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听写レビュー:中国語で学ぶ中国文化基礎知識

これいいですよ。とてもよい。
著者さんらの高名ぶりに忖度とかしてない。

「永遠の中級者が輪廻から解脱するための第一歩として、听写をするなら選ぶべき一冊目」くらい言ってもいいと思う。

買え


「激推し」まで感情的に推す訳じゃないけど、冷静に、淡々と、内容的にも、「押さえとくべき基礎」が入ってる。

全20課。1課4~6分くらい。
中国の基本的な、良く言えば絶対知っとかなくちゃいけない、悪く言うとステレオタイプ的な知識について学べます。

推奨レベル・対象

「HSK5級取得〜ギリHSK6級取れたけどリスニングよくわかってない、えー听写?ってのやった方がいい?って人」が最初に手を出していいやつとしてオススメしたい。

【聴読中国語】は面白くない(面白くない!)し、【耳が喜ぶ中国語】は、最初はヌルいのに後半につれて心折られてくから。
「きちんとやりきる一冊」として。すごく良い。
一冊やりきると自信につながるじゃない?

(※聴読〜はああ見えてめちゃくちゃ硬派だし、耳喜〜はマジで听力上がるんで、メンタルが持つなら是非両方やってください。どちらも良い本です。)

硬派だけど自由度が高い

基本的には老师の下で使う本なのでしょう。
日本語訳はおろか解説もほとんどない。基本的な文法が身についてることが前提。

近いとこだと【時事中国語の教科書】くらい硬派。
「こういうふうに使いましょう」というガイダンスもない。でもその分自由度が高い。

「本書の使い方」とかってすごく丁寧に冒頭何ページとか書いてくれる本もある中で、自分がその通りに使えてないことにストレス、というかプレッシャーを感じる人、いるよね→なかむら。

ゆっくり、拼音つき

音声がゆっくり(中検2級のリスニングくらいかな)で、落ち着いて聞いてられる。
拼音もついてるし、しっかり音をつかみながら丁寧に音読、シャドーイングができる。

ちょっと古いけど

名著だけに、感覚がちょっと古いかも。2000ゼロ年代くらい。
でも中国語をor中国を勉強するにあたって、前提として絶対に知っとかなきゃいけやい、最低限、聞いたこともないとしたらゾッとするような(冒頭にも書いたな)ことがひととおり詰まってる。

このテキストで触れるような中国を抑えた上で、【時事中国語〜】とか专业汉语教程】【中国文化概】【经贸级汉语とかに発展させていくと、きっと楽しい。

 あとは留学したいとかで专业汉语教程】やらされる可能性があるなら、その土台として听写しないまでも読んどくと後が楽なんじゃないかしら。

 まぁ中国専門にやる人からすれば、そんなこたぁ知っとるわ、と言われるようなことばかりなのかもしれません。

 或いは中国が専門じゃなくても、実際に現地行って「そうだな」とか「いやいやいや」とか、比較して感じてみたりとか。
 結局相対的なものじゃん。そのベースラインとしての知識を、この本で学んでほしい。

 逆に言えば、その辺の下地がある人は、特に必要ないかな。

弱点がないでもない

ちらほらイレギュラーな単語も出て来るのよね。

でも听写の過程で「聞き取れない→想像する→辞書ひくorネットで調べる→これか!(orわかりません!)」みたいな噛みごたえも含めて、ちょうどいい。
その経験が、次につながる。

【3/6 追記:固有名詞多いけど知っといた方が/聞いたことあった方が良いものばかりなので、苦しくても調べなさい】

あとは3課に1個くらいだけど、【そこもうちょい非母語者向けにはっきりと発音してほしかった】みたいな曖昧な音があったりはする。
これはなかむらの中にに入ってる音と違うだけかもしれん。

是非、発行元の東方書店の店頭、またはオンラインショップで買ってください。



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