごとだと・・・。
そんな時、またまたごろさんパパを訪ねてふたりの子供があらわれます。
怒涛の展開に、ごろさんてどういう人?と思うのですが、ごろさんは困ってる人を見過ごせない、お人好しです。
そうして、旦那の浮気相手?達との介護の分担を目的とした、共同生活がはじまります。

 このドラマはマイノリティ、DV、介護、といろんな問題が入り乱れて展開していきます。  烈しくぶつかることもある中で、年齢も立場も違う他人が、少しずつ相手を認めて繋がっていく、姿が素敵でした。
それは、菅野美穂さん演じるゆりあが、大好きな父親の影響でかっこよく生きる人でありたいと思う人で、旦那のごろさんも困っている人を、ほっとけない人間愛にみちている人だからこその展開です。

 主題歌は矢井田瞳さん書下ろしの『アイノロイ』です。
これはアイ?  それともノロイ? ではじまる主題歌は、愛と呪いが混在する日々を逞しく前向きに生き抜く、主人公ゆりあ、そのものです。
比べたりしない、幸せのカタチは私が決めるの・・・と常識に捉われないで、自分の価値観を貫いていく、ゆりあの懐の深さも感じます。
そんなゆりあさんだからこそ、新な恋も引き寄せるんだと思います。
年の離れた二人がいろんな事情のある中で恋をします。
恋しいのに、お互いの幸せを最優先する気持ちが、とても愛おしく感じます。    優弥役の木戸大聖さん、素敵でした。

 登場人物の数だけ思いがありました。
ごろさんのお母さんは三田佳子さんが演じます。
他人が家に入るのが嫌で、昼食はどうするの? 夕食はどうするの? といっていたおばあちゃんが、リク君が息子の弟子じゃなく、恋人だってことを許容するんです。  もしかしたら孫かもしれないと思っていた、二人の子供も血縁関係にないことを受け入れてなお、愛情を注ぎます。
最後にお母さんが「ゆりあさんと吾良は夫婦という肩書の親友なのね」というのが、印象的でした。

 このドラマは菅野美穂さんだから成り立ったと思うのですが、吾良さんの愛人のリク君も、迫真の演技でした。
鈴鹿央士さんですが、今までちょっと幼さが残っていたのに、凄く大人で迫力ありました。
今、月9で『嘘解きレトリック』というドラマに貧乏探偵の役で出られています。   大人の魅力も出てきて、これから楽しみな俳優さんです。

 この『ゆりあ先生の赤い糸』は、いろんな評価があったようです。
私が好きな程、すんなりとは受け入れられなかったようです。
しかし、結婚願望のない人が増えて、家族という関係性も希薄になっている昨今、人と人の繋がりも変わって然るべきかと思います。
今までの常識では太刀打ちできないことも増えてきた時、こういう愛のかたちもあっていいのかと思います。

まだ観てなかったら是非!観て下さい。  テッシュケース抱えて!

                     ナカムラ・エム                    

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